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「まごわやさしい」和食で妊娠しやすいからだに整えよう  | Marbera

山田 由紀子先生

山田 由紀子先生

2019/05/01

はじめまして!管理栄養士の山田由紀子です。

妊娠しやすいからだづくりには、栄養バランスの取れた食事は欠かせません。

でも、さまざまな情報に触れるなかで、どのような食べかたが正解かわからなくなっている方が多いのではないでしょうか。

そこで、今回おすすめする食事法は、「まごわやさしい」和食です。

日本人が昔から食べてきた「和食」は、ごはんを中心に、魚や野菜のおかずと汁物を食べる一汁三菜の献立が基本になります。

この和食の献立をバランスよく整えるために使う魔法の呪文が「まごわやさしい」です。

「まごわやさしい」とは?

「まごわやさしい」とは、和食によく使われる7種類の食材の頭文字を並べた語呂合わせです。これらの食材を毎日の食事で不足しないように食べるだけで、色々な種類の栄養素がしっかりとれてバランスの良い食事になります。

「まごわやさしい」は、それぞれどんな食材で、どのような栄養がとれるのかをみていきましょう。

「まごわやさしい」食材と栄養素

【ま】まめ類

大豆、あずき、金時豆などの豆類、納豆、豆腐、油揚げ、豆乳、みそなどの大豆加工品。

大豆は、『畑の肉』といわれるほど良質なたんぱく質が豊富。たんぱく質は、体づくりの土台となる基本の栄養素であり、妊娠に必要不可欠なホルモンの材料にもなります。

ビタミンB群、カルシウム、食物繊維などもバランスよく含まれています。

乾燥豆は、調理に手間がかかりますが、豆の缶詰を利用すれば、サラダやスープなどに気軽に使えて便利です。

「ま」を使ったカンタン一品料理:五目豆、揚げ出し豆腐のおろしポン酢がけ、油揚げと小松菜の炒め物など

【ご】ごまやナッツなどの種実類

白ごま、黒ごま、くるみ、アーモンド、ピーナツなど。

種実類は、カルシウム、鉄、ビタミン類が豊富。なかでも、ビタミンEが多く、血行を良くして冷え性を改善したり、強い抗酸化力で、細胞の老化を防いだりする効果が期待できます。

神経の興奮を抑える効果で『天然の精神安定剤』ともいわれるマグネシウムもしっかりと補給できるので、イライラや不安な感情を和らげてくれます。

ごまはすりつぶすと栄養の吸収がよくなるので、料理にはすりごまを使うようにしましょう。

「ご」を使ったカンタン一品料理:ほうれんそうのごま和え、ごま塩ふりかけ、里芋のごまみそ煮など

【わ】わかめなどの海藻類

わかめ、昆布、ひじき、海苔など。

海藻類は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などが豊富でミネラルの宝庫。

鉄は子宮内膜を作る材料となり、子宮環境を良い状態に整える働きがあります。

食物繊維が多いので、便秘気味のときにも役立ちます。

海藻類は、酢や油と一緒に調理すると、栄養の吸収率が高まるので、酢の物や炒め煮にするがおすすめです。

「わ」を使ったカンタン一品料理:わかめの酢の物、ひじきの炒め煮、海苔ともやしのナムルなど

【や】やさい類

緑黄色野菜(人参、ピーマン、かぼちゃ)、淡色野菜(キャベツ、れんこん、ごぼう)など。

野菜類は、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEとミネラル類、食物繊維、葉酸が豊富。

ほうれんそうや春菊など青菜に多い葉酸は、赤ちゃんの脳の発育や神経を作るために必要なので、これから妊娠する女性には欠かせない栄養素です。

野菜類を食べる量は、1日350g以上を目標にします。野菜メインの小鉢やサラダなどを1日5皿分が目安。野菜のうち、120gは緑黄色野菜で摂るようにしましょう。

「や」を使ったカンタン一品料理:筑前煮、蒸し野菜、具だくさんみそ汁など

【さ】さかななどの魚介類

青魚(さば、いわし、さんま)、白身魚(鯛、たら、ひらめ)、干物類(ちりめんじゃこ、桜えび)、貝類(あさり、しじみ、かき)、甲殻類(えび、かに、いか、たこ)など。

魚介類は、良質なたんぱく質が豊富。

青魚の脂には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が多く、動脈硬化や脂質異常症などの生活習慣病予防に役立ちます。

貝類に豊富な亜鉛は、生殖機能を正常に維持する働きがあります。

新鮮な魚をはじめ、さば缶やあさり缶なども利用して、1日1食は魚料理を食べるようにしましょう。

「さ」を使ったカンタン一品料理:さば缶と白菜の煮物、たらの甘酢あんかけ、あさり炊き込みごはんなど

【し】しいたけなどのきのこ類

しいたけ、しめじ、えのき、エリンギなど。

きのこ類は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富で、骨を健康に保ちます。

食物繊維がしっかりとれるので、お腹の調子を整えたり、便のカサを増やしたりして、便秘の解消にも役立ちます。

ビタミンDは油に溶け出す性質があるため、きのこ類はいため物や揚げ物にすれば、効率的に栄養が摂れます。

「し」を使ったカンタン一品料理:きのこのバター醤油炒め、しいたけの天ぷら、えのきのぽん酢和えなど

【い】いも類

じゃがいも、さつまいも、里芋、長芋など。

いも類は、エネルギー源となる炭水化物を中心に、ビタミンCと食物繊維が豊富。

ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、いも類のものは、熱に強く加熱してもしっかり摂れるのが特徴。

さつまいもやじゃがいもの皮には、食物繊維やカルシウム、ビタミンCがたくさんあるため、皮も一緒に食べるとより栄養効果が高まります。

「い」を使ったカンタン一品料理:じゃがいものそぼろ煮、さつまいものレモン煮、長芋の海苔和えなど

昨日の食事を思い出してみよう!

「まごわやさしい」のそれぞれの食材はわかりましたか?

では、昨日1日の食事を思い出してみて下さい。

バランスよく食べているつもりでも、とれていない食材がいくつもあったり、偏りがあったりと、食事のとり方のクセがわかると思います。

これから、買い物や料理をする時には、「まごわやさしい」の呪文を唱えながら、食材のチェックをしてみてはいかがですか?

じつは、私も不妊の経験があり、食生活の見直しなどさまざまな体質改善に取り組んだ末に、息子を授かりました。

管理栄養士という仕事柄、栄養バランスのとれた食事を簡単にとれると思われがちですが、そんなことはありません。食べ物の好みや忙しさなどによって、知らず知らずのうちに偏ってしまうので、「まごわやさしい」で欠かさずチェックしていました。

はじめから、すべての食材を取り入れようとしなくても大丈夫です。

和食を意識して、今まであまりとれていなかった食材から、少しずつ口にすることで、体質は改善されていきます。

「まごわやさしい」を合言葉に、普段の食生活を見直して、健康で妊娠しやすいからだに整えていきましょう。

参考URL

厚生労働省「健康日本21」

◎目標値のまとめ 1.栄養状態、栄養素(食物)摂取レベル

○成人の1日あたりの野菜の平均摂取量の増加 目標値:350g以上

○カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の成人の1日あたりの平均摂取量の増加 目標値:牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上

https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html

参考書籍

・ムック「マ・ゴ・ワ・ヤ・サ・シ・イ レシピ」杏林予防医学研究所所長 山田豊文監修

・文化出版局「奥園流・まごわやさしい健康料理」奥園壽子著

・池田書店「赤ちゃんがほしい人のための栄養レシピ」栄養カウンセラー定真理子著/大宮レディスクリニック院長出居貞義監修

・成美堂出版「栄養の基本がわかる図解事典」中村丁次監修

著者:管理栄養士 山田 由紀子

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