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不妊治療後は産後うつになりやすい傾向。理由と対策を知って産後に備えよう | Marbera

Marbera運営事務局

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2021/09/19

出産した女性の約15%に起こると考えられているのが、産後うつ。漠然と「産後に気持ちが不安定になってしまうこと」と理解している人は多くても、実際産後うつになる人のほとんどが自分が産後うつになるなんて想像してもいません。また、すでに産後うつになっていても、未だなお自分が産後うつに該当するという自覚がないということも珍しくありません。

さらに、不妊治療後の妊娠は産後うつになりやすいというデータも一部あることも事実なのです。

妊娠、出産後の不安を払拭するためにも、また、すでに産後うつかも…と心当たりがある人の参考のために、不妊治療後の妊娠が産後うつになりやすい理由や、産後うつの対処法を理解しておきましょう。

産後うつは出産後誰にでも起こり得ること

産後うつ病とは、分娩後の数週間から数カ月に渡って続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態のことをあらわします。産後うつの原因自体は、急激なホルモンバランスの変化によるものという考えや、過去のうつ病既往歴、周産期のストレスなどが原因となるという考えがあり、明確ではありません。

しかし、妊娠中の女性はつわりを始めとした体調変化が多く、妊娠後期ともなればお腹が大きくなるにつれて日常生活を送るだけでも大変なエネルギーを使います。つまり、出産によるホルモンバランスの変化にせよ周産期のストレスにせよ、出産に伴いこれが起こらない女性はほとんどいないということです。どれだけ認知や理解が広がっても、元気なときには人はついつい「自分にはメンタル的な不調は起こりにくい」と考えてしまう傾向があります。しかし妊娠中の人やその周囲の人は、産後うつは誰にでも起こりうる不調だということをまず理解しましょう。

不妊治療後の妊娠では産後うつの人が増加

2010年に発表された論文「妊産婦の妊娠の状況と抑うつ状態との関連」では、産後うつと妊娠の状態の関連性を知るために、自然妊娠、不妊治療後の妊娠、望まない妊娠など、妊娠したときの状況と産後の精神状態を比較しました。出産直後、出産一ヶ月後、出産4ヶ月後といったように時間の経過とともに測定していますが、不妊治療後の妊娠においては望まない妊娠による出産に次いで2番め、もしくはどの妊娠よりも産後うつの人が多いことがわかりました。

不妊治療後の妊娠に産後うつが多い理由

すでにお伝えしたとおり、そもそも産後うつの明確な原因というのはわかっていません。従って、不妊治療後の妊娠がどうして他の妊娠に比べて産後うつに繋がりやすいのかというのも、明確にはわかりません。しかし、これまでの研究によっていくつかの原因が推測されます。

そもそも不妊治療患者に抑うつ症状の傾向が高い

2021年の研究データでは、いわゆる体外受精と呼ばれる高度不妊治療の初期段階では、54%以上の女性に抑うつ症状が見られるということがわかりました。他の不妊治療やその後の時間的経過に伴う推移などが明確になっていない部分はありますが、高度不妊治療に関わらず、不妊治療というのは肉体面でも精神面でもとても大きな負担がかかるものです。

たとえば不妊治療患者の負担となるのは以下のようなことです。

  • 希望していないのに妊娠できない状況
  • 治療のための内診
  • 治療のための薬の副反応
  • 治療そのものの痛み
  • 治療と仕事、家事の両立
  • パートナーとの治療に対する温度差
  • 治療にかかる莫大な費用への懸念

ここにあげたのはほんの一部でしかなく、不妊治療を受けている人は個々の状況によっていくつもの負担を抱えています。治療方法はそれぞれの健康状態や年齢などで大きく異なり、家庭の状況も千差万別。そのストレスの内容や種類は人によって様々で、同じ治療当事者同士でもパートナーであっても理解しあえず、孤独を感じやすいというのも多くの人が感じていることです。

そもそもうつ症状の既往歴がある人は、産後うつになりやすいことがわかっています。当人が気がついているかどうかに関わらず、不妊治療経験者にうつ状態の人が多いということは、産後うつを起こしやすい人が多いとも考えられるでしょう。

ただし、2010年に発表された論文「妊産婦の妊娠の状況と抑うつ状態との関連」ではあくまでも「不妊治療後の妊娠と自然妊娠」での産後うつ状態の比較であり、さらに体外受精と一般不妊治療での比較において差は見られていません。

不妊治療中は出産後のイメージが湧きにくい

日本における不妊治療の課題のひとつに、産科医療との分断があげられます。総合病院や産婦人科で不妊治療を受ける人もいますが、生殖医療は医療の中でも専門的な分野であり、不妊治療専門病院で診療を受けている人も多いはずです。

不妊治療のみの観点からいえば、医療のゴールは妊娠です。しかし、当然ながら患者のゴールは出産です。悲しいことに妊娠と出産はイコールではなく、妊娠に至ったものの出産には至らないというケースが出てきますが、それでも妊娠が成立し、一定期間継続できたことを確認した時点で不妊治療は成功とということになります。つまり、不妊治療中は医師も患者もとにかく妊娠を目標に治療を進めていきます。

これまで不妊治療は保険適用外の治療でもあり、明確なガイドラインの定めがありませんでした。そのため患者は自身で様々な情報収集をし、場合によっては受け身になることなく治療を進めていく必要がありました。不妊治療当事者は妊娠のための情報や治療に集中する反面、妊娠後、出産後の自分がイメージしにくくなっていることがあるようです。

出産後に期待しすぎてしまう

不妊治療の困難さを理解しているからこそ、出産前であっても不妊治療患者は妊娠、そして出産がいかに奇跡的なことかを十分に理解しています。その結果、出産後のイメージがしにくいケースとは反対に、出産後に過度な理想を抱いてしまう人もいます。せっかくできた子供が産まれたらこんなことをしてあげたい、こんなお母さんになりたい、と具体的な理想が膨らみすぎてしまうのです。

しかし赤ちゃんというのは産まれたときから十人十色、そして母体も想定どおりのことばかりではありません。寝付きが良い子もいればそうでない子もいるし、母乳が出る人もいれば出ない人もいます。

どんな子供なら良い子というわけではなく、同様にどんな母親なら良い母親、と明確に定義できるものではありません。にも関わらず、過度な期待を寄せてしまうことで理想どおりに進まないときに激しく自分を責めてしまったり、強いストレスを感じてしまったりということになりかねません。

産後うつの対策

日本人は欧米に比べてメンタルヘルスの専門機関との接点が多くありません。カウンセリングを受けることや精神科に通うことに抵抗を感じる人が多く、実際に精神的な不調を感じてもどこに相談すべきか、どう改善すべきかのいとぐちが見つけられないということがよく見られます。

万が一自分が産後うつになったときのために、産後うつの対策を知っておきましょう。

しんどいと感じた時点で行動を

まず、産後うつの症状を理解しましょう。産後は赤ちゃんのリズムで生活することになり、多くの人が寝不足や授乳で体力的にも負担を感じます。そのため、育児をつらいと感じたり疲れを感じることがあっても「これぐらいは誰でも同じだろう」と考えて我慢しすぎてしまい、対処が遅れてしまうことがあります。

産後うつの症状は人によって異なりますが、一例をご紹介します。(参考:MSDマニュアル家庭版

  • 極度の悲しみ
  • 頻繁に泣く
  • 気分の変動
  • 易怒性および怒り
  • 極度の疲労感
  • 睡眠障害(過眠または不眠)
  • 頭痛および全身の痛み
  • 性行為やほかの活動への興味の喪失
  • 不安発作またはパニック発作
  • 食欲減退または過食
  • 日常生活を送ることが困難になる
  • 子どもに対する関心の喪失または不合理な心配
  • 無力感または絶望感
  • こういった感情をもっていることへの罪悪感
  • 子どもを傷つけることに対するおそれ
  • 自殺念慮

このような感情を感じたり、しんどいと感じた時点でこれから紹介する何らかのアクションを起こすことをおすすめします。

家族や友人など相談相手をつくる

突然専門機関にかかるというのは誰にとってもハードルが高いものです。まずは家族や友人など、育児について正直な思いを伝えられる相手をみつけましょう。育児をつらいと感じるなんて甘えだと思われてしまう…と不安になってしまう人の場合、家族以外の人や、子供がいない人のほうが話しやすいこともあります。また、出産後に職場復帰した経験がある人などは周囲の協力の重要性を知っていることが多いため、相談しやすいという人もいます。

出産の時期が近すぎる相手では自分と比べてしまって正直な感情で話ができないことも珍しくないため、自分が正直な感情で話ができる相手であることがポイントです。

医療機関を利用する

産後うつは精神科や診療内科で診療を受けるのが一般的です。しかし、どこの病院に罹るべきかわからない場合などは、まずは出産した産科で相談してみましょう。産科で話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることもあれば、カウンセラーや病院を紹介してもらえることもあります。

その他の相談機関を利用する

市役所や区役所など、行政機関には保健師さんがいるのが一般的で子育て支援を受けることができます。また、地域の児童館などでも相談できることがあります。

直接足を運ぶ気力すら湧いてこないときや、近隣の人では相談しにくい、対面での相談は躊躇してしまうという人は、インターネットでサポートを探してみてください。「子育て相談」「子育て支援サービス」などで検索すると、オンラインでの無料相談など自分の希望条件にあったサポートが見つけられるかもしれません。

ベビmatchの中でも相談サービスを提供しています。不妊治療中だけではなく、妊活検討段階から、不妊治療を経て妊娠した方、一般の方も利用が可能です。

産後うつは誰のせいでもない

繰り返しになりますが、産後うつは誰にでも起こりうることです。産後うつかもしれないと感じても、決して自分を責める必要はなく、仮に「誰でも大変」などと言われても気に病む必要もありません。

育児というのは長期に渡り続くものだからこそ、一時の我慢では終わらないことがあります。自分の健康状態と上手にバランスを取って進めていくためには、自分の体や心のSOSに早期に気が付き、アクションを起こすことが大切です。

風邪を内科に行き、怪我をすれば外科に行くのと同様に、心の不調にはそれにあったケアが必要です。周囲や専門機関の力を借りるのは育児でとても重要なことだと気楽に考えるようにしてくださいね。

いつでもベビmatch相談サービスをご利用ください。

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