女性にとって、外陰部のかゆみは非常に不快な症状であり、日常生活に支障をきたすことがあります。以下に、外陰部のかゆみを引き起こす可能性のある主な疾患や原因について詳しく説明します。

カンジダ膣炎

抵抗力が低下したときや妊娠、抗菌薬を長期使用した時などに起こる疾患です。

ヨーグルトや酒かすのようなおりものになり、激しい痒みを伴います。
婦人科で診察してもらい、抗真菌薬を腟内に挿入することによって治療をします。

症状

・激しいかゆみ

・乳白色でヨーグルト状のおりもの

・外陰部の赤みや腫れ

原因

・カンジダ菌の異常増殖による 

・抗生物質の使用や免疫力の低下が引き金になることが多い

トリコモナス膣炎

性行為によりトリコモナス原虫に感染し、黄白色の泡のようなおりものが出ます。
激しい痒みとともに、陰部に灼熱感がある場合があります。

症状

・激しいかゆみと灼熱感

・泡立つ黄緑色のおりもの

・悪臭を伴うおりもの

原因

・トリコモナス原虫の感染

・性交渉による感染が主な原因

外陰ヘルペス

外陰ヘルペスは、ヘルペスウイルスによる性感染症で、外陰部や膣に痛みとかゆみ、水ぶくれや潰瘍が現れます。初感染時には発熱やリンパ節の腫れも伴うことがあります。感染経路は主に性交渉で、再発しやすい特徴があります。治療には抗ウイルス薬が用いられ、早期診断と治療が重要です。性交渉時のコンドーム使用が予防に有効です。

症状

・外陰部や膣の痛みとかゆみ

・水ぶくれや潰瘍が形成される

・発熱やリンパ節の腫れを伴うこともある

原因

・ヘルペスウイルスの感染

・性感染症として広がることが多い

腟座薬のアレルギー

症状

・外陰部や膣内のかゆみや腫れ

・発疹や炎症が見られることも

原因

・腟座薬に含まれる成分へのアレルギー反応

・特定の化学物質や保存料が引き金になることがある

ナプキンかぶれ

症状

・外陰部のかゆみ

・皮膚の赤みやヒリヒリ感

・かぶれや発疹が見られることも

原因

・ナプキンの素材や香料による刺激

・長時間の使用や湿気が原因となることが多い

萎縮性膣炎

閉経が近づいてくると、エストロゲン欠乏により腟自浄作用の低下や腟粘膜の萎縮によって炎症を起こすことがあります。性交痛があったり、発赤がみられます。この場合は年齢などを考慮して腟の細胞診で診察し、エストロフェン製剤で治療をします。不安がある方は受診してみましょう。

症状

・性交痛

・外陰部の赤み

原因

・エストロゲン欠乏により腟自浄作用の低下や腟粘膜の萎縮によって炎症を起こす

心因性

心因性のかゆみとは、身体的な異常が見られないにもかかわらず、ストレスや不安などの心理的要因によりかゆみを感じる症状です。以下に、心因性のかゆみの詳細について説明します。

症状

・外陰部のかゆみ（物理的な異常が見られない場合が多い）

・ストレスや不安が引き金となることが多い

原因

・精神的なストレスや不安

・心理的な要因による身体反応

外陰部のかゆみのまとめ

外陰部のかゆみは、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があり、自己診断ではなく専門医の診察を受けることが重要です。

適切な治療を受けることで、早期に症状を改善し、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。