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不妊を経験した後の妊娠は経験前とは違うもの?不妊治療後の妊娠~出産まで

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不妊を経験して妊娠する人の割合は?

国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調べによると、不妊を心配したことがある夫婦は全体の約35%、実際に何らかの不妊検査を受けたことがある夫婦は全体の18,2%にものぼることがわかっています。

また、こちらは詳細なデータがあるわけではありませんが、妊娠を希望している夫婦が1年間通常の夫婦生活をもっていれば、自然妊娠する可能性は9割ほどという説があり、残りの1割は不妊状態である可能性が高いということです。

実際、2018年の統計では体外受精を経て産まれた子供は16人に1人、これは全体の6%にあたる数字です。これは不妊の中でも体外受精だけの数字なので、その他の不妊治療を経験した人の割合はもっと多いということです。

不妊治療を受けている人が出産する割合は?

実際の妊娠や出産数に対して不妊治療を経た割合以外に、気になるのは不妊治療を受けている人がどの程度の割合で出産しているか、ということです。

現在の不妊治療で出産にいたり、生児を得る確率はおおよそ25%ぐらいと考えられています。しかし、これにはタイミング法や人工授精、高度不妊治療である体外受精など様々な治療が含まれ、それぞれの方法別の妊娠・出産率にも大きな差はあります。

不妊を経験した妊娠の身体面での違い

不妊治療というのは基本的には妊娠までをサポートする医療なので、不妊治療を経て妊娠する場合もそうでない場合も、妊娠から出産までの経緯が大きく変わるわけではありません。

ただし、中には不育症といって何らかの原因で流産しやすいことがあらかじめ不妊検査で判明している場合があります。その際には、妊娠を順調に継続できるよう、妊娠初期には投薬などでサポートする場合があります。

それ以外でも、体外受精(IVF/ICSI)の場合には体外で精子と卵子を受精させるため、子宮内で精子と卵子が出会って受精するまでの過程で体内で自然に発生するホルモンが出にくいことがあります。この場合にも、通常の妊娠になるべく近い環境を作るため、投薬でサポートすることがあります。

不妊を経験した妊娠の精神面での違い

不妊を経験したあとの妊娠では、そうでない妊娠と比べて妊娠期間にも精神的負担が大きいケースがあります。特に大きな2つの原因を紹介します。

不妊のつらさの影響

そもそも不妊という状態が続くと、その度に女性は自分の妊娠機能に自信がなくなっていきます。今回は妊娠できるかも、と希望を持っては生理が来るということを繰り返しているうちに、自分の体がいけないんじゃないか、と、自分を否定されたような気持ちになっていくことは珍しくありません。

せっかく妊娠しても、自分の体でこのまま順調に進むわけがないと思ってしまうこともあれば、無意識に期待しない癖がついてしまうこともあります。妊娠までに何度もがっかりしてきたからこそ、自分を守るために、期待しつつも「きっとまた今度もだめだろう」と考えるようになるからです。

流産などの不安

不妊を経験している人は、そうでない人に比べて流産することが多いです。厳密にいえば、もちろん流産の確率が高いわけではありません。

流産の中には「化学流産」といって、たしかに着床はしたけれどそのままうまく妊娠が成立しないことです。そもそも着床すると女性の体内ではβ-hCGというホルモンが出ます。妊娠検査薬などはこのβ-hCGを感知して妊娠を判定することになります。たとえば早ければ妊娠4週程度でも妊娠検査薬が陽性になることはありますが、この時点ではまだ子宮内をエコーで見てみても、何も映らない時期です。

子宮内で赤ちゃんの部屋である胎嚢を確認できて初めて医学的には妊娠といえますが、この胎嚢確認までの間に妊娠が継続できないことがあり、これを化学流産といいます。

実は化学流産は全体の妊娠の13~23%で起こると考えられていますが、妊活や不妊治療をしていない人の場合「いつもより少し遅れて生理がきた」としか思わない人もたくさんいます。

しかし妊活をしていたり不妊治療をしていたりすると、この4週目やその前の段階で妊娠に気がついたり、β-hCGの検査をすることがあります。つまり、正確には流産することが多いのではなく、それに気がつく可能性が高いということです。

また、自分の流産経験以外でも、不妊治療や妊活のためにSNSや他の方のブログをたくさん見ていたりすると、やはりその分流産に関する情報も目に入ります。こうした経験から、妊娠しても流産してしまうのではと常に不安がつきまとうという人も多いです。

不妊を経験したあとの妊娠で特に気をつけたいこと

では、実際に不妊を経験したあとの妊娠で特に注意すべきことをお伝えします。

なるべくリラックスする

特にそもそもホルモンの影響で精神面でも身体面でも変化が起きやすい妊娠初期には難しいことでもありますが、なるべくリラックスして過ごすというのはとても重要です。

そもそも妊娠初期の流産などはそのほとんどが胎児の染色体異常など、胎児側が原因であると考えられています。もちろん体に負担がかかるようなことをするのはおすすめできませんが、たとえば喫煙といった「不健康」な要素を除けば、通常時と同じように生活していて問題ありません。

ストレスが体調やつわりに影響してしまう人もいるため、自分なりにリラックスできることをしてみましょう。もちろん不安というのは簡単に拭い去れるものではないので、必要であればこの時期にカンセリングを活用してみるのも良いでしょう。

「出産」の計画を立てる

不妊に悩む人は、長期間常に妊娠のことしか考えられなかった、という人もいるでしょう。特に不妊治療を受けている人の場合、その妊娠のために通院することも多く、妊娠のために必要なことはすべてやっている、と思ってしまいます。

妊娠のためにできること、という意味では間違っていません。しかし不妊に悩む人の本来の目的は、もちろん妊娠することではなく赤ちゃんを産むことです。そういう意味では妊娠はあくまでも出産までの途中経過に過ぎません。

不妊専門の病院というのは、妊娠させるまでの役割を担っています。総合病院や産科併設のクリニックで不妊治療を受けている人は良いのですが、そうでない場合、不妊治療の病院を卒業したあと産院の選び方などのプランがないまま、どうして良いかわからなくなってしまうことがあります。どんな方法で出産したいか、それによってどこの病院が良いのか、出産時には里帰りなど遠方で産むのか、など、出産のために妊娠初期に決めるべきことは実はたくさんあるものです。

人によって不妊治療の病院の卒業時期は異なり、体外受精だと大体7週~10週前後で卒業することになることが多いです。しかし都心を初めとした分娩施設が少ない地域では、人気の産科・産院はすでにいっぱいになってしまうということは本当によくあることです。安心して出産に挑むためにも、妊娠から出産までの情報収集をし、ある程度のプランをたてておくのが良いでしょう。

不妊を経験したあとの妊娠には違いを感じる人が多い

たとえば第二子以降の妊娠において初めて不妊を経験した人などに聞いても、やはり不妊を経験したあとの妊娠とそうでない妊娠には違いを感じる人が多いようです。しかしもちろん、それは良くない違いばかりではありません。

出産までにどれだけの難関を超える必要があり、そのすべてをクリアして出産に至るということがどれほどの奇跡なのか改めて知ったというのは多くの不妊経験者が言うことです。

妊活や不妊治療は当事者にとって本当につらく、苦しい時間です。しかし、その結果せっかく妊娠できたのであれば、少しずつでもゆっくりでもいいのでその事実を受け止め、長いようで短いマタニティライフを少しでも幸せな気持ちで過ごしていけると良いですね。

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※本特集記事は、不妊で悩んだ経験をお持ちの方に、ご自身の経験や気持ちを紹介するものです。記事内には不妊治療の内容も出てきますが、経験者の気持ちや状況をより詳しく表すためであり、その方法を推奨したり、是非を問うものではありません。

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