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二人目不妊の原因は?一人目を自然妊娠していても要注意

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増加する二人目不妊

二人目不妊というのは、第一子妊娠から出産にかけて不妊治療の対象外だったにもかかわらず、第二子以降の出産を希望しているのになかなか妊娠しない状態です。医学的な定義では、第一子出産以降に妊娠を希望している人で、2年間避妊をしない性交渉があっても妊娠しない状態が二人目不妊として定義されています。

医師によると二人目不妊は年々増加しており、全体の不妊相談の2~3割は二人目不妊の相談だというデータもあります。しかし、第一子を希望しての不妊に比べ、「第二子は”できれば”でいいかも」と考えている人や、すでに産まれている第一子のことも考え、経済的負担を負ってまでの不妊治療を検討しない人もいることは多いに考えられます。そのため、実際に二人目不妊で悩んでいる人は潜在的にはもっと多い数になるのではないでしょうか。

二人目不妊ならではの原因

では、一人目のときに自然妊娠可能だったはずの人が、どうして二人目不妊に悩まされるのでしょうか。数ある原因の中から、二人目だからこその原因をいくつかご紹介します。

加齢による原因

二人目不妊の中で最も大きな原因と考えられるのが加齢によるものです。一人目か二人目かに関わらず、そもそも不妊に悩まされる人の割合は年齢とともに右肩上がりになっていきます。その内訳は、25歳~29歳では8.9%であることに対して40~44歳では28.9%にも上ります。しかし現代の日本では、年々初婚の年齢があがっていて、約50年前と現在を比較すると女性の平均初婚年齢は23.0歳から29.6歳へと、やはり右肩上がりになっていることがわかります。

平均初婚年齢が上がれば、当然初めて妊娠する年齢の平均も上がります。30歳になってから最初の妊娠、出産を経験する人がほとんどなので、二人目以降の妊娠は自ずとさらに年齢が上がることになります。一人目と比べてそもそも妊娠する力が落ちてしまうというのが、妊娠を希望している人にとっての大きな壁となります。

参考:内閣府

一人目出産時のトラブル

一人目の出産において、帝王切開での出産を経験した人や、癒着胎盤などがあった人は、それが原因で不妊につながっているという可能性があります。たとえば帝王切開の傷が順調に治ったように見えても、子宮の傷のふさがり具合が悪いことが原因で微量の出血が起きたり、頸管粘液や血液が子宮腔へと入り込みやすくなることがあります。これは外から見てもわからないので自覚症状がない場合が多く、着床しにくくなる原因のひとつになり得ます。その他にも帝王切開の傷が治る際に卵管が詰まってしまうことや、癒着胎盤における胎盤剥離の際に内膜が薄くなってしまうことも不妊の原因になります。

セックスレス

医学的な定義では性交渉があるにも関わらず妊娠ができないというのが不妊の条件ではありますが、男性側の勃起不全などで思うように性交渉の機会を持てないというのも広い意味では不妊の原因のひとつと考えられます。

セックスレス自体は一人目の妊娠、出産の有無に関わらず起こり得るものではありますが、一人目の出産後は女性側が精神的にも肉体的にも慣れない育児に疲弊していたり、出産によるホルモンバランスの変化があったりという理由で、出産前同様にセックスしたい気持ちが起こりにくくなるというのは珍しいことではありません。また、男性側に至っても、女性の負担にならないようにと気遣うあまりに誘ってはいけないように思ってしまったり、中には妊娠から出産までの壮大な道のりを見たことで「女性」としての側面より「母」としての側面を強く感じてしまって性の対象と考えてはいけないような気持ちになったりということがあります。

可能性だけを考えれば排卵日付近の妊娠しやすい時期に性交渉を持てば妊娠は可能ですが、排卵はストレスなどによって左右されやすい繊細なものなので、薬などの力をかりない限り、排卵日を確実にコントロールすることはできません。そのため、妊娠を希望している夫婦においては、より多く性交渉の機会を持つほうが妊娠しやすいという医師もいます。

二人目だからこそ陥りやすいセックスレスは、不妊の原因のひとつでもあります。

一人目出産後のライフスタイルの変化

一人目出産後は、育児のために多かれ少なかれライフスタイルに変化が起こります。これが不妊の原因となることもあります。特に大きな体型の変化があった場合、それがきっかけとなってしまうケースは少なくありません。たとえば妊娠においては痩せすぎも妊孕力(妊娠する力)低下の原因となりますが、太りすぎも同様に妊孕力を低下させることがわかっています。ただでさえ年齢の経過とともに基礎代謝が下がっていくため、若い頃と同様の食生活を送っていれば段々と体重が増加しやすくなります。特に妊娠、出産経験のある女性の場合には、一人目妊娠の際に増えた体重が戻りきっていない、というケースも多く見られます。

また、一人目妊娠の際に増えた体重を戻そうとするあまりに極端なダイエットを行ったことでホルモンのバランスが崩れてしまうこともあります。その他にも、一人目妊娠前と違って運動不足な状態になっているなど、ライフスタイルの変化が不妊につながることも考えられます。

男性不妊が深刻化したケース

女性側の原因ばかりではなく、時間の経過とともに男性不妊の症状が深刻化しているケースも考えられます。

一人目、二人目に関わらず、そもそも不妊の原因が男性側にある、もしくは男性と女性の両方にあるというケースは、全体の不妊の約半数ほどを占めると考えられています。さらに、男性側にも原因がある不妊の約半数ほどには「精索静脈瘤」の症状が見られ、二人目不妊においてはその約78%が精索静脈瘤によるもだという説もあります。精索静脈瘤というのは、精巣周辺の陰嚢部に発達した静脈瘤があることで、これによって陰嚢の温度が上がってしまうことなどが原因で精子の数が減少したり、精子の質が悪くなったりすることです。

精索静脈瘤が原因でホルモンバランスが崩れることはありますが、ホルモンと精子への影響以外に大きな影響があるわけではなく、また、ほとんどの場合では自覚症状も少ないため気が付かないうちに進行しやすいのが精索静脈瘤の特徴でもあります。そのせいで、一人目の妊娠前にはなかった精索静脈瘤があったり、一人目のときからあったものが時間をかけて進行していたりということが不妊の原因になってしまいます。

参考:かんとうクリニック

二人目不妊の対処法

二人目不妊かも、と思ったときにはどうしたら良いのでしょうか?不妊治療が必要なケースもありますが、それ以前にまず二人目不妊を疑った場合にすべきことをご紹介します。

早めに不妊検査を行う

二人目不妊が深刻化しやすい大きな原因に、多くの人が「一人目を妊娠しているのだから不妊ではないはず」と考えてしまいうことで、そもそも病院での検査すらしないことが挙げられます。

すでにご説明した通り、妊孕力自体は加齢とともに落ちていくので、ただでさえ一人目の妊娠より二人目のほうが妊娠しにくくなっていくのが一般的です。医学的な定義では「2年間妊娠しないこと」となっていますが、30代を超えると1年ごとに妊孕力は顕著に落ちていくため、実際には何もせずに2年も待つのは妊娠を望む人にはとてもリスキーです。

妊娠を希望して性交渉を持っているにも関わらず、35歳未満なら1年、35歳以上なら半年妊娠しないという場合はまずは不妊専門の病院で一度検査を受けてみましょう。

また、妊娠するための方法として、人工授精のように体外で採取した精子を体内に入れる方法や、シリンジ方といって男性が自分で採取した精子をシリンジと呼ばれるスポイトのようなもので女性の体内に入れる方法もあります。「そもそもセックスをしていないから病院に行ってはいけない」と考えてしまう人もいますが、セックスレスに悩んでいる夫婦でも病院に相談することで解決することもあります。

精索静脈瘤の手術を行う

男性不妊のひとつの原因となる精索静脈瘤は、手術である程度改善するケースが見られます。ただし、なかには再発する人もいるので、すべての人が手術で治るわけではありません。また、手術をした人の多くに精液所見の改善が見られるのも確かですが、精子の総数や運動率が改善しても依然として自然妊娠のボーダーラインには届かない場合や、精液所見に変化が見られない場合もあるため、不妊治療を専門としている医師の中には「精索静脈瘤の手術は不妊の改善にはならない」と言う人もいます。

一方で、精子の数自体が増えなくても、手術は運動精子や精子の形態など、いわゆる精子の質を大きく改善できると考える医師も多いです。これは、手術の結果まだなお体外受精が必要とされる場合でも、体外受精が成功するかどうかの過程で「良い受精卵を作る」という部分に影響するため、やはり手術をしておくにこしたことはない、ということになります。

このように、精索静脈瘤の手術とその後の不妊治療については、不妊に関わる医師、泌尿器科の医師など複数の人と相談して検討してみてください。

二人目不妊には夫婦一緒に向き合って

二人目不妊は男女ともに原因となる可能性があり、必ずしもどちらか一方が原因を引き起こしているとは限りません。その上育児をこなしながらの通院は時間的にも金銭的にも制約があることも多く、たしかに精神面でも肉体面でも負担になることがあります。そのため、不妊治療をしてまでの妊娠は望まない、という夫婦もいるでしょう。

その場合には良いのですが、もしも不妊治療を受けることも検討するのであれば、とにかく「残された時間が多くはない」というのが二人目不妊の実情です。不妊の原因を確実に見つけ、最も良い治療をスムーズに探し出すためには、不妊を疑うのであれば少しでも早い段階で男女ともに不妊検査を受けることをおすすめします

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