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生理周期がぴったりでも不妊にはなるの?考えられる原因は?

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生理周期がぴったりなら不妊じゃない?

妊活をしているなど、妊娠を希望しているにも関わらずなかなか妊娠ができないことに悩んでいても、不妊治療のための病院に通うのはハードルが高いもの。特に生理周期がぴったりな人は、自分は不妊には該当しないと考える人も多いようです。しかし、結論から言うと月経周期が規則的でも不妊じゃないとは限りません

生理周期がぴったりの場合、排卵は正常なことが多い

不妊の大きな原因のひとつに、排卵障害というものがあります。そもそも生理周期が長すぎる人や、生理周期にバラつきが見られる人は規則的に排卵していない可能性があり、自己流で排卵日に合わせたタイミングを取ろうとしても難しくなります。

また、無排卵月経といって、生理がきていても排卵はしていないということもあります。

しかし、無排卵月経の場合は生理周期が不規則になることが多く、生理周期が規則的かどうかというのは正常に排卵していることのひとつの目安になります。

生理周期がぴったりでも不妊になる原因は?

不妊の原因は実に様々で、ホルモンバランスや子宮、卵巣の状態なども影響します。さらに、原因不明不妊といわれるように、不妊検査をしても特に異常がみつからないということは珍しくありません。けれども、不妊検査をしても異常がみつからない=不妊の原因がないということではなく、生殖医療にはまだまだ未知のことが多く、現在の医療では不妊の原因を特定できないだけと考えたほうが良い場合もあります。

そのため、ここでは生理周期が規則的でも不妊になりうる代表的な原因をいくつかお伝えします。

子宮内膜症

子宮内膜症というのは、骨盤内で起こる慢性的な炎症です。子宮内膜症があると卵胞の発育に悪い影響を与えることがあり、排卵自体はあっても卵子の質が低下するため不妊の原因になることがあります。また、子宮内膜症が進んで卵管などに癒着が起こると、受精卵を子宮に送り込むことができなくなるいわゆるピックアップ障害の原因になることもあります。

子宮内膜症は若年層でも10人に1人の女性が持っていると考えられ、自覚症状がないことが多いのも特徴のひとつです。

卵管閉塞や卵管狭窄

子宮内膜症を患っていない場合でも、卵管の癒着や卵管が狭くなることがあります。クラミジアという性感染症が原因となることが多いのですが、帝王切開を経験した人が卵管癒着を起こす場合や、原因がわからなくても卵管狭窄になることもあるようです。

加齢による原因

女性は加齢が進むと妊孕性と呼ばれる妊娠する力が弱くなっていきます。30代から徐々に出産率が低下していきますが、35歳を特に加速的に妊娠しにくくなると考えられています。排卵そのものは正常でも卵子の質が低下してしまうため着床しにくくなり、流産率も高くなっていく傾向があります。

子宮内膜症のような大きな原因がなくても年齢とともに妊娠率は下がっていくため、妊娠を希望するのであれば早めに専門的な診療を受けることが理想です。

男性因子

不妊は女性側にのみ原因があるとは限りません。男女両方に原因がある場合を含めると、男性側にも不妊の原因があるというケースは約50%程度になると考えられています。そのため、不妊治療を専門としている病院では、治療を始める前に男女ともに検査をする方針をとっている病院もたくさんあります。

男性不妊の原因となるのは、たとえば精子無力症、無精子症、奇形精子症などが挙げられます。精子無力症というのは精子の運動率が40%以下、前進運動率が32%以下の状態です。 健常男性の精子運動率は通常60〜80%で、運動率が低下すると受精が起こりにくくなります。無精子症はそもそも精子が作られていない状態です。奇形精子症は精子自体はつくられていても、形がいびつであるなど奇形精子が増える症状です。そもそも健常な男性でも正常な精子は4%程度と考えられていますが、奇形精子症だとその割合は1~2%程度で、やはり受精が起こりにくくなる原因のひとつです。

男性の場合、このように精子に異常があっても自覚症状がないことが一般的で、不妊検査を行わない限り発覚しないので注意が必要です。

不妊検査とは?

不妊検査には、女性側の検査と男性側の検査があります。女性側の検査は排卵の状態や子宮、卵巣の状態を調べる検査など多岐に渡りますが、男性の不妊検査は主に精子の状態を調べるものになります。

検査の一例を紹介しますが、不妊検査は段階的に進めていく場合もあり、一度に全部の検査をするとは限りません。また、保険適用なものとそうでないものが含まれるということも覚えておいてください。

基礎体温を調べる

まずは排卵がしっかり起きているか、着床を妨げる黄体機能不全がないかなどを調べるために基礎体温の計測から始めることが多いです。月経はストレスや体調の影響を受けやすく、実は健康な女性でも一時的に無排卵が起きたりということは珍しくありません。そのため、一周期ではなく、数ヶ月基礎体温を計って様子を見たほうが正確に把握しやすくなります。

病院によっては最初に基礎体温の提出を求められることがあり、日頃基礎体温をつけていないと治療に入る前に数ヶ月基礎体温を計測する必要が出てくることになります。時間を効率的に使うためには、病院に通っていなくても妊娠を希望しているのであれば日頃から基礎体温の測定と記録を習慣にしておくと良いでしょう。

血液検査

血液検査では、ホルモンの分泌やクラミジア抗体を調べることができます。妊娠に影響するホルモンは複数あり、生理前と生理後ではそれぞれ分泌されるホルモンが異なります。そのため、数回に分けて血液検査が行われることがあります。

卵管疎通性検査

卵管疎通性検査というのは、卵管がきちんと通っていて受精卵がスムーズに子宮に届く状態かどうかを調べる検査です。卵管通気法や子宮卵管造影法、超音波下卵管通水法などがあり、それぞれ空気や造影剤、生理食塩水などをカテーテルを使用して卵管に通し、子宮まで挿入していくかどうかを見るものです。超音波下卵管通水法では軽度の癒着であれば検査とともに通過性がよくなることもあり、これらの検査のあとは妊娠しやすくなるという医師もいます

その他の検査

この他にも、超音波検査で子宮内膜や子宮自体の変形などを調べたり、子宮鏡や腹腔鏡を使って子宮内膜ポリープの有無などを調べたりという検査があります。また、さらに詳しく調べる必要があればMRI検査で調べることもあります。

生理周期に関わらず、不妊に心当たりがあるならまずは病院へ

生理周期が規則的であるか否かに関わらず、妊娠を意識して通常の性交があるのに1年間、もしくは35歳以上の方やすでに第一子を自然妊娠、出産した経験がある方は半年間妊娠しない場合は、まずは病院で不妊検査を受けてみてください

特別な治療を必要としない場合でも、排卵の状態をみてもらって性交のベストタイミングを教えてもらうことで、より効率的に妊娠を目指すことができることもあります。また、不妊検査では血液検査などの基本検査以外は希望しないと検査を行わない病院も多いので、気になる検査があれば自分から積極的に医師に相談してみてください。

 

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