- メンタルケア
役割分担でチームに!「夫婦で不妊治療」のコツ

今井さいこ先生

こんにちは。
心理カウンセラーの今井さいこです。
不妊治療をする中で、夫婦の足並みが揃わず悲しくなったり、任されっぱなしで孤独感を感じたり、治療に向き合う手前のところで悩んでいる方はいませんか。
今回のコラムは、夫婦で不妊治療に取り組むための参考にしていただくためのメンタルケア情報です。
できそうだと思うことがあったらぜひ取り入れてみてくださいね。
「不妊治療は夫婦で取り組むもの」とは言うけれど?
「不妊治療は夫婦で取り組みましょう」というようなことはいろいろなところで目にしたり、耳にしたりしたことがあると思います。
そうはいっても、夫婦で足並みが揃っていないと感じている人にとっては、「じゃぁ、どすれば夫婦で取り組めるの?」ということが疑問ですよね。
私のところにいらっしゃる方も、「頭ではわかっていても、まず話を聞いてくれないのでどうしたらよいかわからない」というクライエント様もいらっしゃいます。
不妊治療はどうしても女性の負担が大きくなります。
毎回通院に付き合ってくれる優しいご主人もたまにいらっしゃいますが、そうでないケースが圧倒的に多いです。
採卵や移植の日には付き添ってもらいたい、という方も多いと思いますが、それすら叶わないご夫婦もいるのではないでしょうか。
「不妊治療を夫婦で取り組む=負担を半分こにする」
こう考えると妻の不公平感は増しますし、妻の負担を減らしたいと考えているご主人にはできることがあまりなくてモヤモヤしますよね。
「不妊治療を夫婦で取り組む=夫婦で役割分担の認識を一致させて取り組む」
こうすると、お互いにどのように不妊治療と向き合うかが明確になり、できることが見える化されて安心して取り組むことができます。
不妊治療の「役割分担」について考えてみる
役割分担というと、どのようなものが思い浮かびますか。
検査、治療、採卵、移植、診察・・・
男性不妊での治療中はご主人も負担が大きいですが、「採卵」のあたりから女性の負担がぐっと増えます。
実際の治療項目だけを分担すると女性が多いのは当然ですよね。
でも、ここに「移植結果を聞きに行く」「胚盤胞の分割確認の電話をする」など入れてみたらいかがでしょうか。
男性にもできることが増えてきます。
また、「採卵の日は夕飯の準備を旦那が担当する」「移植の日は洗濯物の片づけを旦那がする」など家事の分担も入れると“女性だけが”いろいろな負担を背負う必要がなくなります。
それ以外にも、仕事が忙しいご主人で家事もできない場合でも、「今日は採卵お疲れさま。体調はどう?」と一言声をかけてもらうだけで心の負担はぐっと軽くなるものです。
何もかも1人で負担している、ご主人に話を聞いてもらう時間もない、
そうなると女性が孤独感を感じるのは当たり前です。
「もっと真剣に取り組んで!」
そういう気持ちを声に出したくもなりますよね。
ですが、仕事を一生懸命頑張っている男性にとっても、
「毎日こんなに頑張ってなんで責められなくちゃいけないんだ!」
そういう気持ちで妻へ反発したくなる気持ちもわかります。
お互い心がすり減る役割分担ではなく、同じ気持ちで不妊治療に向かうための役割分担をするために、どのような項目を入れるとよいか、ぜひご夫婦で話し合ってみてくださいね。
ぜひ、話し合ったことは紙に書き出すなどして見える化(可視化)してくださいね。
お互い共通認識を持つことで同じ方向を向くことができるので、文字にして意識できる形にしましょう。

今井さいこ先生
心理カウンセラー/公認心理師/マインドフルネス認定講師/睡眠指導者 高校生の時「環境が心に与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、2009年から女性向けのカウンセリングを始める。2013年からの5年間、妊活支援に特化したメンタルケアサービスを提供。現在は、「ライフイベント×仕事」を軸に働く女性の両立支援サポートに注力。30~40代女性向け個人カウンセリングの他、法人向けに、従業員のメンタルヘルスサポート(カウンセリング、ストレスチェックなど、各種研修など)やコンサルテーション、メンタルヘルスサービスのアドバイスなどをおこなっている。