- メンタルケア
夫婦喧嘩を減らす!妊活で使える心理テクニック

今井さいこ先生

こんにちは。心理カウンセラーの今井さいこです。
不妊治療中、夫婦で些細なことから喧嘩をすることってありますよね。
言ってスッキリすることもあるので、溜め込むよりは発散することが大事です。
とはいえ、後味が悪い喧嘩という形はできれば取りたくない・・・という方が多いのではないでしょうか。
今回は、
“夫婦仲をよくするために使える心理学”
についてお伝えします。
話し合いでは相手から見たポジションを確認する『スティンザー効果』
営業職の方の中には、「大事な商談では相手の真正面に座らない」などの話を聞いたことがある方もいるかもしれません。この話の背景には、アメリカの心理学者スティンザーによる「スティンザー効果」というものがあります。
スティンザー効果
◎真正面にポジションを取る人には、反対意見を持ちやすく、対立しやすい
◎横並びのポジションを取る人は、反対意見が言いづらく、共感が生まれやすい
◎斜めにポジションを取る人とは、意見の衝突が起こりにくく、親しい関係を築きやすい
パートナーと話をするとき、いつもどのようなポジションで話をしているか、思い出してみましょう。仲良く話ができるのはどのようなポジションの時ですか?また、喧嘩に発展してしまうようなときはどの様なポジションをとっていますか?
『スティンザー効果』をうまく活用すると夫婦での喧嘩も減らすことができます。
相手に何か物申したいときには、真正面にポジションを取るのではなく、ソファに横並びに座るなどして伝えると、共感が生まれやすいです。また、テーブルに座るときでも隣に座るか、それが不自然な場合には、席を少しずらして斜めに座るとよいでしょう。
真正面からじっと見られると、ついつい「負けないぞ!」という気持ちが湧くものです。
ぜひ実践してみてくださいね。
頼み事をしたいときには『ランチョン・テクニック』でスムーズな交渉を
不妊治療の方針などの話をしているとき、パートナーから「任せるよ」と言われたらどう思いますか??
「1人で決めきれずに困っているのに」「夫婦2人のことなのに」、そう思うと無責任なように感じますし、真剣に考えてくれていないようにも感じるかもしれません。
「任せるよ、ではなく、もっと真剣に考えてほしいな」
そう思ったら『ランチョン・テクニック』を使いましょう。『ランチョン・テクニック』とは、美味しい食事して心もお腹も満たされると人としての欲求が満たされ、一緒に食事をしている人や話の内容に対して好意的な印象を持つ、というものです。「もっと真剣に考えてよ!!」と真正面からぶつかるのではなく、真剣に話してほしいと思う自分の気持ちを〝パートナーの好きな料理〟を食べながら話すと、交渉がスムーズになります。
また、「任せるよ」と言った相手の本音を聞きたいと思ったら、自己開示を上手に取り入れるとよいです。「任せるよ、と私が言うときは〇〇な時だけど、あなたはどういう意味でさっき言ったの?」と自身の話を先にすることで、相手が話しやすい雰囲気を作るのです。
パートナーとのコミュニケーションにおいて、ちょっとしたテクニックを取り入れることで、より相手を深く知ることができ、絆を深めていくことができます。「お互いを知りたい、理解し合いたい」という気持ちが一番大切ですが、その気持ちを上手に伝えることも大切です。
「もっとスムーズなコミュニケーションを取りたい」と思ったら、お伝えした心理学のテクニックを上手に取り入れてみてくださいね。

今井さいこ先生
心理カウンセラー/公認心理師/マインドフルネス認定講師/睡眠指導者 高校生の時「環境が心に与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、2009年から女性向けのカウンセリングを始める。2013年からの5年間、妊活支援に特化したメンタルケアサービスを提供。現在は、「ライフイベント×仕事」を軸に働く女性の両立支援サポートに注力。30~40代女性向け個人カウンセリングの他、法人向けに、従業員のメンタルヘルスサポート(カウンセリング、ストレスチェックなど、各種研修など)やコンサルテーション、メンタルヘルスサービスのアドバイスなどをおこなっている。