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不妊治療が離婚の原因になることも‥?不妊治療を夫婦で乗り越えるために

Marbera運営事務局

不妊治療は、男女どちらにとっても人生における大きな問題です。特に「いつか子供がほしい」と考えていた夫婦にとっては、なかなか子供ができないというだけも大きなストレスになり、さらに不妊を医師から告げられた際には大きな衝撃を受けたという人がたくさんいます。

もちろん夫婦で力を合わせて不妊治療を乗り越えることができれば良いのですが、残念ながら不妊治療は「必ず結果につながる」と言い切れるものではなく、中には治療をきっかけに離婚に至ってしまう夫婦もいるようです。

不妊治療を夫婦でともに乗り越えるために、離婚のきっかけとなることや夫婦仲を良好に保つための心構えなどを理解しておきましょう。

不妊治療で離婚の原因となる3つのケース

不妊治療が離婚のきっかけになるといっても、不妊治療の何が夫婦の不仲につながるのかというのはケースバイケース。しかし、中でも比較的多くを占めるものをまずは理解しておきましょう。

子供を持つことに関する考えの違い

不妊治療を始めるときには多少なりとも夫婦で話し合いをする人が多いようです。この時点ではお互い治療に前向きだからこそ治療を始める夫婦が多いということです。しかし、不妊治療を進めていくうちに治療の内容がステップアップしていくことがあります。

たとえば、最初は排卵に合わせて性交渉を持つ「タイミング法」の指導を受けている夫婦でも、これを数周期繰り返しても妊娠に至らないと、一般的には次は人工授精へのステップアップを医師から勧められます。人工授精というのは、体外に採精した男性の精子から状態の良いものを選別し、医師が直接女性の子宮内に注入するものです。

さらに、人工授精で5~6周期ほど経過しても妊娠に至らないと、今度は体外受精を進められることになります。体外受精というのは、精子も卵子もどちらも一度体から取り出し、体外で受精を確認してから女性の子宮内に移植するものです。

治療がステップアップしていくにつれ、投薬や通院の回数が増えたり、費用がかさんだりしていきます。つまり、ステップアップするほど肉体面、精神面、金銭面のいずれも負担が増えていきがちだということです。

ステップアップが進んでいくと、「なるべく自然の状態での妊娠を目指したいから人工授精や体外受精は気が進まない」という考えや、「体外受精ほどお金をかけるつもりはない」という考えなど、治療に対してそれぞれの考え方の違いが出てくることがあります。常に通院して自分の状況をシビアに考える女性側に対して、男性のほうが「いつかできる」と考えてしまいがちということもあります。

このように、子供を産むためにどこまでの治療をしたいのかという考え方は、すれ違いのひとつのきっかけになります。

治療を進めていくうちに衝突が増える

すでにお伝えしたように、治療を長く続けていると夫婦ともにあらゆる面で負担が大きくなります。しかし、基本的には通院や投薬は女性に集中することが多く、肉体的な負担は女性の方が大きくなりがちです。その上、たとえどちらも負担が同じぐらいだとしても、男性と女性のどちらに不妊原因があるのか、不妊に対してどう考えているのかなどによって、それぞれ抱えることになる負担の種類が違います。

男性不妊の場合、多くの男性が自分自身に自信を持てなくなったり、採精することに戸惑い、治療に前向きになれなかったりすることがあります。それに対して、女性は常に内診があり、内服薬や強い痛みを伴う筋肉注射を打ったりすることが多いため、「採精ぐらいは快く引き受けてほしい」と考えてしまうこともあります。

このように、夫婦ともに相手のつらさを理解しあうことが難しくなってしまうことがあり、それが衝突のきっかけになり喧嘩が増えてしまうことも。長期的な治療が夫婦それぞれの肉体面、精神面に負担となることが原因で、夫婦仲にまで亀裂が入ってしまうというケースです。

不妊原因が自分にあることが負い目になる

最近では、双方に不妊の原因があるというケースを含めると、不妊の原因が男性にあるケース、女性にあるケースは割合的にそれぞれ約半数ずつと考えられています。つまり、男女どちらも自分が不妊の原因となる可能性はほぼ同じということです。

そのため、治療を始める際に女性だけでなく男性が赴任検査を受ける割合も増えています。生殖医療はまだまだわかっていないことも多く、現段階では原因がつきとめられない原因不明不妊も多いのですが、検査の段階でどちらに大きな不妊の原因があるかが明確になることがあります。

たとえば無精子症や乏精子症、精子無力症は、受精に至るに十分な条件の精子がみつけられない男性不妊の症例のひとつです。また、卵巣年齢を表すとも考えられているAMHというのが年齢相応より極端に低い女性は排卵障害が起きやすく、早期閉経を起こしてしまうこともあるため不妊の原因のひとつになります。

このように、どちらか一方において不妊の原因が明確になっている場合、自分のせいでパートナーや家計に負担をかけていくことを当事者が負い目に感じてしまうことは少なくありません。「自分以外の人と結婚すれば、パートナーは子供を持つことができる」という考えに縛られてしまうことで、自分の意思とは裏腹に、自分から離婚を切り出してしまう人もいるようです。

実際に不妊は離婚の原因にできるの?

では、実際に不妊を原因に離婚ができるのか否かを説明します。

夫婦の合意がなければ不妊をきっかけに離婚はできない

まず前提として、夫婦の合意がなければ不妊だけでは離婚の正当な理由としては認められません。もちろん協議の結果双方が納得すれば離婚自体は可能ですが、たとえばパートナーの不妊原因を理由に離婚を希望しても、不妊であることを過失として慰謝料を請求したりというのはできないことになります。

不妊が離婚の原因と認められるケース

・不妊を経て不仲の末に別居など他の離婚因子が見られる場合

不妊をきっかけに夫婦仲がうまくいかなくなり、別居していたり、残念なケースではどちらかが不倫してしまったりという話を耳にすることも。不妊自体は離婚の原因としては認められませんが、別居や不倫ということがあればまた別です。不倫はもちろん立派な過失になりますし、長期に及ぶ別居は婚姻生活の実態がないものとして、離婚の原因に認められることが多いです。

・セックスレスがある

そもそもセックスレスが不妊の原因となっている夫婦もいます。また、不妊治療を続けていくうちにセックスが義務的な行為となってしまい、セックスレスになってしまうということもあります。不妊であるか否かに関わらず、夫婦間での性交渉は婚姻生活を維持する必要な要素と考えられることが多く、セックスレスも離婚原因のひとつとして認められることが多いです。

不妊治療を夫婦で乗り越えるためのポイント

いくら「不妊治療をしてでも子供がほしい」と考え、たとえその結果子供を持つに至ったとしても、不妊治療をきっかけに夫婦仲が悪くなってしまうのは夫婦にとっては本望ではないはずです。本来は不妊治療は夫婦の問題であり、結果がどうなるにせよ夫婦で乗り越えるべき問題です。不妊治療をきっかけに離婚、なんてことになってしまわないように、夫婦で治療を乗り越えるためのポイントをお伝えします。

相手が自分の理解しきれない負担を抱えていることを忘れない

「不妊治療のことに関して話し合いをすると、いつも夫婦喧嘩になってしまう」と悩んでいませんか?特に女性側は通院など物理的な負担も大きいため、それを理解してもらえないことで感情的になってしまう人も多いようです。女性としてはその気持ちはとても理解できますが、不妊治療では誰もが少なからず人に理解してもらえない痛みを抱えているということを忘れないようにしましょう。

もちろんお互い自分の思っていることをはっきり相手に伝えることができ、お互いに理解しあえるのが一番良いのですが、たとえそうでなくても常に相手の負担を考えることができていれば、コミュニケーションのとり方自体が変わります。

治療について定期的に話し合う

相手の負担を理解した上で、治療については「月に1回」というように決めた上で定期的に話し合いをしたほうが良いでしょう。その際、次のことをしっかり話すようにしましょう。

  • 現在の治療の内容
  • 今どんなことを負担に感じているか
  • トータルで治療にどのぐらいの期間、費用をかけるのか

通院が少ない男性はどうしても意識が薄れていきがちということもありますが、治療や薬の内容が変わることで通院回数などに変化が出ることがあります。治療自体は代わることができなくても、必要に応じて家事の負担を分けるなど、男性側に協力してもらって負担が軽くなることもあります。実は男性には「何を聞いたら良いかすらわからない」という人も多いのですが、通院していることを知っているのに何も聞かれないことで、女性は関心を持ってもらえていないと感じてしまう人もいます。

定期的に話し合いを持つことを決めておけば、お互いの負担をぐっと減らせるきっかけになるかもしれません。

夫婦で不妊カウンセリングを受ける

不妊治療を専門としている多くの病院では、不妊カウンセラーによるカウンセリングを実施しています。そして、不妊カウンセリングはひとりで受けることもできれば、夫婦揃って受けることも可能です。

第三者を踏まえて話をするほうが、感情的にならずにコミュニケーションの場を設けることができるという人もいます。また、家族間で話をするのに比べ専門家から話を聞いたほうが自分ごととして感じやすいという人もいます。治療に温度差を感じて悩んでいる夫婦では、一度夫婦で不妊カウンセリングを受けることがおすすめです。

不妊カウンセリングを実施しているのは不妊治療の病院だけではありません。たとえば不妊をトータルでケアするコミュニティサービスのベビmatchでは、オンラインでカウンセリングサービスを受けることができます。

ベビmatchではその他にも、治療記録をつけたり他の人の不妊治療に関する悩みを閲覧できたりというサービスもあるので、ぜひ一度利用してみてくださいね。

不妊治療を夫婦の絆を深めるきっかけに

不妊治療はつらいことが多く、できれば誰も経験せずに希望通りに子供を持つことができれば理想的です。しかし中には、治療がを受けないと子供を産むことができない人でも、治療によって妊娠、出産が可能になるということもあります。

子供を希望する人にとって、子供を産むことができるかどうかは人生を大きく左右することです。しかし、夫婦の幸せは子供の有無によってのみ決まるものではありません。妊活や不妊治療によって不仲になった、離婚してしまった、という夫婦がいつのは事実ですが、不妊治療によって夫婦の絆が深まったという夫婦もたくさんいます。

上手に負担を分け合いながら、不妊治療を夫婦で乗り越えていけることを目指していきましょう。

 

 

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