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もしかして、不妊?医療の力を借りて妊活する前にやっておきたい4つのこと

2022/11/04

Marbera運営事務局

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もしかすると、不妊かも…?と頭をよぎったら、まずは何から始めますか?

「婦人科に行って検査を受けて、保険診療になったから不妊治療受ければ問題ないね。」そう思い動き出す方、

「本当に不妊症だったらどうしよう。婦人科なんて怖くていきたくない。」そう思い、悩み苦しんで動けない方もいると思います。

しかし、不妊検査、不妊治療を受ける前に、まずは自身やご家族で計画を立てることで、余計なストレスが軽減されます。

今回はその計画について4つ、お伝えしていきます。

 

1、夫婦の考えをしっかり話し合う

「赤ちゃんがほしい」そう思う気持ちは、お互い一緒だと思っていませんか?

結婚を意識した頃に、「子どもは、2人はほしいな。」「男の子と女の子一人ずつで最初は女の子。」なんて会話をしながら、お互いの気持ちを確かめ合いましたよね。

これからの未来に夢を描き、ワクワクドキドキ胸を高鳴らせながらお話をしていたのではないでしょうか。

もちろん、その気持ちはとっても大切で、夫婦としての絆の始まりです。

二人の愛が変わらないよう、ずっとその気持ちを持っていてほしいもの。

しかし、現実的な問題として「赤ちゃんがほしい」という思いがあれば、必ずしも二人のもとにやって来てくれるわけではありません。そこには現実的な問題として、年齢的なことが一番に関係してくるかもしれません。

二人にとっての「子どもを持つ意味、理由」を話し合いましょう。

10組の夫婦がいれば、10組ともその意味や理由は違うと思います。

例えば、「自分は一人っ子だから、少なくても子どもは二人欲しい」という考え方や、「名を絶やさぬよう男の子は必要」という方もいるでしょう。

お互いの気持ちを正直に話し、今後の2人の生活に「子ども」がどういう位置にいるのが望ましいのかを確認し合いましょう。

簡単にいうと、「どんなに大変な治療でも子どもは絶対ほしい」「治療は〇回までがんばってダメなら二人の生活」「治療してまで子どもは望まないので自然に任せる」など、具体的に考えた方がいいです。

もちろん、人の考えはずっと同じではないし、状況で変更せざるを得ない場合もあります。

その時々で変わることは当然ですし、変わってもいいのです。

その度に、カップル・夫婦会議を開いて、話し合っていける関係性を築いてほしいと思います。

まずはしっかりと向き合い、そこから次のステップを考えていく事をお勧めします。

2、不妊検査、治療はどこまでするかを決める

治療や検査については様々な方法があります。あなたの家庭の状況に合わせ「どうするのが一番良い」のかを考えましょう。

今、保険適用で不妊治療も受けやすくなったのは事実です。

例えば、これまで1回の体外受精(採卵まで)に約40~50万円はかかっていましたが、保険適用となり、約8~9万円くらいと、以前に比べると、かなり身近な治療となりました。(ART管理料、2~5個での採卵・受精・培養・胚凍結までで計算しております。)こちらには、卵巣刺激をするお薬代は入っておりませんので、もう少し追加料金はあります。

あなたの年齢による妊娠率も大事な治療選択のポイントですが、家庭の経済状況、共働きの方の場合、〇月は決算期ではないので仕事を休みやすいなど、仕事によっての特性もあるのではないでしょうか。

また、会社で休暇制度を使えるかどうかなども調べた上で、どの時期にするのか、どの治療までステップアップするのか、何回までするのかをある程度決めておくといいでしょう。

3、基本的な体のメンテナンスをする

お子さんを望んだ場合、先述した1,2と同時に、夫婦の体のメンテナンスをしましょう。

「毎年の健康診断では特に異常はないけど。」という方でも、実はBMI(体格指数)が肥満判定ギリギリの24.8だったり、逆に、17.8で痩せすぎという方もいらっしゃいます。

また、毎日の食事がコンビニやスーパーで買ってきたお惣菜という方も。

さらに仕事のストレス解消に、毎晩夜更かしをして映画鑑賞を趣味にされている方もです。

たまに、それらを利用することや、ストレス解消のひとつに実施するのは問題ありませんが、継続的にされることで、見えない異変が起きてくる可能性はあります。

体調を整えることは、卵子や精子という細胞を元気にし、妊娠しやすい土台作りです。

検査・治療と同時に生活習慣も整えていきましょう!

4、あたなに合った病院選びをする

不妊治療やクリニックの他に、女性の場合は婦人科ですし、男性の場合は泌尿器科になるのですが、全ての医師が不妊治療を得意としている訳ではありません。

日本では、日本生殖医学会の認定する生殖医療、いわゆる不妊治療を専門として認定を受けている医師、生殖医療専門医が全国におります。

病院だけではなく、ご自身でクリニックを開業されている医師もおります。

治療を受けようとしている方の全体をみて、自分で可能な治療を

患者さんと一緒に相談し、年齢や既往歴なども考慮しながら進めていきます。

過去に出会った方にこのような方がおりました。


通院した病院では、人工授精までしかできないことを知らず、勧められるまま治療を続けた結果、1年半くらい経過。

その後、高度生殖医療を勧められ転院。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査で卵巣予備能を確認しておらず、転院先で実施したところ、数値はすでに0代

緊急で高度生殖医療を実施するが、妊娠には至らず。


最先端の医療がすべてではありませんが、状況に応じて、もう少し早く転院を進めていれば、もしかしたら結果が違ったのでないかと悔やんだ記憶があります。

幸い保険適用になり、一般不妊治療においても計画書を作成して、ステップアップも適切な時期に提案していけるようになりました。

その辺も考慮しながら、あなたの年齢、提供している医療技術、通院しやすさ、相性などを考慮し病院を選んでいくといいでしょう。

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不妊症看護認定看護師が伝授!妊娠の“土台づくり”にも腸活!

2022/09/17

Marbera運営事務局

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こんにちは!Marbera相談員で不妊症看護認定看護師・助産師のミキティです。
皆さんは、「腸活」という言葉を聞くと何をイメージしますか?

ある方は「ファスティング」と答えてくれました。たしかに「ファスティング」は最近のブームで、腸内をリセットすることが美容と健康に最適という理由で、ファスティングつまり断食をする方が増えていますね。

ですが、今回の「腸活」は決して「ファスティング」のことではありません

  1. 1.そもそも、腸とは何をするところなの?消化と栄養吸収を行う大切な器官。
  2. 2.腸活がメンタルにも良い理由!
  3. 3.不妊症看護認定看護師が教える!今日からできる妊活&腸活!

そもそも、腸とは何をするところ?消化と栄養吸収を行う大切な器官。

口から入った食べ物は、食道を通り胃に到達し、そこで胃液が分泌され、食べものと胃液を胃の筋肉が運動して混じり合い、ドロドロの状態になります。
これが消化といわれているものです。

さらに小腸に送り込まれ、吸収されやすい養分として、小腸の内部のヒダ、絨毛に取り込まれます。

ちなみにこの小腸、全長約6~7m、表面積はテニスコート約1面分もある巨大組織。
表面積にびっしり張りめぐらされている絨毛の働きが、いかに大切か想像するだけで理解できそうではありませんか。

そして、吸収されずに残った食べものは、大腸で腸の蠕動運動便によって、腸内細菌による腐敗と発酵、水分吸収を経て便が作られます。

作られた便が直腸に移動すると、排便反射によって肛門から排出されます。
腸の働き、少しは理解できたでしょうか。

近年では、この腸と腸内細菌についての研究が進み、私たちの身体にかなりの影響を与えていることが知られてきました。
腸内細菌というと、名前に菌が付くので「悪いもの」というイメージを持ってしまうかもしれません。

ところで私たち人間と共存している腸内細菌は、体内にどれくらいいると思いますか?
じつは、100兆個も存在するといわれています。
すごい数ですね。
人間の体は約37兆個の細胞でできていると言われていますが、それ以上の腸内細菌が私たちの体に住みついているのです。

さらに、この腸内細菌は、3歳くらいまでの間に確立されるともいいます。
いま、皆さんが待っている赤ちゃんは、お腹の中にいるときは無菌の状態です。
その赤ちゃんが、生まれてくるときの産道、つまり膣を通ってくることで腸内細菌の一部である乳酸菌を受け取ります。

不思議なことに、この膣内細菌の乳酸菌も、出産間際になるとこれまで以上にその数は多くなるのだそうです。
2013年のベルギーの研究では、12組中11組の赤ちゃんが、母親と同じビフィズス菌を持っているということがわかりました。

残念ながら帝王切開で生まれた赤ちゃんには、直接母親の腸内細菌が移行することはないようです。
しかし、海外ではミルクに混入して飲ませるなど、研究が進んでいるそうです。

母乳育児も腸内細菌を育てるうえで大切です。

母乳にはオリゴ糖が含まれています。
ところがヒトにはオリゴ糖の分解ができません。

でも腸内細菌はオリゴ糖を分解できます。
こうして母乳が腸内細菌を育て、約3年かけて、ヒトは腸内環境を整えていくんですね。

そう考えると、妊活中の今から、腸内環境を整えることの大切さが理解できますね。

「腸内フローラ」という言葉は、最近ではよく耳にするので、皆さんご存知だと思います。
腸内を顕微鏡でのぞくと、腸内細菌が、まるでお花畑のように見えることからそう呼ばれています。
この腸内細菌のバランスが非常に大切で、善玉菌は20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%といわれます。

善玉菌と呼ばれるものは、ビフィズス菌や乳酸菌、悪玉菌は、ウェルシュ菌やピロリ菌、大腸菌などです。
日和見菌は、バクテロイデス・ユウバクテリウムや嫌気性連鎖球菌などです。
このバランスが崩れると肥満の原因になることもあります。
この腸内フローラは、年齢とともに変化することもわかっています。

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌のパーセンテージが大事なのではなく、腸内細菌の多様性、いかに多くの種類の腸内細菌を持っているのかが大事なのです。
日和見菌は読んで字の如く、良い菌にもなるし、悪い菌にもなり得ます。
そのような多様性のある菌が多いことで、腸内の環境が整い、例えば、悪いバイ菌が腸内に入ってきても、体にその毒素がまわる前に戦ってくれるのです。

腸活がメンタルにも良い理由!

腸の働きで、もう一つ注目したいのが、腸内の神経細胞です。
その作りは脳の神経細胞と同じだといわれています。
古典的な神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンが、腸内にも存在しています。

セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれ、心を安定させる働きがあります。
朝日を浴びると脳からセロトニンの分泌が活発になることは知られていますが、腸内でもセロトニンが分泌されることで、イライラするなどの心の不調を安定させてくれます。

脳と腸は繋がっていて、脳が興奮すると、神経やホルモンを通して腸の働きを変化させます。
例えば、大事な会議でのプレゼン前に腸が活発に動き出し、トイレに駆け込みたくなる現象がそれに値します。

反対に腸から脳に行く刺激が強すぎると、腸の環境が脳の特定部位に刺激が伝わり不安感が増したり、うつのような状態になることが分かっています。

個人的な話にはなりますが、私の場合は便秘が3日以上続くと、気持ちが落ち着かず、イライラしていたことが思い出されます。
これを脳腸相関と呼びます。
つまり、腸を整えると、脳への刺激が減るためにうつ症状も改善するということです。

妊活中は、何かと気分が落ち込んだり、忙しさのあまりイラつくことも増えたという方が多くいらっしゃいます。
腸活で100%改善するわけではありませんが、やらないよりは、やった方が何かしらの変化が出るかもしれません。
「忙しい」と思って何もしないでいるより「どこか変化はあるかな?」そう思って、日々を過ごす方が気分転換にもなり得ます。

では、腸活って具体的に何をすればいいのでしょう?

ここからは、具体的な腸活の方法についてお伝えします。
中には「こんな事!?」と思う方もいるかもしれません。
そのような方は、これからも続けてくださいね。

不妊症看護認定看護師が教える!今日からできる妊活&腸活!

①朝起きたら口をすすぎ白湯を飲む

起きてすぐの口中は雑菌だらけです。
一度口をすすぎ、歯みがきをしてからカップ1杯の白湯を飲みましょう。

ゆっくり飲んでみてください。
気持ちも落ち着きます。

②たっぷりと水分を摂る

出来る限り常温の水、またはノンカフェインのお茶がお勧めです。
1日1.5リットル以上を意識して飲みましょう。
ただし、持病等で医師の治療を受けている方は、指示に従ってください。

③バランスのとれた食事を意識して

毎食、野菜やたんぱく質を意識して摂りましょう。

一汁三菜って聞いたことがありますか?
ごはんにみそ汁、肉や魚のたんぱく質、野菜や海藻のおかずです。

温泉旅館の朝食をイメージしてもらうと分かりやすいですね。

④白米ではなくできれば雑穀米

白米に雑穀米を追加すると、食物繊維も取れますし、ミネラルも一緒に取れるので、体のためにはなおGoodです。
よく噛んで食べましょうね。

⑤腸に入れたくないものはなるべく摂らない

食品添加物など、身体の栄養にならないもの、アルコールや小麦粉、白砂糖、香辛料、加工した油はなるべく意識して摂らないようにしましょう。
味噌や醤油、漬物などの発酵食品は、購入の際は商品の裏ラベルを確認し、なるべく添加物の少ないものを選びましょう。

⑥善玉菌を入れる、育てる

腸内細菌にとって良い菌を摂って善玉菌を増やすために、納豆・ヨーグルト・味噌・ぬか漬け・塩麹などを料理に利用しましょう。
また、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチも良いですよ。
水溶性食物繊維は、納豆、インゲン豆、きな粉などの豆類やごぼう、かぼちゃなど根菜類やイモ類、海藻類、果物などに多く含まれます。

⑦腹八分目にする

最近では、腹七分とも言われています。
食べ過ぎは、胃腸での消化の負担になります。

⑧よく噛みましょう!

早食いは満腹感が得られず、食べ過ぎの原因にもなります。
もちろん、胃への負担も大きく、消化に時間がかかります。

ゆっくり食べるために、一口30回噛む、一口を少なくするために、小さめのスプーンを使用する、一口ごとに箸を置くなど工夫してみましょう。

⑨夕食はなるべく20時までに済ませる、それ以上遅くなる場合は軽めに

夕食を摂ってから寝るまでに最低でも3時間は空けましょう。
食べてすぐに寝ると、睡眠中にすべき体の機能が上手く働かず、消化にエネルギーを使ってしまいます。
そのため、朝の寝起きも悪くなります。

➉食事は楽しく、おいしく、リラックスして食べる

食事の時の気持ちで、消化・吸収に影響が出てきます。
嫌いな人と緊張しながら食べたり、身体に良いといわれているからと美味しくないのに我慢して食べたりすると、消化液の分泌が悪くなります。

心の状態が、消化・吸収に影響を与えます。
食べものに感謝しながら、味や香り、食感、そのときの時間を味わいながらいただきましょう。

 

いかがでしたか?
そんなに難しいものではありませんよね。

何でもやってみる!
そんな軽い気持ちで、はじめは2週間、その後1か月、そう思っているうちに体調の変化を感じ、さらに続く方がほとんどです。

腸が変わると、体が変わり、心も穏やかになります。
ついでに次の世代の赤ちゃんにも伝えていくことができます。
LET’S チャレンジ‼

  • メンタルケア

不妊治療後は産後うつになりやすい傾向。理由と対策を知って産後に備えよう

2021/09/19

Marbera運営事務局

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出産した女性の約15%に起こると考えられているのが、産後うつ。漠然と「産後に気持ちが不安定になってしまうこと」と理解している人は多くても、実際産後うつになる人のほとんどが自分が産後うつになるなんて想像してもいません。また、すでに産後うつになっていても、未だなお自分が産後うつに該当するという自覚がないということも珍しくありません。

さらに、不妊治療後の妊娠は産後うつになりやすいというデータも一部あることも事実なのです。

妊娠、出産後の不安を払拭するためにも、また、すでに産後うつかも…と心当たりがある人の参考のために、不妊治療後の妊娠が産後うつになりやすい理由や、産後うつの対処法を理解しておきましょう。

産後うつは出産後誰にでも起こり得ること

産後うつ病とは、分娩後の数週間から数カ月に渡って続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態のことをあらわします。産後うつの原因自体は、急激なホルモンバランスの変化によるものという考えや、過去のうつ病既往歴、周産期のストレスなどが原因となるという考えがあり、明確ではありません。

しかし、妊娠中の女性はつわりを始めとした体調変化が多く、妊娠後期ともなればお腹が大きくなるにつれて日常生活を送るだけでも大変なエネルギーを使います。つまり、出産によるホルモンバランスの変化にせよ周産期のストレスにせよ、出産に伴いこれが起こらない女性はほとんどいないということです。どれだけ認知や理解が広がっても、元気なときには人はついつい「自分にはメンタル的な不調は起こりにくい」と考えてしまう傾向があります。しかし妊娠中の人やその周囲の人は、産後うつは誰にでも起こりうる不調だということをまず理解しましょう。

不妊治療後の妊娠では産後うつの人が増加

2010年に発表された論文「妊産婦の妊娠の状況と抑うつ状態との関連」では、産後うつと妊娠の状態の関連性を知るために、自然妊娠、不妊治療後の妊娠、望まない妊娠など、妊娠したときの状況と産後の精神状態を比較しました。出産直後、出産一ヶ月後、出産4ヶ月後といったように時間の経過とともに測定していますが、不妊治療後の妊娠においては望まない妊娠による出産に次いで2番め、もしくはどの妊娠よりも産後うつの人が多いことがわかりました。

不妊治療後の妊娠に産後うつが多い理由

すでにお伝えしたとおり、そもそも産後うつの明確な原因というのはわかっていません。従って、不妊治療後の妊娠がどうして他の妊娠に比べて産後うつに繋がりやすいのかというのも、明確にはわかりません。しかし、これまでの研究によっていくつかの原因が推測されます。

そもそも不妊治療患者に抑うつ症状の傾向が高い

2021年の研究データでは、いわゆる体外受精と呼ばれる高度不妊治療の初期段階では、54%以上の女性に抑うつ症状が見られるということがわかりました。他の不妊治療やその後の時間的経過に伴う推移などが明確になっていない部分はありますが、高度不妊治療に関わらず、不妊治療というのは肉体面でも精神面でもとても大きな負担がかかるものです。

たとえば不妊治療患者の負担となるのは以下のようなことです。

  • 希望していないのに妊娠できない状況
  • 治療のための内診
  • 治療のための薬の副反応
  • 治療そのものの痛み
  • 治療と仕事、家事の両立
  • パートナーとの治療に対する温度差
  • 治療にかかる莫大な費用への懸念

ここにあげたのはほんの一部でしかなく、不妊治療を受けている人は個々の状況によっていくつもの負担を抱えています。治療方法はそれぞれの健康状態や年齢などで大きく異なり、家庭の状況も千差万別。そのストレスの内容や種類は人によって様々で、同じ治療当事者同士でもパートナーであっても理解しあえず、孤独を感じやすいというのも多くの人が感じていることです。

そもそもうつ症状の既往歴がある人は、産後うつになりやすいことがわかっています。当人が気がついているかどうかに関わらず、不妊治療経験者にうつ状態の人が多いということは、産後うつを起こしやすい人が多いとも考えられるでしょう。

ただし、2010年に発表された論文「妊産婦の妊娠の状況と抑うつ状態との関連」ではあくまでも「不妊治療後の妊娠と自然妊娠」での産後うつ状態の比較であり、さらに体外受精と一般不妊治療での比較において差は見られていません。

不妊治療中は出産後のイメージが湧きにくい

日本における不妊治療の課題のひとつに、産科医療との分断があげられます。総合病院や産婦人科で不妊治療を受ける人もいますが、生殖医療は医療の中でも専門的な分野であり、不妊治療専門病院で診療を受けている人も多いはずです。

不妊治療のみの観点からいえば、医療のゴールは妊娠です。しかし、当然ながら患者のゴールは出産です。悲しいことに妊娠と出産はイコールではなく、妊娠に至ったものの出産には至らないというケースが出てきますが、それでも妊娠が成立し、一定期間継続できたことを確認した時点で不妊治療は成功とということになります。つまり、不妊治療中は医師も患者もとにかく妊娠を目標に治療を進めていきます。

これまで不妊治療は保険適用外の治療でもあり、明確なガイドラインの定めがありませんでした。そのため患者は自身で様々な情報収集をし、場合によっては受け身になることなく治療を進めていく必要がありました。不妊治療当事者は妊娠のための情報や治療に集中する反面、妊娠後、出産後の自分がイメージしにくくなっていることがあるようです。

出産後に期待しすぎてしまう

不妊治療の困難さを理解しているからこそ、出産前であっても不妊治療患者は妊娠、そして出産がいかに奇跡的なことかを十分に理解しています。その結果、出産後のイメージがしにくいケースとは反対に、出産後に過度な理想を抱いてしまう人もいます。せっかくできた子供が産まれたらこんなことをしてあげたい、こんなお母さんになりたい、と具体的な理想が膨らみすぎてしまうのです。

しかし赤ちゃんというのは産まれたときから十人十色、そして母体も想定どおりのことばかりではありません。寝付きが良い子もいればそうでない子もいるし、母乳が出る人もいれば出ない人もいます。

どんな子供なら良い子というわけではなく、同様にどんな母親なら良い母親、と明確に定義できるものではありません。にも関わらず、過度な期待を寄せてしまうことで理想どおりに進まないときに激しく自分を責めてしまったり、強いストレスを感じてしまったりということになりかねません。

産後うつの対策

日本人は欧米に比べてメンタルヘルスの専門機関との接点が多くありません。カウンセリングを受けることや精神科に通うことに抵抗を感じる人が多く、実際に精神的な不調を感じてもどこに相談すべきか、どう改善すべきかのいとぐちが見つけられないということがよく見られます。

万が一自分が産後うつになったときのために、産後うつの対策を知っておきましょう。

しんどいと感じた時点で行動を

まず、産後うつの症状を理解しましょう。産後は赤ちゃんのリズムで生活することになり、多くの人が寝不足や授乳で体力的にも負担を感じます。そのため、育児をつらいと感じたり疲れを感じることがあっても「これぐらいは誰でも同じだろう」と考えて我慢しすぎてしまい、対処が遅れてしまうことがあります。

産後うつの症状は人によって異なりますが、一例をご紹介します。(参考:MSDマニュアル家庭版

  • 極度の悲しみ
  • 頻繁に泣く
  • 気分の変動
  • 易怒性および怒り
  • 極度の疲労感
  • 睡眠障害(過眠または不眠)
  • 頭痛および全身の痛み
  • 性行為やほかの活動への興味の喪失
  • 不安発作またはパニック発作
  • 食欲減退または過食
  • 日常生活を送ることが困難になる
  • 子どもに対する関心の喪失または不合理な心配
  • 無力感または絶望感
  • こういった感情をもっていることへの罪悪感
  • 子どもを傷つけることに対するおそれ
  • 自殺念慮

このような感情を感じたり、しんどいと感じた時点でこれから紹介する何らかのアクションを起こすことをおすすめします。

家族や友人など相談相手をつくる

突然専門機関にかかるというのは誰にとってもハードルが高いものです。まずは家族や友人など、育児について正直な思いを伝えられる相手をみつけましょう。育児をつらいと感じるなんて甘えだと思われてしまう…と不安になってしまう人の場合、家族以外の人や、子供がいない人のほうが話しやすいこともあります。また、出産後に職場復帰した経験がある人などは周囲の協力の重要性を知っていることが多いため、相談しやすいという人もいます。

出産の時期が近すぎる相手では自分と比べてしまって正直な感情で話ができないことも珍しくないため、自分が正直な感情で話ができる相手であることがポイントです。

医療機関を利用する

産後うつは精神科や診療内科で診療を受けるのが一般的です。しかし、どこの病院に罹るべきかわからない場合などは、まずは出産した産科で相談してみましょう。産科で話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることもあれば、カウンセラーや病院を紹介してもらえることもあります。

その他の相談機関を利用する

市役所や区役所など、行政機関には保健師さんがいるのが一般的で子育て支援を受けることができます。また、地域の児童館などでも相談できることがあります。

直接足を運ぶ気力すら湧いてこないときや、近隣の人では相談しにくい、対面での相談は躊躇してしまうという人は、インターネットでサポートを探してみてください。「子育て相談」「子育て支援サービス」などで検索すると、オンラインでの無料相談など自分の希望条件にあったサポートが見つけられるかもしれません。

ベビmatchの中でも相談サービスを提供しています。不妊治療中だけではなく、妊活検討段階から、不妊治療を経て妊娠した方、一般の方も利用が可能です。

産後うつは誰のせいでもない

繰り返しになりますが、産後うつは誰にでも起こりうることです。産後うつかもしれないと感じても、決して自分を責める必要はなく、仮に「誰でも大変」などと言われても気に病む必要もありません。

育児というのは長期に渡り続くものだからこそ、一時の我慢では終わらないことがあります。自分の健康状態と上手にバランスを取って進めていくためには、自分の体や心のSOSに早期に気が付き、アクションを起こすことが大切です。

風邪を内科に行き、怪我をすれば外科に行くのと同様に、心の不調にはそれにあったケアが必要です。周囲や専門機関の力を借りるのは育児でとても重要なことだと気楽に考えるようにしてくださいね。

いつでもベビmatch相談サービスをご利用ください。

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セルフメンタルケアのコツは書き出すこと。認知行動療法の方法など

2021/07/07

Marbera運営事務局

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不妊は精神的負担が大きい

2021年の国立成育医療研究センターなどの調査によると、高度不妊治療を始める、もしくは始めたばかりの女性の54%に抑うつ症状が見られることがわかりました。

高度不妊治療というのは、不妊治療の中でも主に体外受精のことを指す言葉です。一般的には不妊治療の経過として、最も妊娠しやすい日と性行為の日をあわせるためのタイミング指導や、採取した精子を女性の体内に注入する人工授精、そして体外受精というように治療の方法を変えていきます。つまり高度不妊治療を始める段階ですでに長期的に不妊の悩みを抱えている人が多いということになります。

特に不妊治療の最終ステージともいえる体外受精はそれまでの治療とは大きく異なり、費用面やスケジュール面、そして身体面でもさらに大きな負担がかかる治療です。

長期的に不妊の悩みを抱えてきたということや、治療の大変さなどを考えると、高度不妊治療初期の状態ですでに半数以上の女性が抑うつ状態だということも十分に理解ができます。

不妊治療の負担を軽減させるセルフメンタルケアの方法

不妊という状態はそれだけでも焦燥感や不安を掻き立てたり、自分に自信が持てなくなったりという原因にもなります。それでなくても高度不妊治療は予定が立てにくい頻繁な通院が必要になることも多く、仕事との両立が困難になる人も少なくありません。

また、治療を始めたからといってすぐに良い結果が出るとも限らず、さらにはつらい治療を乗り越えたからといって必ず妊娠、出産できるという保証もないというストレスの要素が多い治療です。

少しでも心身の負担を減らしながら治療を続けるためには、セルフメンタルケアによるストレスコントロールの術を身につけることをお勧めします。ここでは、いくつかおすすめのメンタルケアの方法をお伝えします。

趣味の時間を作る

ストレスマネジメントのためのおすすめの方法として、趣味の時間を作るというのは重要です。とはいえ何度もお伝えしているように、高度不妊治療では予測のつかない通院も増えるものです。そのため、旅行のような趣味に時間を使うのは難しいというのも現実。しかし、治療のことばかりに時間を使い、毎日治療のことばかりを考えていては次第に気持ちが追い詰められていってしまいます。

ときには治療をお休みして旅行に行くような時間を作るという方法もあれば、映画鑑賞や手軽にできる軽い運動などを趣味のひとつにするという選択肢もあります。

相談相手を作る

ストレスというものは、溜め込んでしまうとそのうち雪だるまのように膨らんでいき、どんどんつらくなってしまうことがあります。ストレスを溜め込まないようにするためには、何でも話せる良い相談相手を持つというのもおすすめです。

しかし不妊治療や妊娠にまつわる話というのは、とてもデリケートな問題です。家族や友人には話しにくいという場合には、SNSを活用して治療仲間を探すなど、実生活で繋がりのない相手を相談相手にするのも良いでしょう。

ノートに書き出す習慣をつける

人に話すことと同様に、とにかく自分の気持ちを抱え込まずにアウトプットする方法として、ノートに書き出す習慣をつけるというのもおすすめです。

実際、日記や「書く」という行為によるストレス軽減効果というのは科学的にも実証されていて、日記を書くという方法によるストレスセラピーを行っている専門家もいるほどです。日記は自分だけのものであり、誰が読むわけでもありません。

たとえば知人の妊娠報告に対して羨む気持ちなど、純粋な感情で喜べないといった複雑な心境を吐き出しても誰かに非難される心配は不要です。人には言いにくいことを書き出したりするうちに、自分の思考の整理を行うことができます。

おすすめの書き出すセルフメンタルケア「認知行動療法」

書くことによるセルフメンタルケアは日記だけではありません。カウンセラーやセラピストといった専門家も実施しているメンタルケアの方法に認知行動療法というものがあります。認知行動療法にはいろいろな方法がありますが、紙に書いて思考を整理するという方法なら自分で試してみることも可能です。

認知行動療法の仕組みや具体的な方法をご説明します。

認知行動療法はどんなことに効果的?

認知行動療法は、うつ病や統合失調症といった精神疾患への効果も証明されている治療方法のひとつです。しかし、必ずしも病気の治療にのみ使われるものではなく、たとえば不眠症の症状を改善させたり、マイナス思考の人が考え方を変えたりすることにも役立ち、ストレス軽減のために活用することもできます。

認知行動療法の仕組みと特長

同じ体験をしたり同じものを見たとしても、思考や行動には個人差があるものです。たとえば暗い場所に不安を感じる人もいれば、そうではない人もいるというのがこの個人差にあたります。人によって思考や行動に癖があるもので、これに偏りがあるほどストレスを感じる機会が多くなりがちです。

認知行動療法というのは、この思考や行動の癖を見直し、自分の認知や行動パターンを変えていくことでストレスを軽減させていくという仕組みで、比較的効果が出やすいということや、自分ひとりでも習慣化しやすいというのが特長です。また、思考や行動のパターンそのものを変化させるため、改善された状態が継続しやすいというのも利点です。

挑戦しやすい認知行動療法の方法

認知行動療法自体にもいくつかの方法がありますが、書き出すことによる認知行動療法にもさらにいくつかの方法があります。ここでは、自分ひとりでも取り組みやすい方法をひとつご紹介します。

認知行動療法の初期ステップ3つの項目

書き出すことによる認知行動療法では、7つの項目を使います。初期ステップでは、自分の今の状況や感情を整理するために、次の3つを書き出します。

  • 状況
  • 自動思考
  • 感情

状況の場所には、起こったできごとを書きます。次に、自動思考の場所にはそれによって自分がどう思ったかを書きます。そして感情の場所には、端的にそれに伴う感情を書きます。

ここでの重要なポイントは3つあります。まずひとつ目は、自分の思考や感情を素直に書き出すことです。誰に見せるわけではなくても、自分の思考や感情と向き合うのは苦しいときもあり、つい事実ではなく理想を書いてしまうことがあります。しかし、認知行動療法というのは今の現状をどう変えていくかということなので、前提となる思考や感情は現在の状況に忠実なものであることが望ましいです。

ふたつ目のポイントは、整理しやすくするために状況はひとつ、それに伴う自動思考や感情については複数あっても構いません。みっつめは感情にはそれぞれパーセンテージをつけて表示することです。

下記が具体的な一例です。

  • 状況:友人から妊娠報告を受けた。
  • 自動思考:①簡単に妊娠できて羨ましい。②自分だけがこのまま妊娠できないのではと不安。③純粋に喜んであげられない自分は酷い人間だ。④友人の妊娠自体は喜ばしいこと。
  • 感情:妬み(50%) 悲しい(30%) 自己嫌悪(50%) 喜び(20%)

認知行動療法の中期ステップ2つの項目

初期ステップは、自分の感情や状況を整理するための作業です。この時点では、思考や感情には自分の癖が含まれています。中期ステップでは、これを事実に基づいて整理することで客観的な思考を取り戻します。そのためには、下記の2項目を書き出していきます。

  • 根拠
  • 反芻

事実の箇所には、状況に基づいて感情や思考を入れずに客観的な事実のみを書き出します。反芻の箇所には、自動思考に対して矛盾する内容を書き出します。いずれも複数あっても構いません。下記がその一例です。

  • 根拠:友人が妊娠した。自分は結果が出ていない。
  • 反芻:①妊娠した友達が、妊娠に関する悩みがなかったとは限らない。②不妊治療を続けている別の友人もいる。③④友達を祝福する気持ち自体はある。

認知行動療法の最終ステップ2つの項目

初期段階では現状と自分の思考の癖を整理し、中期ステップではそれを客観的な視点から整理しました。次に、思考や行動の癖を直していくために「どうやって考えると楽になるのか」という結論につなげます。ここでは下記2つの項目を書き出します。

  • バランス思考
  • 変化した感情

バランス思考でもっとも簡単なのは、自動思考と反芻をかけ合わせたものを書き出す方法です。そしてバランス思考を見直したあと、自分の感情の変化を初期ステップ同様パーセンテージで書き出してみましょう。下記がその具体例です。

  • バランス思考:①友人は妊娠できたけれども、これまで妊娠に悩んでいたかもしれない。②自分はまだ妊娠できていないけれど、他にも妊娠できていない人はいるし、これから妊娠する可能性はある。③友人の妊娠は嬉しい気持ちもあり、それ以外の感情があっても酷い人間なわけではない。
  • 変化した感情:妬み(20%) 悲しい(10%) 自己嫌悪(20%) 喜び(40%)

羨ましいという感情や悲しい気持ちがすべて消えなくても問題ありません。しかし、初期ステップでの感情と見比べてみると、ネガティブな気持ちがぐっと軽減されていることがわかります。

認知行動療法を日頃の習慣に

書き出すことによる認知行動療法は、気が向いたときにいつでもできるものであり、不妊治療以外のことでも十分に効果を発揮します。たとえば仕事や対人面で行き詰まりを感じていたり、治療中の夫婦関係に悩みを感じていたりするときにも実践してみましょう。

ただし、認知行動療法自体が負担になるようではあまり効果が得られません。義務的にとらえるのではなく、自分の心を軽くする方法と考えて空いた時間で気軽に挑戦してみてください。それでも精神的な負担が大きいようであれば、自分ひとりで抱え込まずに専門家の力をかりるというのもひとつの選択肢です。

不妊治療を専門とした心理カウンセラーというのも存在するので、ストレスマネジメントのひとつの方法として一度相談してみても良いのではないでしょうか。

息詰まったときは、ぜひMarberaで相談してみてくださいね。

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悩みがちな妊活中の旦那の誘い方。負担にならない方法は?

2021/03/10

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

妊活中の旦那の誘い方、みんなはどうしてる?

不妊治療にチャレンジする夫婦は、まずは排卵日にあわせて夫婦生活を持つタイミング法から始めるのが一般的です。治療とまではいかなくとも、妊活中の女性は自分で色々と情報収集する人が多く、妊娠のためには排卵日前の妊娠しやすい時期の夫婦生活が重要だということはなんとなく知っている人が多いのではないでしょうか。

製薬会社のアンケートによると、妊活中におけるパートナーへの誘い方では、直接伝えているという人が7割にものぼりました。デリケートな問題なので直接は伝えにくい…と考える人もいるかもしれませんが、実は男性に対するアンケートでどのようにタイミングを伝えてほしいか、という質問に対しても、やはり7割程度の男性が直接伝えてほしいと回答しています

直接伝えることに対する男性側の意見

直接伝えてほしいと回答した男性の意見をさらに詳しく見てみると、「できるだけ妊娠のチャンスは逃したくない」と答えている人も多く、子供がほしいということが夫婦の共通した希望であれば、男性側も比較的積極的に考えていることがわかります。

伝え方を工夫してほしいという人も多い

排卵日やタイミングに良い日を直接伝えてほしいという男性が多いのは確かですが、伝え方には少し工夫が必要になります。わかりやすくカレンダーなどにマークをつけてほしいという人もいれば、できるだけカジュアルに言ってほしいという人もいて、パートナーの性格によって「上手な伝え方」は変わってくるからです。

時間の経過とともに変わってくることもある

また、妊活の時間経過とともに男性側の感じ方が変わってくることがあるということも理解しておきましょう。これは男性だけのことではありません。たとえば女性側も、妊活を始めたばかりの頃は「何度かタイミングを合わせていれば自然にできるに違いない」と考えている人が多いです。そのため、一度や二度希望通りにタイミングを取れないことがあっても、さほど焦りを感じることはありません。しかし、なかなか授からない期間が続いてしまうと焦りが出てきてしまい、「妊娠の貴重なチャンスを絶対に無駄にしたくない」と思うようになることもあります。こうなってくると、相手が疲れて先に寝てしまうことなどに対して、不安やイラつきを覚えるようになるということはよくあることです。

男性側も同様に、期間が経過するほどプレッシャーが強くなっていったり、夫婦生活が義務的になっていったりすることが息苦しく感じてしまうことがあるため、伝え方も相手の精神状態に合わせて変えていけるのがベストです。

妊活中におすすめな旦那の誘い方

夫婦生活のタイミングについて、パートナーに伝えるための具体的な方法をいくつかお伝えします。

夫婦で話し合って決める

一番オススメの方法は、妊活スタート時点でまずは夫婦で話し合ってみることです。直接伝えにくいと考えている女性でも、相手に負担をかけてしまうと考えている人や、伝えるのが恥ずかしいと考えている人など、その理由は様々です。しかし実際にパートナーと話をしてみると、男性側も「子供がほしい気持ちは同じだから恥ずかしがらないでほしい」と思っていたり、「いつ頑張ればよいかわかったほうが負担にならない」と考えていることもあります。

もちろん、都度女性側から伝えなければならないということを女性が負担に感じてしまうこともあります。できれば自分から聞いてほしいという希望を伝えることもできるため、二人でルールを決めるのを妊活の第一歩と考えてみてください。

排卵日ではなく「チャンス日」または「したい」と伝える

妊活や不妊治療中の夫婦生活が義務的になってしまうのが負担というのは、確かに少ない意見ではありません。これは男性に限ったことではなく、自分の体のサイクルと常に向き合っている女性だからこそ、「夫婦生活=妊娠のため」と直結してしまうことがつらくなることは出てくるでしょう。

夫婦生活をできるだけ義務的なものにしないためには、排卵日や「今日お願い」と伝えるのではなく、「今日はチャンスだよ!」「今日したいな」など、妊娠のための前向きなものとして伝えてみましょう。ほんの少しのニュアンスの違いではありますが、夫婦にとっての前向きな努力と考えたほうがお互い積極的になれることは多いようです。

アプリを活用する

直接伝えるのがどうしても恥ずかしかったり、相手が忘れっぽかったりする場合にはアプリを活用するのもひとつの手段です。たとえば不妊をトータルでケアしてくれるコミュニティアプリのベビmacthには、パートナー機能というものがあり、パートナーとアプリをつなぐことが可能です。

それによって不妊治療の通院予定や排卵日などを共有したり、治療経過やその日の気持ちなどを共有することができます。メールや直接の会話ではどうしても冷静に話すことができないという女性も多く、「妊活に関する話ではいつも喧嘩になってしまうから…」と、向き合うこと自体を避けるようになってしまう夫婦もいます。

自分から覗いて見るというのは男性側の心理的ハードルも低く、女性側も相手が妊活に積極的になってくれていると実感することができます。

妊活中のタイミングの伝え方で注意すべきポイント

妊活は夫婦ふたりで進めていくものではありますが、女性に比べて男性は生理や妊娠に詳しくないため、やはりどこか女性より楽観的で「そのうちできる」と思っている人が多いのも事実です。そして、妊活中にその温度差によって女性にストレスがかかったり、夫婦間でのいさかいが増えてしまったりということもあります。

それをふまえて、妊活中のタイミングの伝え方で注意すべきポイントを挙げておきます。

女性の気持ちもしっかり伝えておく

夫婦といえど他人同士であり、考えればわかると思うようなことでも相手のことはわからない部分が多いものです。妊活中の夫婦生活が義務的になってしまうのは女性にとってもつらいことだということや、年齢の経過とともに女性は妊娠しにくくなっていくのでつい焦ってしまうということは、あらかじめ伝えておきましょう。

それによって「妊娠の話になると、いつもイライラしてる」と思いがちな男性も、その理由がわかるので負担が少なくなることがあります

直接伝えないほうが良いケースもある

大半の男性がタイミングを直接伝えてほしいと考えていても、やはり残りの3割は直接言われることに躊躇しています。相手がプレッシャーに弱いタイプだったり、妊活自体あまり協力的でない場合には、直接伝えることが逆効果になってしまうこともあります。

たとえば相手が「直接言われるとモチベーションが下がってしまう」と言うと、ついイライラしてしまうものですが、そこで怒っても解決には至りません。

やはり直接伝えるよりも普段よりスキンシップを多めにしてみるなど、態度で現してあげるほうが良い場合があるということは認識しておきましょう。

排卵日以外のスキンシップも大切にする

妊活や不妊治療における夫婦生活が義務的なものになってしまう理由のひとつに、排卵日前以外のスキンシップが少なくなってしまうことで、夫婦生活が妊娠の目的だけのものになってしまうことがあげられます。特に不妊治療中の場合などは通院や治療で女性の体に負担がかかっていることも多く、排卵日前のタイミング以外なかなか女性が積極的になれなくなってしまうことがあります。

しかし、排卵日はストレスや体調で前後しやすいものでもあり、妊娠のためには排卵日以外にもできる限り夫婦生活を持つべき、という医師もいます。普段から夫婦生活やスキンシップを大切にすることが、ベストタイミングでの夫婦生活への鍵となるケースもあります。

妊活は夫婦でのコミュニケーションが大切

妊娠を望んでいるのであれば、パートナーの協力は必要不可欠です。そもそも排卵日と妊娠の関係や、それに対する女性側の気持ちなどをしっかりと話し合えるようなコミュニケーションを築くことを目指してみましょう。

相手の気持ちも考えつつ、しっかり自分の気持ちを伝えられる機会を普段から作っておくと、負担になりがちな妊活も夫婦で乗り越えていくことができます。

また、妊活の期間や経過でお互いの気持ちも変化していくものです。妊活中のパートナーの誘い方も、ここでお伝えしたことを参考に時期によって変えてみるなど、メリハリをつけてみるとうまくいくのではないでしょうか。

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不妊治療と仕事の両立が大変。困難なポイントや乗り越えるための方法

2021/02/17

Marbera運営事務局

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不妊治療と仕事の両立に悩んでいる女性は多い

これから不妊治療を受けようと考えている人は、仕事との両立に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?また、実際に不妊治療を受けている人で、仕事との両立がなかなかうまくいかずに困っているという人もいるでしょう。

実際、厚生労働省の調査によると、5.5組あたり1組のカップルは不妊検査含め何らかの不妊治療を受けていることがわかっています。昔に比べ、それほどまでに不妊治療が一般的になっているにも関わらず、不妊治療を受けていることをオープンにしている人は職場にどれほどいるでしょうか。

上記と同様の調査では、不妊治療を受けている男女で両立が困難ではないと回答している人は約13.4%。つまり、85%以上の方が何らかの形で困難さを感じているということです。また、34.7%の人は

  • 両立できず仕事を辞めた
  • 両立できず不妊治療を辞めた
  • 両立できず雇用形態を変えた

と回答しており、たしかに不妊治療と仕事の両立は非常に悩ましい問題だといえます。

具体的に仕事の弊害となる5つのポイント

では、実際には不妊治療のどのような点が仕事を続けていく上での困難さに繋がっていくのでしょうか。特にこれから本格的に治療を開始することや、治療のステップアップで体外受精にチャレンジしようと考えている人は、事前に課題を把握しておくことで調整が可能な場合もあるでしょう。

もちろん治療内容や職場環境により困難に感じるポイントは異なりますが、弊害となりやすい5つのポイントをご紹介します。

通院回数の多さ

まず、通院回数の目安をお伝えします。これは通っている病院によっても異なるので、あくまでも参考と考えてください。

  • タイミング法:1~2回程度
  • 人工授精:2~3回程度
  • 体外受精:採卵周期に4~10回程度、移植周期に4~5回程度

ちなみに、こちらは治療のみの通院を想定しています。中にはこの他に血液検査や卵管や子宮の検査を行うこともあり、さらに通院が増えることもあります。この中でも、特に体外受精では刺激の方法や卵胞の発育具合によって治療内容や通院頻度が変わるため、同じ人でも毎周期同じ通院回数になるとも限りません。

スケジュール調整の困難さ

不妊治療は、タイミング法であっても卵胞の発育状況に合わせて日程の微調整が行われることが多々あります。内診で発育状況を診た結果「明日ももう一度来てください」と突然言われることも珍しくありません。また、投薬の都合などで「必ず午前中に来てください」と来院時間の指示を受けることもあり、職場にあらかじめ通院の予定を伝えることができないだけでなく、出張などと重なってしまってその周期の治療を諦めざるを得ないこともあります。

突発的な通院でない場合でも、体外受精の採卵周期や移植周期には、まずは採血して血液検査を行い、最低でも1時間ほどたって血液検査の結果によって投薬内容を決めるというのも非常に一般的です。

そのため、採血自体には時間はかからないものの、1時間待ってまた再度診察を受ける、ということになります。さらに、不妊治療専門のクリニックが少ない地域や、人気の不妊専門クリニックでは待ち時間が3~4時間かかるということもよくあること。たとえ時間休などの制度がある職場でも、そもそも何時に戻れるかが把握できないという難しさがあります。

体力的な問題

不妊治療では、タイミング法→人工授精→体外受精の順に投薬の量が増えていくことが多いです。卵胞を発育させるための注射や子宮内膜を育てるための膣剤、その他飲み薬はホルモン剤が多く、副反応に非常に個人差があります。頭痛や腹痛、倦怠感などの肉体的副反応だけでなく、感情の起伏が激しくなるといったメンタル面に副反応が出るケースもあり、日常生活を送るだけでもしんどさを感じる人もいます。

また、通院先の病院が家や会社の近くにない場合、限られた時間の中で家、会社、病院と3箇所の行き来をすることになります。もちろん仕事以外にも家事や育児をしなければならない人も多く、これをすべてこなすというだけでも肉体的に負担がかかります。

周囲の理解が得られない

昔に比べれば、不妊治療の存在自体の認知度はだいぶ上がっています。しかし、当事者以外はあまり治療の内容まで詳しく理解しているわけではないことがほとんどです。治療の過程でどのぐらいの頻度で通院する必要があるのか、治療がどの程度体に負担がかかるということは、実際に治療を受けてみないとわかりにくいものです。

たとえば、治療をしていることを伝えても「前もって予定を決められないの?」と上司から度々確認されるという悩みを聞いたことがあります。その他にも、同僚から「そんなにお金をかけなくても、いつかできるのに」と言われてしまったという人もいます。

どちらの場合も、その上司や同僚は悪気があるわけではなく、理解が足りない故に出てくる言葉だといえるでしょう。

精神的なつらさ

上記のような悩みを抱えていれば、自ずとストレスがたまります。もちろん不妊治療を受けていることを職場の人に伝えられないという当事者も多く、休みの理由も伝えられないまま度々会社を休むことをストレスに感じているということもあります。

さらに、大勢の人が勤めている会社では妊娠や出産の話題が出るということも度々起こります。誰かの妊娠の話を聞いてつらく感じることもあれば、子供の有無やその予定などを聞かれて傷つくこともあるでしょう。

不妊治療と仕事の両立のためにできること

では、どんな工夫をすれば不妊治療と仕事の両立ができるのでしょうか。具体的な対策をいくつかご紹介します。

職場で理解のある人に話してみる

もしも職場に不妊治療中の人が利用できる制度があるなら、ぜひ積極的に利用してみましょう。不妊治療のための制度の代表例は特別休暇や金銭的支援ですが、このような制度を設けている企業はまだまだ少ないのが実情です。しかし、上司の理解を得ることで休みを取りやすくしてもらうなどの配慮が得られることもあります。

いままで職場の誰にも不妊治療のことを話したことがない人でも、理解のある人がいそうなら、まずは「検査に通っている」などの話から簡単にしてみても良いでしょう。もちろん直接の上司からの理解が得られれば一番良いのですが、関係的にもう少し距離感がある相手のほうが話しやすいという場合もありますよね。その場合は、人事部の人や他部署の人でも構いません。

誰かに話をするだけで気持ちが楽になることもあれば、仕事と不妊治療の両立のために協力的になってくれることもあります。

あらかじめ仕事との両立を考えた病院選びをする

不妊治療の病院を選ぶとき、多くの人がその実績を参考にするようです。もちろん、少しでも実績の良いところで治療を受けたいと考えるのは当然のことかもしれません。しかし仕事との両立を考えているのであれば、あらかじめ「仕事がしやすい」という条件も踏まえて病院選びをするという方法もあります。

実際に不妊治療と仕事を両立している人から聞いた、仕事をしていても通いやすいと感じているポイントをいくつか紹介します。

  • 会社の近くの病院なので、採血や注射だけなら昼休みの間に済ませられる
  • 治療を開始する前の検査や説明会で大体の待ち時間も確認しておく
  • なるべく通院回数を減らしたい旨を伝えて自己注射にしている
  • 電話やメールでの呼び出しサービスがあるクリニックなのでギリギリまで会社にいられる
  • 遅い時間まで開いているクリニックなので仕事のあとにも通える

ただし、病院選びは重要なポイントでもあるので、何を優先して選ぶかはじっくりと考える必要があります。

不妊カウンセリングを利用する

不妊治療に関する専門知識をもつ、不妊カウンセラーという人がいるのをご存知でしょうか?不妊治療専門の病院や不妊治療をサポートする団体などが不妊カウンセリングを実施しています。不妊治療のつらさや悩みを相談できるだけでなく、たとえばステップアップを迷っている、というような専門的な相談も可能です。また、具体的な相談内容が思い浮かぶわけではなくても「なんだかもやもやする」「うまくいえないけど、とにかく何かがつらい」というような場合でも不妊カウンセリングを利用することは可能です。

病院やサポート団体以外にも、たとえば不妊をトータルでケアするコミュニティサービス「ベビmatch」には、オンラインで不妊カウンセリングが受けられるサービスもあります。近くで不妊カウンセラーを探すことができない場合や、あえて通っている病院以外の人と話したいという人はぜひ活用してみましょう。

仕事の内容を変えてもらう

これは不妊治療のことを職場にオープンにする前提にはなりますが、治療を優先した生活にするため、仕事の内容を変えてもらったという人もいます。プライベートを優先する上で、自分が気負わなくて良いように管理職のような責任のある立場から外れた人や、出張などが少ない業務内容にしてもらった、という人がいます。重要なポジションややりがいのある仕事を必ずしも手放さなければいけないというわけではありません。しかし、両立がつらくて仕事や治療のどちらかを選択しようとしているのであれば、仕事の内容を変えるという選択肢もあるということを思い出してください。そのほうが自分の気持ちが楽になる、一定期間治療に集中して後悔を残したくない、という人は検討してみても良いかもしれませんね。

不妊治療と仕事の両立は周囲の理解が鍵

時間的拘束や肉体的なつらさを考えると、不妊治療と仕事の両立は物理的にも簡単なことではありません。上司や同僚といった会社の人や家族の理解が得られれば、治療と仕事の両立はしやすくなります。

これは、必ずしも職場の人に治療のことを伝えなければいけないということではありません。不妊治療というのは夫婦双方にとってとても繊細な問題なので、話したくなければ話す必要はありません。不妊治療を受けている人の多くが両立しなければいけないのは仕事と治療だけでなく、家事や育児など家庭での役割。パートナーや両親など、家族の理解と協力を得ることで負担が軽減されることもたくさんあります。

自分の理解者がなかなか探せないようであれば、不妊カウンセリングなど外部のサポートも十分に活用してみましょう。

  • メンタルケア

不妊治療の孤独感を解消するために大切なこと

2021/02/01

Marbera運営事務局

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不妊治療中に孤独感を抱えている女性は多い

不妊治療におけるメンタル面での負担のひとつに、孤独感が挙げられます。ロート製薬による調査では、妊活中につらいことというアンケートに対して「孤独感」と回答した女性は約30%にものぼります。同様のアンケートを取っても、孤独感がつらいという回答は男性より女声のほうが圧倒的に多く、そもそも孤独に感じているということさえパートナーに理解されないということも、夫婦間での大きな壁となります。

不妊治療を孤独に感じてしまうポイント

不妊治療のどんなシーンで孤独さを感じるかというのは人によって違います。しかし心の負担を軽減するためには、漠然と孤独さを抱えているよりも、自分が何に対して孤独さを感じてしまうのかを知ることで、考え方をどう変えていけば良いのかという対処法が見つかることもあります。

ここでは不妊治療の中で孤独に感じることが多いことの具体例をいくつか紹介します。

治療に対してパートナーとの温度差がある

男女双方に何らかの原因がある場合も含めると、不妊の原因が男性にあるというケースは全体の不妊症の約半数にものぼると考えられています。

しかし男性の中には、妊娠や不妊という問題は女性特有のものだと感じている人もいます。男性の不妊原因を調べるためには精子の検査を行わなければならないこともあり、多くの男性にとって不妊検査自体ハードルが高いものでもあります。そのため、パートナーがなかなか検査を受けてくれない、どこかで自然妊娠が可能だと考えているためステップアップに積極的ではないなど、治療への積極さに温度差を感じているというケースも多々見受けられます。

また、たとえば高度不妊治療である体外受精などを実施する際には、男性不妊が原因だとしても通院や投薬などの治療では女性がメインになるケースも多いものです。一ヶ月のうちで何度も検査や投薬をする女性は卵子や卵巣の状態を常に目の当たりにするため、日頃の食生活など生活習慣にまで気を配るようになりがちです。それに対して、なかなか自分ごととして考えられない男性だと、生活習慣の改善や不妊治療に対する情報収集に積極的になれないことがあり、これも女性側には温度差があるように感じられることもあります。

不妊治療のことを話せる相手が少ない

不妊治療は、同じ女性であっても実際に受けたことがない人にはあまり実態が知られていません。人工授精や体外受精のことを漠然と知っている人は増えましたが、実際の治療においてどんな投薬があるのか、どんな頻度で通院するのかなど、詳しいことまで理解している人はほんの一部です。

不妊治療のつらさを伝えたくても、そのためには細部まで説明する必要があり、それ自体が負担になるため諦めてしまった経験はありませんか?それ以外にも、「そんなにお金をかけなくても」「諦めた頃に妊娠するよ」など、不妊治療を経験したことがない人が優しさのつもりで言ってくれる言葉でも、当事者にとっては心を痛めてしまう原因になることもあります。

また、不妊治療はとてもデリケートな問題です。思うように妊娠できないことで自分の体に欠陥があるかのように感じてしまう女性もいれば、パートナー側に原因があるため相手の気持ちを考えると他人には話しにくいと感じる人もいます。

このような背景から、家族や友人にさえ不妊治療のことを話すことができない、もしくは話すことを段々とやめてしまったというケースも多いものです。

妊娠できないのが自分だけのように感じる

不妊治療中は、ホルモン剤を処方されていることも多いため、副反応として自律神経のバランスを崩すこともあり、いつもより情緒が不安定になりがちです。それでなくても、金銭的にも肉体的にも負担を抱え、さらには育児や仕事との両立のために時間をやりくりしなければならず、心が疲れがちになるのは仕方のないことです。そんなふうに心が疲れてくると、思考回路がネガティブに偏ってしまうことがあります。

そんなときに知り合いや友人の妊娠報告を聞くと、まるで自分だけが妊娠できないように感じてしまうことも。祝福しなければならないときに羨んでしまう気持ちや、悲しくなってしまう気持ちが湧き上がり、妊娠報告に複雑な思いを抱えている人は少なくありません。

不妊治療の孤独さを解消するための対処法

ここまででお伝えしてきた「孤独感」の具体例は、あくまでもほんの一例でしかありません。しかし、孤独感の原因はひとつとは限らないので「なんとなくわかる‥」と共感してしまうことがあれば、それを解決することで少しずつ気持ちが軽くなっていくかもしれません。

上でご紹介した原因に対して、どのような対処法があるのか具体策をお伝えします。

パートナーと話し合う

治療への向き合い方や不妊治療のつらさについて、パートナーの理解を深めるためには、やはり話し合うのが一番です。何度も話をしてきて理解し合うことを諦めてしまったり、子供を望んでいるのは自分だから仕方がないと思っていたりする人も、もう一度次のポイントに注意しながら話し合う場を設けてみてはいかがでしょうか。

話し合いのポイントは、次の3つの点を明確にすることです。

  • 何が負担になっているのか
  • 何をしてほしいのか
  • 何をしてほしくないのか

女性に比べて不妊治療の当事者意識が薄いことが多い男性の場合、ひとつひとつを具体的に伝えないとわからないことが多いのです。どんなことがつらいのか、それに対して具体的に何をしてほしいのか、また、何をしてほしくないのかということを事前に整理して伝えましょう。

注意すべきは、感情的にならないこと。後ろめたい気持ちや恥ずかしい気持ちがあったり、当事者意識が少ないときに感情のままに話してしまうと、自分ごとだから理解すべきという気持ちよりも、ただ感情をぶつけられているだけのように誤解されてしまうことがあります。

SNSなどを活用して励まし合う仲間を作る

実際の生活の中で話せる相手がいない場合には、SNSなどを活用して治療仲間を作るのも良い方法です。ただつらさを吐き出すだけでも気持ちが軽くなる上に、他の人の悩みやつらい気持ちを見ると「自分ひとりではない」と感じられるきっかけにもなります。

ただし、すべての人が自分の価値観に合う人ばかりではないことや不要な情報から身を守る方法も考えておいてください。たとえば同じステージの治療を受けている人としかコミュニケーションしたくない、と考えている人もいるので相手のプロフィールはしっかり確認しましょう。たくさんの治療仲間がみつかるということは、それだけ治療を経て妊娠していく人に接する機会も増えるということでもあります。誰かの妊娠を見て複雑な気持ちになる自分を否定するのではなく、そんなときはしばらくSNSから離れるなど、無理なくできる自衛の方法を考えてみてください。

不妊カウンセラーを活用する

不妊治療に関わることとはいえ、メンタルケアはメンタルケアで切り離し、プロの力を借りるという手もあります。たとえば不妊治療専門のクリニックには、不妊カウンセラーのカウンセリングが受けられるところもあります。

その他にも、各都道府県や都市で不妊専門相談センターを設置していることもあります。ここでは、不妊に関する専門的な相談だけでなく、不妊で起こる心の悩みについて相談することも可能です。詳しくは厚生労働省の不妊専門相談センター事業に関するページを参考にしてください。

不妊治療の孤独感は「我慢」以外にも解決法がある

不妊治療というのは、体の状態や環境など、総合的に考えれば個人個人がすべて異なる問題を抱えているものでもあります。自分と全く同じという人は誰一人と存在しないため、孤独を感じやすい闘いなのかもしれません。

しかし、不妊治療で感じる孤独感やメンタル面でのつらさは我慢するしかないと決めつけてしまう必要はありません。専門家の手を借りたり、インターネットの便利さを活用したりすることで、気持ちが軽くなる場合もあります。通院回数が多くなると、毎日不妊治療のことばかり考えがちですが、治療から離れて趣味の時間を作ってみるなど、上手に距離をとりながらストレスを少なくしていきましょう。

  • メンタルケア

妊娠のタイムリミットと経済的不安:「コロナで妊活どころじゃない!」と言われたら…

2020/04/17

中村 あや

中村 あや

こんにちは。不妊カウンセラーの中村あやです。

新型コロナウイルスの影響で妊活の延期・・・。
経済的打撃から「子供をもつこと」自体をどうするかについて悩んでいる、夫婦間で意見が異なる、などという方もいらっしゃるかもしれません。

「刻一刻と時間が迫っていて私には時間がないのです」

女性は妊娠のタイムリミットに焦りますよね。

この状況下で「しばらく妊活どころではない!」と、パートナーに宣言されてしまった場合、
どう振る舞えばいいのでしょうか?

「妊活」というワードはもはや禁句なのでしょうか?

今週、採卵後に受精卵の凍結保管をして体外受精を先送りにしますというご夫婦のお話をお伺いしました。
奥様側が「タイムリミットが・・・」と気持ちが焦っておられるような印象を強く受けました。

そんなとき、1人よがりで話をすすめてしまったり、感情的に自分のよかれを伝えてしまうのはよくない傾向です。
気持ちを落ち着けて、じっくりとまずは自分の気持ちに向き合ってみましょう。

抱えている問題や不安を外在化し、客観的にみてみる

「重要」と思うことの優先順位がつけにくい時には、書くことで頭を整理してみましょう。

自分はどうなりたいのか?
なぜそうなりたのか?
そうなることで何を手に入れたいのか?

「つらい」となっているものの根本、
「どうしてそう感じるのか」俯瞰的に眺めてみましょう。

気持ちはありのまま書き綴るのがおすすめです。
感情を外に出し客観的に把握することができます。

時にはカウンセラーやコーチに気づきをもらうということもおすすめです。

マイナスの感情や思い込みを変えることができたり、
異なる選択肢のアイデアがみつかることもあるかもしれません。

愛を深めよう、信じよう

どんな状況に陥ったとしても…

〝夫婦でいま一緒に居られている〟ことをまずは感謝しましょう。

妻の「笑顔」が夫を幸せな気持ちにします。
「安心」につながります。

〝ささえる〟というのは、経済的に妻が〝もっと稼ぐ〟という意味ではありません。
お金の話を敢えて言う必要はありません。

それを言い放ってしまうと、余計に夜の夫婦生活がなくなったり、
のちに不妊治療をしても夫婦仲がぎくしゃくし、最悪のケース離婚の危機となってしまう可能性があります。

〝命があればもうけもの♪〟

くらいに肝っ玉でどーんと構えて〝ほほえむ〟ことです。

男性を太陽のように照らせるのが女性の力。

夫のすばらしいところをみつけて称え続けてくださいね。

ささやかな日常に感謝し〝いまが幸せ〟と感じられるような2人なら、
ありのままお互いを受け入れられます。

アフターコロナにどうなりたいか、想いを描いていきましょう。

明るい未来がきっとついてくるはずです。

  • メンタルケア

『皮脳同根』心と身体はつながっている

2019/06/23

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

世の中に沢山溢れている妊活情報。
医学的エビデンスのない情報も多く、そんな情報に惑わされて、最後に紹介される商品を期待して購入してしまう…
そんな人が沢山見受けられます。

いろんなサプリメントを何種類も飲んで、手あたり次第に商品を試してみている方も。。゚(゚´ω`゚)゚。
 
ですが、それよりもっと根本的に大切なことがあります。

そこに気付くことで、
今までとは違う妊活ができるはず。
それは・・・

『皮脳同根』という言葉

私たち人間は、お母さんの胎内でたった一つの受精卵から細胞分裂を繰り返し、生まれてきました。

受精卵が分裂を始めた段階で、

初期は、内胚葉 中胚葉 外胚葉

と呼ばれる3つの層に分かれていきます。

内胚葉は主に内臓に

中胚葉は骨や筋肉

外胚葉は皮膚、脳神経に形成されていきます。

皮膚と神経は同じ外胚葉の部分から
分裂し、形成されていきます。


つまり、皮膚と脳は同じところから生命がスタートしているということ。

根っこは同じなんです。

これは心と身体は表裏一体ということにも通じています。

ストレスを受けたり、つらい、悲しい、などの感情が湧き起こり、それが長く続くと、脳の神経を通じて肌に影響が出ることがあります。

卵子はどうでしょうか?
卵子と精子も同じなのです。

妊娠に必要なのは良質な卵子と精子。


卵子は実は私たち女性が知らず知らずのうちに毎月身体の中で育てているもので、大脳の視床下部というところからの指令で放出された女性ホルモンにより発育し、大きくなります。

心理的ストレスを大きく受けた脳は自律神経バランスが乱れ、ホルモン放出の司令をうまく出せていない状態に陥り、良質な卵子を発育させることができません。

すなわち心の状態も大切なのです。

よって、高度生殖医療、医療技術を取り入れるとともに、
メンタル、心の状態も整えていく必要があるのです。

でも、なかなか赤ちゃんができないと不安で苦しい時期はその渦中というのは「負のループ」に陥りやすいです。

Marberaで一緒に自己ケアを始めていきましょう!

  • メンタルケア

夫婦の営み、誘い方が難しい! 夫のトリセツ【妊活夫婦生活編】

2019/06/04

的場 陽子先生

的場 陽子先生

「私から誘わないと誘ってくれなくなりました。それが悲しくて・・・。」
これも妊活中の女性からよく受ける相談です。

「付き合ってる間は会うたびにしてたのに、結婚したら全然なくなりました。」
これは妊活中の方じゃなくても、悩んでおられるご婦人方が多いのではないでしょうか?

最近の男性は淡泊ですよね、、、?
昭和でいうと草食系ってやつですか?
女性は結構肉食系の方が多いんですけどね。

セックスレスで悩んでおられる方や、回数の少なさで悩んでおられる方、非常に多いです。

なんで、男性は求めてくれなくなるのでしょう????
でもそこには意外な男性の繊細な気持ちが隠れているんですよ。

妊活中、誘うタイミングが難しい!夫のトリセツ

付き合っているときは会うと毎回していたのに、結婚すると全くしなくなる

これは別に女性に魅力がなくなったわけではありません。
セックスは愛情を確かめ合う素敵な行為ではありますが、男性にとってはそれだけのものではないのです。

そう、男性は出さねばならないのです。

動物はその欲求が高まったら、メスを探し手当たり次第に行為を試みます。
でも人間は違いますよね。
ちゃんと愛をはぐくんだ人としかしません。

付き合っているときは、次いつ会えるのか分からないのですから、会うたびにしておかないと、たまりにたまって爆発してしまいます。
この気持ちは女性には分からないものです。

女性はしたいなって思っても、しなくてはならないわけではないので我慢できますよね?
でも、男性はしないと体に不調を及ぼします。

これが結婚すると、したいときに出来る状況になるので、余裕が生まれるわけです。
その余裕が、もしかしたら性欲を減退させるものなのかもしれません。

「わざわざ疲れているときにしなくても明日しよう」
「今日も疲れてるから明日しよう」
って思ってるうちに・・・・1か月経ち、2カ月経ち、1年経ち・・・(1年はないか?)

結婚して女性を手に入れたと思い、男性の狩猟本能をなくしてしまうのも、レスになる原因の一つでしょう。

「手に入れた魚にエサはやらない」状態ですね。
このような男性に対しては、女性がどっぷりと家庭におさまらず、仕事したりして社会にかかわりを持ち、
「捕まえとかないと知らないよー。 すぐどっか行っちゃうよー。」
と思わせるために、たまにはヤキモチを妬かせたりするのがおススメです。

 

そして、妊活をしたいのに夜の営みを男性が誘ってくれなくなるというお悩み・・・
これには、2パターンあります!

 

①赤ちゃんを作るためにする行為になってしまい、萎えちゃう

このパターンは、実は女性側がセックスを楽しんでないパターンが多いです。

女性を喜ばせることに燃える男性は、女性が義務的に対応しているのを見ると、完全にやる気をなくします・・・。
そう、男性は「お義理セックス」は出来ないんです!(笑)

精子が欲しいだけ、のセックスは、男としてのプライドが許さないのです。

②いつ誘ったらいいのか分からなくなっている

このパターンは、誘ったら断られた事があるパターンです。

「禁欲しないとダメな日」や、不妊治療中に女性がホルモン注射などで体調を崩していて出来ない日などなど、妊活中は色々制限されたりすることもありますよね?

今日したいな、と思って誘ったのに断られた。
次も、また次も、なんて事になると、男性はいつが良いか分からなくなり、誘えなくなります。

なら、
誘われた日にしよう
となればまだ良いのですが、
誘ったのに断られた・・・誘われたし、仕方なくしてやるか
となったらセックスレスの始まりです。

「誘ったのに断られた」
という事実は、意外と男性を傷つけていることを知っておかねばなりません。

動物にとってセックスは子供を作るためのものですが、私達は人間です・・・。
セックスは生殖(妊娠のためのもの)、だけではないはずです、

その気持ちは男性に強く、女性は妊活に夢中になればなるほど忘れがちです。
でも、忘れちゃいけない、大事なことですよね???

さあ、どうしたらパートナーに誘ってもらえるか、楽しく夫婦生活出来るのか、あなたには見えてきたはずですよ。

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