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夫婦でライフスタイル改革を!ストレスによる悪習慣が妊娠力に影響する | Marbera

川口 優太郎先生

川口 優太郎先生

2019/05/01

ストレスを感じることが多い現代社会。

精神的なストレスが妊娠に悪影響を与えるということを耳にされたことがある方もいらっしゃるかと思います。

確かにこれだけ聞くと、いかにも影響がありそうな感じがして、なんとなく「そうなんだろう」と納得してしまいそうですが、「じゃぁ、ストレスが不妊にどのように関係しているの?」と聞かれると、「う~ん‥‥そこまではよくわからない」という方がほとんどかと思います。

そもそもストレスとは? 

医学的には外からの刺激に対して、身体や精神が反応する(ダメージを受ける)ことを指します。

ストレス状態が続くことで自身の健康管理が疎かになり、結果的には高血圧や糖尿病、肥満といった『生活習慣病』になるリスクが上昇し、心血管疾患や脳疾患の原因となるほか、これら病態が妊娠においても悪影響を及ぼすことが示唆されています。

つまり、ストレスが不妊に直結しているというよりも・・・ストレスによって引き起こされるこのような病態やその原因となる生活習慣が、妊娠に悪影響を与えるということなのです。

生活習慣病のリスクを上昇させる要因にはいくつかあります。例えば、食生活、睡眠、タバコ、飲酒などです。

食生活の偏りは糖尿病、肥満などの原因となり、睡眠不足はストレス上昇の原因になります。

そしてタバコや飲酒ですが、これらは特に不妊の原因として大きく関係していることが数多くの研究論文から明らかにされていますが、実のところそういった事実はあまり知られていないというのが現状です。

私のクリニックに通っている患者さんにも、「お酒は関係ないんですよね?」と平然と聞いてきたり、「私の友人は、ずっとタバコを吸っていたのに早々に妊娠したし、あんまりタバコは関係ないんじゃないかと思って‥‥」などと愚痴をこぼしたりしている方もいらっしゃいますが、おそらくそれは、年齢も若くて、ラッキーなことにたまたまあまり影響を受けていなかっただけだと考える方が賢明かと思います。

女性の喫煙習慣が与える影響

女性の喫煙は、卵巣から分泌される女性ホルモンの産生を抑制することや卵巣機能を低下させることが知られており、生殖機能の低下に加えて、閉経の時期を早めることが示されています。さらに、卵巣へ直接ダメージを与えることから、卵子の質を低下(老化)させるとともに、卵子の染色体(遺伝子)の異常を増加させます。

少し古い論文になりますが、2009年にアメリカの生殖医学学会誌Fertility and Sterilityに発表された論文によると、妊娠を希望してから妊娠に至るまでの期間が、喫煙歴がある方では喫煙歴の無い方と比較して有意に長くなることが報告されています。

不妊症と定義される1年以内での妊娠率に焦点を当てると、妊娠に至らない人の数が、喫煙歴のある方の場合、喫煙歴の無い方と比較すると約3倍以上も増加するということが指摘されています。

また、体外受精などの不妊治療を行った場合でも、喫煙歴のある方では妊娠率が約半分になると言われています。

これは喫煙によって卵巣がダメージを受けることにより、投薬をして刺激を行っても卵胞が育ちにくいことや、卵子の質の低下によって、受精率、胚発生率、着床率が低下するためです。さらに、喫煙歴のある方では、妊娠に至っても胎盤の異常や、早産、低体重出生児、流産などのリスクが顕著に増加することが報告されています。

では飲酒は・・・どうだろう?

飲酒については、適度な摂取であれば血行促進やリラックス効果があるとされており、特に赤ワインなどに含まれる抗酸化物質であるポリフェノールは卵子の質を維持すると言われております。

しかしながら、長期間に渡って過度に摂取してしまうと、内分泌系に悪影響を与え、ホルモン分泌の異常による月経不順や無月経が引き起こされて不妊症に移行してしまう他、妊娠に至っても胎児の先天的形態異常のリスクが顕著に増加するということが指摘されています。

生活習慣の改善は夫婦で一緒に

食生活、睡眠、タバコや飲酒といった生活習慣は、女性だけでなく男性に対してもさまざまな悪影響を及ぼします。

「妊娠」を希望する場合は、女性だけでなく、夫婦で一緒に生活習慣を見直していくことが肝心です。

川口 優太郎先生

川口 優太郎先生

埼玉医科大学を卒業後、総合病院勤務を経た後に、国際基督教大学(ICU)大学院博士前期課程へと進学。アーツ・サイエンス研究科にて生命科学を専攻。大学院修了後は、加藤レディスクリニック(新宿区)に勤務。同クリニックの系列病院となった中国上海永遠幸婦科医院生殖医学センターへ出向し、病院の立ち上げに携わるとともに、現地スタッフの育成・指導や培養室の運営などを行う。その後、2018年に東京都渋谷区に新規開院となった桜十字渋谷バースクリニックに培養室の立ち上げスタッフとして赴任。培養室主任を務め、指導要領の作製や培養室の運営管理とともに、生殖医療関連のセミナーにて講演を行うなど、精力的に活動。2020年に、総合的な妊活サポート行うリプロダクティブサポートファーム東京を設立し、代表に就任。

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