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【体験談】「あなたの子供を授かりたい・・・」男目線で語る、私と妻の7年の不妊治療 | Marbera
Marbera運営事務局
2019/05/06
私が不妊治療を妻と共に始めたのは、私が30歳で妻が34歳の時でした。
結婚して普通に夫婦生活をしていれば、普通に子供は授かるものだと考えていましたが、妊娠の予兆はまったく無く、何かおかしいなと感じ始めていました。
早く子供が欲しかった私達。妻は定期的に体温を測って妊娠しやすい日を選んだり、身体を温めたりするなど色々と試してみましたが、妊娠の予兆が現れる事はありませんでした。
約7年の不妊治療の戦いが始まる・・・
さっそく妻は近所の産婦人科に通い始め、この日からなんと約7年の不妊治療の戦いが始まったのです。
約半年間ほど、産婦人科に通い続けましたが原因が詳しくは解らなかったので、私達は県外の有名な不妊治療専門クリニックをネットで調べ、そこへ通う事に決めました。
産婦人科に行けば何かわかるだろう。私達も最初はそう思っていました。しかし普通の婦人病や出産の為の産婦人科医院では不妊の原因を詳しく調べる事は困難だったのです。不妊治療にはお金も時間もかかるので、子供が授からないと思ったら早めに不妊治療を専門に行っているクリニックにすぐに通う事をお勧めします。
県外の有名不妊治療クリニックへいざ!
不妊治療専門クリニックは、私の自宅からは車で約3時間以上もかかる所にありました。
妻はここに約4年間通って不妊治療にあたりました。不妊の理由は1つでは無く、様々な理由が重なって起こる為、まずは何が原因なのかという事を洗い出す事から始まりました。妻の身体を長い時間をかけて調べ、私も精子に異常がないかを徹底的に調べる事になりました。
自宅から病院まで遠い為、院内の個室で精子を出さなければならず、初めは恥ずかしさや情けなさといった色々な感情が入り混じって、何でこんなことをしなければならないのかといつも思っていました。男性の方なら抵抗感もあると思います。
様々な検査の結果、妻の不妊の原因は生まれつき卵子を子宮に運ぶ事が難しい事(卵管采が生まれつき短い)が判り、人工授精と体外受精の選択になりました。
こちらの不妊治療専門医院は、九州でも有名な医院でしたのでとても患者さんが多く、待合時間は長くて2時間以上かかりました。
先生の方針かもしれませんが、実際に先生に診察してもらう時間は5分も無く、採血や記録の確認のみで、具体的なアドバイスなどはほとんどありませんでした。
この頃の私達は、何が良くて何が悪いのか解らない状態で、只々お医者さんの言われる様にしていました。
いつ授かるかも解らない不安と高齢出産の恐怖。そして周りからの悪気の無いプレッシャー。
さらに、長い時間と多くの費用を掛けて通う産婦人科医院では、事務的に仕事をこなす先生に頼れる様な雰囲気はまったくありません。その後も数回行った人工授精や体外受精では何も結果は出ることもなく、私達の不安と不満はますます溜まるばかりでした。
そんなとき、病院からの帰り道に車で追突事故を・・・
妻の身体と心は疲れ果ててしまい、ある日、クリニックの帰り道に車で追突事故を起こしてしまいました。
それは妻もまったく無意識の一瞬の居眠りでした。
こんなにも辛い思いをしなければならないのか・・・・
私は「子供を諦めてもいいよ」と思い妻にもその事を伝えたのです。しかし、妻は自分の事や私の事、私の両親や今後の事まで考えて「どうしても子供が欲しい」と思う様になっていました。
妻もこの時の自分は、まるで鬼か夜叉になったような気持ちだったと言います。
肉体的にも精神的にも追い詰められていった妻は、ついに「離婚したい」という言葉まで口にする様になっていました。
私は妻が子供を諦める事は出来ないのは十分に解っていました。そして、年齢的にも高齢出産になってしまうという心配もありましたが、今の私達の状態では何をしてもうまくいくとは思えなかったので「一旦不妊治療を休もう」と二人で相談して決めたのです。
「ストレスを感じる事は良くない」と思い、今まで不妊治療につぎ込んできた毎月のお給料を、美味しい物を食べに行ったり趣味のドライブに充てて、これまで溜まったストレスを発散して、また新しい気持ちで治療を始めようと決めました。そしてゆっくりと時間が取れる様に、自宅から近い地元の不妊治療専門クリニックに転院を決めました。
決断。そして二度目の転院
妻は仕事をしながらの不妊治療でした。
最初の県外の医院では仕事を休んで治療に行かなければならず、同僚に迷惑をかけてしまうという精神的負担が大きかったようです。
それと同時に、母体の心身の健康の為にも地元の薬剤師の先生が行っている、食生活の見直しと漢方による体質改善の治療も同時に行っていました。
言葉には力がある
二人の先生たちはゆっくり優しく、そして丁寧にいつも治療をしてくださいました。「大丈夫!絶対に授かるよ」毎回その言葉をかけてくれるのが私達には大変ありがたく、辛い不妊治療の励みになったことは間違いありません。 薬剤師の先生から「言葉には力がある」と、教えられました。想いは口にする事でそういう風になっていく。 実はお恥ずかしながら、それまでそんな事など考えた事もなかったのでしたが、私達がそう思うようになったのは、この二人の先生のおかげでした。
先生との話し合いで、これまでの治療の経緯から人工授精では難しいだろうという事と、妻本人の「早く授かりたい」という強い希望もあって、私たちは体外受精を選択にする事にしました。しかし、通院を始めてすぐ体外受精を行いましたが結果は出ませんでした。
そこで、薬剤師の先生とじっくりと焦らず体質改善に取り組み、二回目の体外授精で戻した受精卵がしっかりと子宮に着床して妊娠が実現しました。
“想いが本当に叶った”そんな晴れやかな気分で妊娠報告のクリニックの帰り道。
ちょうどお祭りでにぎわう秋夜の街を、二人で手を繋いで歩いたときのことを今でもよく覚えています。
いま不妊で悩んでいるご夫婦へ伝えたいこと
これから不妊治療を始める人、不妊治療をしている方達には是非やってもらいたい事があります。
それは食生活の見直しです。
私達は不妊とわかる前は、お互いに仕事も忙しく、コンビニ弁当やスーパーのお総菜を買ってくるなどばかりで、あまり食べるものにこだわりがありませんでした。せっかくお金をかけて人工授精や体外受精を行っても、子宮にちゃんと「着床するかどうか」というのはどうしても母体の体質の問題になってくるからです。
時間と手間はかかりますが、昔ながらの「和食」を取り入れる事が、不妊治療中一番効果があったように思えます。お菓子やケーキの様な甘い物を極力控え、食事にはお味噌汁や納豆の様な発酵食品を取り入れる。人口調味料を使わずにお出汁を取って味付けし、素材の味を生かす様な食事作りを心がけていました。すると少しずつですが妻の平均体温が上がり、それが着床に繋がったのではないかと感じています。
それからもう一つはストレスを溜めないこと。
実はこれが一番難しいと思います。
実際、私達もなかなか結果が出ず、焦ってはいつもイライラしていました。
でもそんな時こそ、自然の多くある所に無理やりでも行くとかなり効果がありました。
風の音や木々が重なり合う音。鳥や虫の無き声をじっと聴くと、すーっと心が落ち着いてきます。特に神社は自然も多くて、その上お参りも出来ますので特におススメです。
不妊治療による制限された生活をすれば身も心も疲れてしまいます。
そこで、週に一日は不妊治療をおやすみする日、考えない日を作ると良いです。あまり根を詰めて不妊治療に取り組んでしまうと極度にストレスが溜まります。今思えば、ストレスを溜めない様に生活を整えていくことが、一番の不妊治療だったのではないか・・・と思うくらいです。
最後に、男性に向けて伝えたいこと
毎日のお仕事の上に不妊治療という問題は夫婦にとっては大変な重圧です。日本の社会や企業は、不妊治療は女性の問題という考えがまだまだ根強く、男性側が協力的ではないのが現状です。実際に私も不妊治療中には無理を言って会社を休んだり、有給を取ったりして夫婦でクリニックに通いました。
そんなことをすれば収入が減ったり、会社内での立場が悪くなったりするのでは?とお思いでしょう。 でも、そんな事よりも、あなたの隣で、身も心も削りながら「あなたの子供を授かりたい」と願っているパートナーの事を良く良く考えて下さい。そして常に寄り添って支えてあげて下さい。
ほんとうに、こんな事くらいしか男にはできないのです。
会社はあなたが居なくても大丈夫です(究極は)でも、パートナーにはあなたしかいないという事を常に心に想って、二人で不妊治療に取り組んで欲しいと思います。
不妊治療体験者として、不妊治療中の方に頑張って下さいねなんて気軽には言えません。どなたも本当に頑張っているのは良く解りますから。でも、ちょっとだけ心に余裕を持つようにしてほしいなって私からはアドバイスです。
どんな結果でも、ご夫婦二人にとっての幸せにつながる様に。心からそう祈っております。
(30代男性 Yさん)
Marbera運営事務局