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胚移植前に適した過ごし方のポイントや参考になるブログ | Marbera
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2021/01/21
体外受精の胚移植までの流れ
体外受精は不妊治療の中でも高度不妊治療に分類される治療法で、IVFと呼ばれることもあります。女性の体内で成熟した状態の卵子を取り出し、体外で精子と受精させてから子宮内に戻す方法です。卵子を取り出す採卵までには体の状態や複数の卵子を取るという目的のために注射や経口薬を使用して卵巣を刺激する場合もあり、刺激の方法は様々です。
また、受精方法にも卵子に複数の精子をふりかけのようにかけて受精を待つ方法と、顕微授精(ICSI)といって卵子の卵細胞質に精子を直接注入する方法があります。体外受精を経て無事に受精した受精卵を2~3日育てて体内に戻すことを新鮮胚移植(ET)、5~6日育てて胚盤胞という状態にし、一度凍結して次周期以降に体内に戻すことを凍結胚盤胞移植といいます。
さらに、移植周期には自然な排卵にあわせて胚移植を行う自然周期法、ホルモン投与によって内膜の状態をコントロールしながら行うホルモン補充法があり、こちらもホルモンの状況やスケジュールの希望に併せて選択することが可能です。
胚移植前の過ごし方で妊娠率は変わる?
このように体外受精のいくつものステップの中で高度な技術やいろいろな薬を必要とすること、また、現在の日本では不妊治療が健康保険の適用外であることから、その費用はとても高額です。妊娠を望む人にとって、不妊治療はメンタル的にも身体的にもつらいものですが、体外受精になるとさらに費用の負担が大きく、成功のためにできることはなんでもしたいと考える女性は大勢います。
体外受精が成功するかどうかは、卵子や精子の状態、それに伴う受精卵の状態、ホルモンバランスや子宮の環境など、とてもたくさんの要因が関係してきます。そのため、移植前や移植後の過ごし方のみで結果を大きく左右することはできません。ただし、体に負担がかかることなどが着床の妨げになる可能性はあるため、できるだけ良い状態で受精卵を迎えられるように、胚移植前の過ごし方のポイントを理解しておきましょう。
胚移植前の過ごし方
まず、採卵前、胚移植前、胚移植後と、それぞれの周期に何をしたらよいか、また、何をしてはいけないか、というのは医師によっても見解が異なるということを覚えておいてください。ここでは、なかでも比較的多くの医師が伝えている内容をピックアップしました。
胚移植した受精卵が着床し、妊娠が成立するためには安定的にホルモンが分泌されることが重要です。安定的にホルモンが分泌される状態を作るために、次のようなことに注意しましょう。
ストレスを軽減する
大きなストレスを感じると、排卵が抑制されてしまったり、妊娠に良い影響を与える女性ホルモンが十分に分泌されなくなったりする可能性があります。たとえば引っ越しや転職などの環境の変化で生理周期がずれるのもこれが原因のひとつなのです。自分自身が苦痛に感じることはもちろん、苦痛を伴うものではなくても大きな変化で無意識に気を張っている状態などが続くと、体にとってはストレスがかかっている状態です。
とはいえ、不妊治療を受けていること自体女性の負担は大きく、ストレスが全くない状態で移植に挑むというのはとても難しいことです。運動や友達との交流など、日頃からストレス解消に役立つことを自分なりにみつけておくと良いでしょう。また、不妊治療専門のクリニックでは、カウンセリングを実施していることもあります。不妊治療の悩みを気兼ねなく話すことができるカウンセリングを上手に活用してみるのも良い方法です。
Marberaにも日本不妊学会のカウンセラーや不妊症看護認定看護師が在籍しており、カウンセリングを行うことができます。
適度な運動をする
移植前だからと過剰な運動をするのは体に負担になりますが、適度な運動は大切です。妊娠のために体を温めることが重要だと考える人はたくさんいます。けれども、衣類や飲み物などに気を遣っても、血流まで改善することは簡単なことではありません。子宮や卵巣の環境をよくするためには血行を良くして血液をしっかり循環させることが重要です。
家庭や仕事と不妊治療を両立させる中で無理して運動の時間を作るのではなく、エスカレーターやエレベーターを使わずに積極的に階段を使うようにしたり、スクワットやステッパーなど家でいつでもできる運動を取り入れたり、10分でも良いのでコツコツと続けられる運動方法を見つけてみましょう。
カロリーと栄養バランスを考えた食事をする
妊娠を希望する人におすすめの食事内容として、多くの医師が低糖質高タンパクをすすめています。これは、卵子の基本的な成分がタンパク質であることも関係しています。ただし、摂取カロリーが少なくなりすぎたり、炭水化物を一切抜くなどした結果栄養バランスが大きく崩れたりするのも体に負荷がかかります。
食事量自体が極端に減ってしまうとカロリーも比例して減ってしまうことが多いので注意が必要。低糖質高タンパクを心がけつつ、肉や魚、野菜などをしっかり食べ、必要なカロリーや栄養が不足しないようにしましょう。
禁煙する
妊活や不妊治療をしている人のなかには、喫煙が不妊の原因のひとつとなることをご存知の方は多いでしょう。「移植前や移植後は特別なことをせずに、日頃と同じように過ごせば良い」という考えの医師も多いのですが、どんな医師でも「喫煙だけは1本でもやめてほしい」というほどです。
実際、喫煙者の体外受精成功率は喫煙していない人に比べて半分ほどになるという研究結果もあるほどです。移植に向けて、喫煙習慣のある人はまず禁煙に取り組みましょう。また、驚くべきことにパートナーが喫煙者であり副流煙を吸い込んでしまうことが多い場合でも、やはり成功率は半分ほどになるようです。不妊治療は夫婦ふたりで取り組むものだということをしっかりと伝え、パートナーにも禁煙してもらうのがベストです。
きちんと睡眠をとる
不妊治療を専門としている医師の多くが推奨しているのが、十分に睡眠をとることです。睡眠時間が少なすぎるとホルモンの分泌量が少なくなることがあります。できれば8時間を目安にしたいところですが、どうしても難しい場合には普段より少しでも早くベッド入るようにしましょう。
また、就寝の1時間前までに入浴をすませる、寝る直前にカフェインをとらないようにするなどの工夫で睡眠の質の向上に取り組むのもおすすめです。
胚移植前の過ごし方が書かれているブログ
不妊治療に関しては様々な情報が存在するため、調べれば調べるほど答えがわからなくなってしまうこともあります。実際に体外受精を経て妊娠した人や医師のブログから、移植前の過ごし方に関するヒントを見つけ、参考にしてみるのも良いでしょう。
ここでは、参考になるブログをいくつか紹介します。
●加藤貴子さんのブログ
https://ameblo.jp/takaco-blog/
女優の加藤貴子さんは体外受精を経ての出産をカミングアウトしている女性のひとりです。42歳から不妊治療を始め、3度の流産を経験して42歳で第一子を、44歳で第二子を体外受精にて出産しています。
加藤貴子さんのブログでは、採卵後、胚移植までに夫婦で心がけることや夫婦生活について医師から伝えられた具体的なアドバイスの内容などが書かれています。
●岡山二人クリニックのブログ
https://ameblo.jp/futari929/entry-12530631761.html
岡山県にある不妊治療専門のクリニック、岡山二人クリニックのブログです。胚移植周期に入る前にできる検査などを具体的に紹介しています。特定のホルモンや栄養素が不足している場合には、移植に向けてサプリで補う場合もあり、検査結果によって移植前の注意点が変わることがあります。
不妊治療で行われる検査は医師から積極的に勧められるものばかりではないため、万全の状態で挑みたい人や何度か体外受精をしているものの結果に結びつかない人は一度検討してみるのも良いでしょう。
●リプロダクションクリニック東京のブログ
https://ameblo.jp/reproductionclinic/entry-12601686651.html
東京にある不妊治療専門クリニック、リプロダクションクリニック東京のブログです。こちらのブログでは、妊活中全般のことや胚移植後のことなど、治療のステージにわけてOKなこと、NGなことを具体的に解説しています。
胚移植前は無理なくできることから取り組んで
残念なことに、自分の生活習慣によって不妊治療の結果を大きく左右することは難しいのが現実です。しかし、わずかでも成功の可能性をあげるためにできることがないわけではありません。もちろん、肩に力を入れすぎてしまってストレスが大きくなってしまうのも良くないこと。趣味の時間を楽しむなど、適度に不妊治療のことから離れる時間も作りつつ、できることから無理なく取り組んでみましょう。
ベビmatchには、胚培養士の方が書いた採卵前や移植後の過ごし方に関する記事もあります。こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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