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不妊治療の孤独感を解消するために大切なこと | Marbera

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2021/02/01

不妊治療中に孤独感を抱えている女性は多い

不妊治療におけるメンタル面での負担のひとつに、孤独感が挙げられます。ロート製薬による調査では、妊活中につらいことというアンケートに対して「孤独感」と回答した女性は約30%にものぼります。同様のアンケートを取っても、孤独感がつらいという回答は男性より女声のほうが圧倒的に多く、そもそも孤独に感じているということさえパートナーに理解されないということも、夫婦間での大きな壁となります。

不妊治療を孤独に感じてしまうポイント

不妊治療のどんなシーンで孤独さを感じるかというのは人によって違います。しかし心の負担を軽減するためには、漠然と孤独さを抱えているよりも、自分が何に対して孤独さを感じてしまうのかを知ることで、考え方をどう変えていけば良いのかという対処法が見つかることもあります。

ここでは不妊治療の中で孤独に感じることが多いことの具体例をいくつか紹介します。

治療に対してパートナーとの温度差がある

男女双方に何らかの原因がある場合も含めると、不妊の原因が男性にあるというケースは全体の不妊症の約半数にものぼると考えられています。

しかし男性の中には、妊娠や不妊という問題は女性特有のものだと感じている人もいます。男性の不妊原因を調べるためには精子の検査を行わなければならないこともあり、多くの男性にとって不妊検査自体ハードルが高いものでもあります。そのため、パートナーがなかなか検査を受けてくれない、どこかで自然妊娠が可能だと考えているためステップアップに積極的ではないなど、治療への積極さに温度差を感じているというケースも多々見受けられます。

また、たとえば高度不妊治療である体外受精などを実施する際には、男性不妊が原因だとしても通院や投薬などの治療では女性がメインになるケースも多いものです。一ヶ月のうちで何度も検査や投薬をする女性は卵子や卵巣の状態を常に目の当たりにするため、日頃の食生活など生活習慣にまで気を配るようになりがちです。それに対して、なかなか自分ごととして考えられない男性だと、生活習慣の改善や不妊治療に対する情報収集に積極的になれないことがあり、これも女性側には温度差があるように感じられることもあります。

不妊治療のことを話せる相手が少ない

不妊治療は、同じ女性であっても実際に受けたことがない人にはあまり実態が知られていません。人工授精や体外受精のことを漠然と知っている人は増えましたが、実際の治療においてどんな投薬があるのか、どんな頻度で通院するのかなど、詳しいことまで理解している人はほんの一部です。

不妊治療のつらさを伝えたくても、そのためには細部まで説明する必要があり、それ自体が負担になるため諦めてしまった経験はありませんか?それ以外にも、「そんなにお金をかけなくても」「諦めた頃に妊娠するよ」など、不妊治療を経験したことがない人が優しさのつもりで言ってくれる言葉でも、当事者にとっては心を痛めてしまう原因になることもあります。

また、不妊治療はとてもデリケートな問題です。思うように妊娠できないことで自分の体に欠陥があるかのように感じてしまう女性もいれば、パートナー側に原因があるため相手の気持ちを考えると他人には話しにくいと感じる人もいます。

このような背景から、家族や友人にさえ不妊治療のことを話すことができない、もしくは話すことを段々とやめてしまったというケースも多いものです。

妊娠できないのが自分だけのように感じる

不妊治療中は、ホルモン剤を処方されていることも多いため、副反応として自律神経のバランスを崩すこともあり、いつもより情緒が不安定になりがちです。それでなくても、金銭的にも肉体的にも負担を抱え、さらには育児や仕事との両立のために時間をやりくりしなければならず、心が疲れがちになるのは仕方のないことです。そんなふうに心が疲れてくると、思考回路がネガティブに偏ってしまうことがあります。

そんなときに知り合いや友人の妊娠報告を聞くと、まるで自分だけが妊娠できないように感じてしまうことも。祝福しなければならないときに羨んでしまう気持ちや、悲しくなってしまう気持ちが湧き上がり、妊娠報告に複雑な思いを抱えている人は少なくありません。

不妊治療の孤独さを解消するための対処法

ここまででお伝えしてきた「孤独感」の具体例は、あくまでもほんの一例でしかありません。しかし、孤独感の原因はひとつとは限らないので「なんとなくわかる‥」と共感してしまうことがあれば、それを解決することで少しずつ気持ちが軽くなっていくかもしれません。

上でご紹介した原因に対して、どのような対処法があるのか具体策をお伝えします。

パートナーと話し合う

治療への向き合い方や不妊治療のつらさについて、パートナーの理解を深めるためには、やはり話し合うのが一番です。何度も話をしてきて理解し合うことを諦めてしまったり、子供を望んでいるのは自分だから仕方がないと思っていたりする人も、もう一度次のポイントに注意しながら話し合う場を設けてみてはいかがでしょうか。

話し合いのポイントは、次の3つの点を明確にすることです。

  • 何が負担になっているのか
  • 何をしてほしいのか
  • 何をしてほしくないのか

女性に比べて不妊治療の当事者意識が薄いことが多い男性の場合、ひとつひとつを具体的に伝えないとわからないことが多いのです。どんなことがつらいのか、それに対して具体的に何をしてほしいのか、また、何をしてほしくないのかということを事前に整理して伝えましょう。

注意すべきは、感情的にならないこと。後ろめたい気持ちや恥ずかしい気持ちがあったり、当事者意識が少ないときに感情のままに話してしまうと、自分ごとだから理解すべきという気持ちよりも、ただ感情をぶつけられているだけのように誤解されてしまうことがあります。

SNSなどを活用して励まし合う仲間を作る

実際の生活の中で話せる相手がいない場合には、SNSなどを活用して治療仲間を作るのも良い方法です。ただつらさを吐き出すだけでも気持ちが軽くなる上に、他の人の悩みやつらい気持ちを見ると「自分ひとりではない」と感じられるきっかけにもなります。

ただし、すべての人が自分の価値観に合う人ばかりではないことや不要な情報から身を守る方法も考えておいてください。たとえば同じステージの治療を受けている人としかコミュニケーションしたくない、と考えている人もいるので相手のプロフィールはしっかり確認しましょう。たくさんの治療仲間がみつかるということは、それだけ治療を経て妊娠していく人に接する機会も増えるということでもあります。誰かの妊娠を見て複雑な気持ちになる自分を否定するのではなく、そんなときはしばらくSNSから離れるなど、無理なくできる自衛の方法を考えてみてください。

不妊カウンセラーを活用する

不妊治療に関わることとはいえ、メンタルケアはメンタルケアで切り離し、プロの力を借りるという手もあります。たとえば不妊治療専門のクリニックには、不妊カウンセラーのカウンセリングが受けられるところもあります。

その他にも、各都道府県や都市で不妊専門相談センターを設置していることもあります。ここでは、不妊に関する専門的な相談だけでなく、不妊で起こる心の悩みについて相談することも可能です。詳しくは厚生労働省の不妊専門相談センター事業に関するページを参考にしてください。

不妊治療の孤独感は「我慢」以外にも解決法がある

不妊治療というのは、体の状態や環境など、総合的に考えれば個人個人がすべて異なる問題を抱えているものでもあります。自分と全く同じという人は誰一人と存在しないため、孤独を感じやすい闘いなのかもしれません。

しかし、不妊治療で感じる孤独感やメンタル面でのつらさは我慢するしかないと決めつけてしまう必要はありません。専門家の手を借りたり、インターネットの便利さを活用したりすることで、気持ちが軽くなる場合もあります。通院回数が多くなると、毎日不妊治療のことばかり考えがちですが、治療から離れて趣味の時間を作ってみるなど、上手に距離をとりながらストレスを少なくしていきましょう。

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