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なぜ妊娠しないの? 男女の不妊原因を知ろう! | Marbera

Marbera運営事務局

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2023/03/15

ふたりでこんなに頑張っているのに、なぜ妊娠しないの?
……そう思ってしまいますよね。

教科書的になってしまいますが、不妊の状態によって呼び方が違います。
一度も妊娠したことがない状態を「原発性不妊」、一度は妊娠したことがある状態を「続発性不妊」と言います。
病院を受診すると、カルテに記入されることがありますので、驚かないでくださいね。

不妊の原因に男女差はあるのか?

不妊の原因はいろいろです。
女性側、男性側と性別の違いにも原因があります。

WHOの発表では、女性の原因が約41%、男性の原因が約24%、両方に原因のある場合が約24%、原因不明のものは約11%です。
不妊は女性の問題と思われがちですが、男女比は半々ということになります。

女性側の原因

1)排卵がうまくいかない場合

排卵がうまくいかない場合は、無月経や不規則な排卵、基礎体温を測定すると高温期が短い状態になることが多いです。
この場合、基礎体温を測定することで、排卵があるかどうかがわかります。
最低でも3か月は測定してから、病院受診をお勧めします。

基礎体温は排卵の有無だけでなく、月経周期、高温期の長さなどから原因を予測することができます。
排卵がうまくいかない場合、排卵を誘発する飲み薬や、注射を使用して治療します。

2)卵管に問題がある場合

卵管はとても大切で、精子、卵子、胚(成長した受精卵の初期の状態)が移動する場所です。
トンネルのようになっていて狭いところもあります。

卵管に問題がある場合は、トンネルがさらに狭くなったりつまったりすることで、精子や卵子が出会えなくなること、また胚が移動しづらくなっていることが原因と考えられます。

また卵管は、感染症や子宮内膜症などで腹腔内と癒着し、卵管の動きが制限されることがあります。
そうなると卵巣から排卵された卵子を卵管内に取り込めず、不妊の原因となります。

卵管のつまりを解除するために、FTカテーテルを使用した手術や、卵管周囲の癒着を剥離する腹腔鏡による手術で治療ができます。
それでも上手くいかない場合は、体外受精での治療が可能です。

3)子宮に問題がある場合

子宮は胚(受精卵)が着床し、胎児が発育する場所です。
子宮内にポリープや子宮筋腫があると、胚の着床を妨げてしまいます。

また流産手術を繰り返すことで子宮内腔が癒着を起こしたり、子宮内膜が薄くなったりすると着床しにくくなります。
治療としては、子宮鏡下でポリープや子宮筋腫を切除したり、子宮内の癒着を剥離します。

4)頸管粘液の異常

排卵が近くなると、子宮頸管は水曜透明な頸管粘液でいっぱいに満たされます。
これは、精子が子宮内に侵入しやすくなるためです。頸管粘液の状態が良くないと、精子は子宮内に進入できず、それが不妊の原因になります。

また、人間には細菌やウィルスなどの外的と闘い、自分を守るための「免疫」を持っています。
簡単に異物が進入しないようにするための大切な仕組みです。

中には「抗体」という免疫の力で、精子を攻撃してしまうことがあります。
抗精子抗体と言います。
この抗体を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管内で抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が失われ、子宮内または卵管まで到達することができず、卵子と出会うことができなくなります。
そのために妊娠できないのです。

5)受精障害

受精とは、卵子の中に精子が進入し、融合して起こります。
卵子もしくは精子自体に問題があり、受精できない場合を受精障害といいます。

卵子側の要因として、卵子を覆っている透明帯が固いなどの異常や、卵子そのものの質の低下など、機能的な異常がある場合に受精障害が起こることがあります。
精子側の要因として、運動性の低下などの異常やDNA損傷など機能的に異常がある場合に、受精障害が起こることがあります。
ただし、受精障害は検査で分かるものではありません。

男性側の原因

冒頭に記載したように、男性側の原因は約48%とされています。
造精機能障害、精路通過障害、性機能障害などがその原因と言われています。
1つずつ説明していきます。

1)造精機能障害

精子を製造する能力に問題がある場合をいい、男性不妊の約80%とされています。
精子の数が少ない、または無い、あるいは数はあっても精子の運動性が悪いなどで妊娠しづらくなります。

中でも精索静脈瘤は、精巣周囲の血管がうっ滞することで精巣内の温度が上昇し、精子の数や運動性が低下することが分かっています。
一般男性の15%、男性不妊症の40%、二人目不妊では78%に認められると言われています。

手術をすることによって精巣の機能が改善し、精子の数や運動性が上昇するという報告も多数見られています。その他、染色体や遺伝子の異常が約10%、原因不明は約42%あります。

2)精路通過障害

生み出された精子が、ペニス(陰茎)の先までの通り道において、何らかの原因で運ばれない場合を言います。
この場合、射精はできています。
例えば過去にお腹の手術の既往があったり、精巣上体炎などの炎症があったりして精管がつまっていることもあります。

3)性機能障害

勃起障害(ED)や膣内射精障害など、性行為で射精できないことをいいます。
刺激の強すぎるセルフプレジャーでできない場合もあります。

しかし、一般的には仕事のストレスに加え、妊活をはじめたことによるストレスや、性交の日を指定されるなどの精神的なプレッシャー等が原因で、射精できなくなることがあります。
中には、糖尿病などの病気が原因のこともありますので、肥満の方はそちらも気をつけなければいけません。

性別にかかわらない原因

1)加齢によるもの

男女とも、加齢により妊娠する力(妊孕性)が低下することが分かっています。
男性は35歳を過ぎると精子の質の低下やDNAの損傷を起こすと言われています。
女性は40歳を過ぎると急速に減少します。

まとめ

不妊の原因はひとつだけではなく、複数が絡み合って起きていることがあります。
検査でわかる原因ならば、しっかり説明を受けることで自分の身体の状態がわかります。

それを理解したうえで治療をどうするか、どこまで受けるかなどをご夫婦で考えることができます。
その一方ではっきりした原因もなく、治療を続けていてもお子さんが授からないこともあるという現実も理解しておきましょう。

不妊症看護認定看護師・助産師 阿部監修

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