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今は予定がなくても、妊娠出産を視野に入れた人生設計(ライフプランニング)をしてみよう!

2023/07/28

佐藤 繭子先生

佐藤 繭子先生

今は予定がなくても、ライフプランニングが必要な5つの理由

1.目標を持ち、充実した人生を送ることができるようになる

ライフプランニングとは、将来の目標や夢を具体化し、それに向かって計画的に行動することを意味します。
目標を持つことで、人生の方向性が明確になり、自分自身のやりたいことや達成したいことに集中することができます。
それにより、充実感や達成感を得ることができるでしょう。

 

2.ライフイベントによる不確実性への対応がしやすくなる

人生には様々な不確実性があります。結婚、出産、キャリア、健康、老後など、未知の出来事や困難に遭遇する可能性があります。しかし、ライフプランニングを行うことで、それらの変化や困難に対応しやすくなります。
計画を立てることで、不確実性に対する備えをし、より安心して未来を迎えることができます。

 

3.現在の満足と将来の幸福を両立させるために!

ライフプランニングは、現在の生活を大切にしつつ、将来の幸福を考えるバランスの取れた生き方を支援します。
今は将来は結婚しないと考えていても、将来どのように状況が変わるかわかりません。
無理なく長期的な視野を持つことで、自分や家族の幸せを考えた生活を送ることができます。

 

4.資産や自分自身の健康管理の重要性に気づくことができる

ライフプランニングには、自分自身の資産や健康の管理が含まれます。出産を希望する・しないに関わらず、経済的な安定や健康な体を保つことは、人生を安心して楽しむために不可欠です。自分の身体の生物学的特徴を知り、あらかじめリスクを知っておくことは重要です。その上で計画を立てることで、将来のニーズに備えるための貯蓄や保険、予防的な健康管理を自ら行うことができます。

 

5.家族やパートナーとのコミュニケーション強化につながる

ライフプランニングは、家族やパートナーとのコミュニケーションを強化する良い機会でもあります。今、既に結婚をしていてパートナーがいる場合や、結婚を考えている相手がいる人は、共通の目標を持つことで、お互いの希望や意見を理解し合い、協力して未来を築くことができます。

ライフプランニングは自分や家族の未来を明るくするために非常に重要な要素になります。将来の希望や目標を明確にし、現在の満足と将来の幸福を両立させるために、計画的に取り組んでみませんか。


Marberaには相談できる助産師、不妊症看護認定看護師が在籍しています。
ライフプランニングを立てたいときは是非相談してくださいね。保健介入できるのがMarberaです!

 

1)文部科学省.高校生のキャリア形成支援教材「高校生のライフプランニング」 
2)厚生労働省.SMART LIFE PROJECT 「プレコンセプションケア」をみんなの健康の新常識に
3)荒田尚子.女性の健康支援プレコンセプションケアとは 日本産婦人科医会記者懇談会資料.2020.

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最近話題の睡眠の質。不妊にも関係している!?

2023/04/15

川口 優太郎先生

川口 優太郎先生

前回まで、ストレスが妊娠に及ぼす影響について、食生活などの生活習慣が深く関係していること、そして、正しい知識の下に改善を図っていくことで、健康な身体を作り妊娠率を向上させることができるとお伝えしました。

全国健康保険協会(協会けんぽ)のHPでも、生活習慣の改善方法として、「適度な運動を心がける」や、「禁煙は今すぐに!」「主菜は肉よりお魚を」などいくつかの改善案が示されています。
中でもストレスに直結するものとして挙げられているのが『睡眠の改善』についてです。

今回は、睡眠の質と不妊症の関係性について、最新の研究論文をいくつかご紹介しながらお話ししていきたいと思います。

睡眠の質が健康に与える影響

実は、過去半世紀の間に現代人の平均睡眠時間は1時間以上も短くなっていると言われています。
そして睡眠不足が生活習慣病のリスクを高めることが指摘されています。

当たり前ですが、睡眠時間が短くなると覚醒している時間が長くなるので、覚醒状態の時に活発になる交感神経が優位になります。

交感神経が優位になると緊張状態が作り出され、血圧が上昇するため、高血圧のリスクが高くなります。
また覚醒状態は食欲をコントロールする機構にも作用して、満腹中枢を鈍らせることが知られているため、肥満や糖尿病のリスクも増大します。

睡眠の質と不妊に関する研究

生殖医療の分野においても、“睡眠の質”が“卵子の質”に深く関係していることや、睡眠を著しく妨げる騒音環境が不妊を招く可能性があることが示唆されています。

2017年に、アメリカの生殖医学学会誌Fertility and Sterilityに発表された研究によると、「睡眠の質が低下すると卵子の質も低下する」という可能性が報告されています。

睡眠の質と卵子の質

この研究では、体外受精を行っている患者さんに睡眠の質についてのアンケート調査を行い、A群(良好な睡眠が取れている)、B群(やや睡眠不足である)、C群(重度の睡眠障害がある)の3つのグループに分けて、それぞれの患者さんの体外受精成績を比較検討しました。
すると、睡眠の質が悪いグループほど卵子の受精率が有意に低く、胚の発生率も有意に低かったと報告しています。

また、睡眠の質の段階が良くなるにつれて卵子の受精率や胚の発生率が上昇し、睡眠の質と治療成績が比例関係であったことなどから、睡眠の質が卵子の質に何らかの影響を与えている可能性が高いと考察しています。

夜間の騒音と不妊

睡眠の質と言っても、ただ単に睡眠時間が長ければ良いということでは無いようです。

環境汚染分野などの研究をまとめた国際学術誌Environmental Pollutionに発表されている論文によると、夜間の騒音環境への長期的な暴露が、不妊症と密接に関係していると指摘しています。

そもそも『騒音』は、世界保健機構(WHO)でも環境汚染の一つと認定されており、先行研究から、循環器系疾患や精神疾患などの健康問題と深く関連していることが指摘されています。
また、産婦人科分野に焦点を当てると、長期間の騒音環境への暴露によって、流産や早産が引き起こされる可能性も数多く報告されています。(※International Journal of Environmental Research and Public Health, 2014 Aug; 11(8): 7931–7952. Gordana Ristovska博士らの研究ほか) 

騒音が不妊症の原因に!?

韓国のソウル大学で予防医学を研究しているKyoung-BokMin博士らの研究チームは、55dBという比較的低レベルの騒音でも、長い期間に渡って暴露されると、不妊症を発症する原因になると指摘しています。

55dBとは、WHOが定める夜間騒音レベルで、真夜中に家の前を車が「サーッ!」と走り抜けていく音がだいたい55dB程度と考えてください。

Kyoung-BokMin博士は、韓国の国民健康保険データベースから対象者をランダムに抽出し、National Noise Information Systemが報告している騒音レベルに関するデータを下に、騒音レベルと騒音への暴露期間の調査・分析を行いました。

すると、長期間に渡って55dB以上の騒音に曝された人ほど、不妊と診断される可能性が有意に高く、夜間に騒音にさらされていた人ほどその傾向が大きかったとしています。

リラックスできる睡眠環境が大切

夜間に騒音にさらされることが不妊の原因となる可能性については、先述にある通り、眠りが妨げられることによる睡眠の質の低下や、心身に加わるストレスが深く関わっていることが考えられます。

Kyoung-BokMin博士は、「不妊には、環境汚染など普段生活する上での予期せぬ問題が悪影響を与えている可能性が高く、近年、公衆衛生上の大きな問題になっている」と述べるとともに、「他の動物種では、高い騒音レベルの環境に暴露されることで繁殖力に悪い影響を及ぼすことが示されていたが、この研究では、初めてヒトの不妊症と環境騒音との関連性(危険性)を示したものである」としています。

夜眠っている時に、「ピーポーピーポー」と救急車がサイレンの音を響かせながら家の前を通ったりすると、ついつい目を覚ましてしまったという経験がある方もいらっしゃるかと思います。
そういった眠りを妨げる騒音への暴露こそが、不妊の原因となっているかもしれません。

静かでリラックス出来る環境が、健康にも妊娠にも良い働きをすることは間違いなさそうです。

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不妊症は女性の問題? 不妊症検査を夫婦で受けるべき理由

2023/04/01

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

「もしかして私、不妊症かも?」と悩みや不安を抱えている方、もしあなたが赤ちゃんを望んでいて、避妊をせずに普通の夫婦生活を行っているにも関わらず、1年以上が経過していても挙児を得られていないのならば、あなたは不妊症かもしれません。

この“1年以上が経過”という期間には、具体的な理由があります。

日本産科婦人科学会の報告によると、一般的に避妊をせずに普通の夫婦生活を送った場合、1年以内の期間で全体の約80%の夫婦が妊娠に至り、2年以内の期間では約90%が妊娠に至ると言われているためです。

しかしながら近年、女性の社会進出や活躍推進が著しく進む一方で、晩婚化などの社会的な背景などもあって、この不妊症に悩む患者さまが年々増加しています。

2017年に報告された日本産科婦人科学会による統計では、6組に1組のカップルが不妊症に悩んでいると言われており、患者数はおよそ55万人以上と推計されています。

不妊症とは

一言に“不妊症”といっても、その原因はさまざまです。
ひとむかし前では、「子どもができない」と言うと「女性の問題だ!」という風潮がありました。
日本では今なお、そうした考え方が根強く残っています。

私のクリニックに来院されている患者さまの中にも、そういった考え方の旦那さまが少なくはないのですが、実のところそうではありません。

不妊症の原因は大きく、

  1. 女性側の要因
  2. 男性側の要因
  3. 夫婦両方の要因

に分けることが出来ます。

女性側の要因の主なものとしては、卵巣(卵巣機能障害など)、卵管(卵管狭窄、卵管癒着など)、内分泌系(ホルモンの異常、月経障害など)、子宮(子宮筋腫、子宮内膜症など)が挙げられます。

反対に男性側の要因の主なものとしては、造精機能(無精子症、乏精子症など)、精巣(精路障害など)、内分泌系(ホルモンの異常など)、性交障害(勃起障害〈ED〉、射精障害など)が挙げられます。

不妊症の原因としてそれぞれが占める割合は、女性側だけに原因がある場合が約4割強、男性側だけに原因がある場合が約3割、そして、そのほかが夫婦両方に原因がある場合と言われています。

つまり男性側ならびに夫婦両方に原因がある場合を合算すると、不妊を主訴とする夫婦の約半数は男性側に原因がある可能性が高く、不妊症は「女性の問題だ!」で済む話ではないです。

正確に原因を把握することが重要

だからこそ、不妊症の検査は夫婦で受けることが非常に重要です。
不妊症の検査は、赤ちゃんを授かるためのファーストステップになります。

何が障害物となって赤ちゃんを授かることが出来なかったのか、血液検査、超音波検査、精液検査などを行って調べていきます。

中には検査を受けてもこれといった原因を特定することが出来ない場合があります。
この場合は、原因不明不妊(機能性不妊)と定義されます。

(※原因不明不妊の場合は、精子・卵子を人の手で受精させる体外受精治療を行うことで、はじめてその原因が判明することがあります。)

不妊治療の方法

不妊に対する治療の方法としては、それぞれの原因に沿って進められますが、一般的にはタイミング療法からスタートして徐々に高度な治療方法へ切り替えていく場合がほとんどです。

一方で、例えば卵管の癒着や狭窄がある場合などには、先にそれらの不妊要因を取り除いてから治療を進めていくこともあります。

赤ちゃんを望んでいるにも関わらず、なかなか妊娠しないという場合には、なるべく早い段階で専門の機関を受診することが大切です。

身体的要因以外の不妊症

近年増えている不妊症の原因の一つに、夫婦間のセックスレスがあります。

セックスレスは、1カ月以上の期間、夫婦間で性交渉がない状態と定義されています。
日本産科婦人科学会の調べによると、近年では年齢にかかわらずセックスレスの夫婦が増加傾向にあると報告されています。

セックスレスになってしまうと、当然、自然に妊娠することは困難です。
女性側、男性側ともに身体には何も問題が無くても、精神的な原因から不妊症を招いていることになります。
この場合には、夫婦両方に精神的なケアを行っていく必要があります。

不妊症は決して女性だけの問題ではありません。赤ちゃんを授かるためには、さまざまな問題に夫婦で向き合うことが必要なのです。

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なぜ妊娠しないの? 男女の不妊原因を知ろう!

2023/03/15

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

ふたりでこんなに頑張っているのに、なぜ妊娠しないの?
……そう思ってしまいますよね。

教科書的になってしまいますが、不妊の状態によって呼び方が違います。
一度も妊娠したことがない状態を「原発性不妊」、一度は妊娠したことがある状態を「続発性不妊」と言います。
病院を受診すると、カルテに記入されることがありますので、驚かないでくださいね。

不妊の原因に男女差はあるのか?

不妊の原因はいろいろです。
女性側、男性側と性別の違いにも原因があります。

WHOの発表では、女性の原因が約41%、男性の原因が約24%、両方に原因のある場合が約24%、原因不明のものは約11%です。
不妊は女性の問題と思われがちですが、男女比は半々ということになります。

女性側の原因

1)排卵がうまくいかない場合

排卵がうまくいかない場合は、無月経や不規則な排卵、基礎体温を測定すると高温期が短い状態になることが多いです。
この場合、基礎体温を測定することで、排卵があるかどうかがわかります。
最低でも3か月は測定してから、病院受診をお勧めします。

基礎体温は排卵の有無だけでなく、月経周期、高温期の長さなどから原因を予測することができます。
排卵がうまくいかない場合、排卵を誘発する飲み薬や、注射を使用して治療します。

2)卵管に問題がある場合

卵管はとても大切で、精子、卵子、胚(成長した受精卵の初期の状態)が移動する場所です。
トンネルのようになっていて狭いところもあります。

卵管に問題がある場合は、トンネルがさらに狭くなったりつまったりすることで、精子や卵子が出会えなくなること、また胚が移動しづらくなっていることが原因と考えられます。

また卵管は、感染症や子宮内膜症などで腹腔内と癒着し、卵管の動きが制限されることがあります。
そうなると卵巣から排卵された卵子を卵管内に取り込めず、不妊の原因となります。

卵管のつまりを解除するために、FTカテーテルを使用した手術や、卵管周囲の癒着を剥離する腹腔鏡による手術で治療ができます。
それでも上手くいかない場合は、体外受精での治療が可能です。

3)子宮に問題がある場合

子宮は胚(受精卵)が着床し、胎児が発育する場所です。
子宮内にポリープや子宮筋腫があると、胚の着床を妨げてしまいます。

また流産手術を繰り返すことで子宮内腔が癒着を起こしたり、子宮内膜が薄くなったりすると着床しにくくなります。
治療としては、子宮鏡下でポリープや子宮筋腫を切除したり、子宮内の癒着を剥離します。

4)頸管粘液の異常

排卵が近くなると、子宮頸管は水曜透明な頸管粘液でいっぱいに満たされます。
これは、精子が子宮内に侵入しやすくなるためです。頸管粘液の状態が良くないと、精子は子宮内に進入できず、それが不妊の原因になります。

また、人間には細菌やウィルスなどの外的と闘い、自分を守るための「免疫」を持っています。
簡単に異物が進入しないようにするための大切な仕組みです。

中には「抗体」という免疫の力で、精子を攻撃してしまうことがあります。
抗精子抗体と言います。
この抗体を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管内で抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が失われ、子宮内または卵管まで到達することができず、卵子と出会うことができなくなります。
そのために妊娠できないのです。

5)受精障害

受精とは、卵子の中に精子が進入し、融合して起こります。
卵子もしくは精子自体に問題があり、受精できない場合を受精障害といいます。

卵子側の要因として、卵子を覆っている透明帯が固いなどの異常や、卵子そのものの質の低下など、機能的な異常がある場合に受精障害が起こることがあります。
精子側の要因として、運動性の低下などの異常やDNA損傷など機能的に異常がある場合に、受精障害が起こることがあります。
ただし、受精障害は検査で分かるものではありません。

男性側の原因

冒頭に記載したように、男性側の原因は約48%とされています。
造精機能障害、精路通過障害、性機能障害などがその原因と言われています。
1つずつ説明していきます。

1)造精機能障害

精子を製造する能力に問題がある場合をいい、男性不妊の約80%とされています。
精子の数が少ない、または無い、あるいは数はあっても精子の運動性が悪いなどで妊娠しづらくなります。

中でも精索静脈瘤は、精巣周囲の血管がうっ滞することで精巣内の温度が上昇し、精子の数や運動性が低下することが分かっています。
一般男性の15%、男性不妊症の40%、二人目不妊では78%に認められると言われています。

手術をすることによって精巣の機能が改善し、精子の数や運動性が上昇するという報告も多数見られています。その他、染色体や遺伝子の異常が約10%、原因不明は約42%あります。

2)精路通過障害

生み出された精子が、ペニス(陰茎)の先までの通り道において、何らかの原因で運ばれない場合を言います。
この場合、射精はできています。
例えば過去にお腹の手術の既往があったり、精巣上体炎などの炎症があったりして精管がつまっていることもあります。

3)性機能障害

勃起障害(ED)や膣内射精障害など、性行為で射精できないことをいいます。
刺激の強すぎるセルフプレジャーでできない場合もあります。

しかし、一般的には仕事のストレスに加え、妊活をはじめたことによるストレスや、性交の日を指定されるなどの精神的なプレッシャー等が原因で、射精できなくなることがあります。
中には、糖尿病などの病気が原因のこともありますので、肥満の方はそちらも気をつけなければいけません。

性別にかかわらない原因

1)加齢によるもの

男女とも、加齢により妊娠する力(妊孕性)が低下することが分かっています。
男性は35歳を過ぎると精子の質の低下やDNAの損傷を起こすと言われています。
女性は40歳を過ぎると急速に減少します。

まとめ

不妊の原因はひとつだけではなく、複数が絡み合って起きていることがあります。
検査でわかる原因ならば、しっかり説明を受けることで自分の身体の状態がわかります。

それを理解したうえで治療をどうするか、どこまで受けるかなどをご夫婦で考えることができます。
その一方ではっきりした原因もなく、治療を続けていてもお子さんが授からないこともあるという現実も理解しておきましょう。

不妊症看護認定看護師・助産師 阿部監修

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仕事と不妊治療の両立は難しい……解決策はないのか?

2023/03/07

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

不妊治療が保険適用になったことで、かなり身近な治療になったのではないでしょうか。
とはいえ、仕事との両立はなかなか難しいのが現状のようです。

“不妊退職”の実態

平成29年度の厚生労働省(以後、厚労省)「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」の報告によると、約4人に1人の女性が仕事と治療の両立ができず“不妊退職”していました。
また2020年に、NPO法人Fineは不妊退職による経済損失は、約1,345億3,363万円と発表しています。

平成29年総務省統計局「労働力調査」では、全雇用者総数に占める女性の割合は44.5%です。
男性の割合が半数以上を占めていますが、男女差はそれほど大きいものではなく、女性の社会進出が目まぐるしく増加しているのがわかります。
その一方で、男性の長時間労働者の割合は国際的に見ても高いことが報告されています。

女性雇用者が増加しているということは、昭和初期のような結婚後は専業主婦があたりまえの時代から大きく変化し、共働き世帯が増えていることが容易に想像できます。
そして長時間勤務の男性が多いということは、共働きであっても家事を女性が担う割合が高く、仕事だけではなく家事に費やす時間も増えているのがわかります。

そこに不妊治療という、予期せぬイベントが家庭内に舞い込んできた場合、あなたならどうするでしょう。
私なら、これまでのキャリアを維持するために、仕事も家事も、さらには不妊治療までも我武者羅に頑張ってしまうかもしれません。

仕事と不妊治療の両立は難しい

仕事と不妊治療の両立が難しい理由は何なのでしょう?
平成29年度の厚労省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」では、

  • 精神面で負担が大きいため
  • 通院回数が多いため
  • 体調、体力面で負担が大きい

といった回答を得ています。
特に通院回数の多さに負担を感じている方は多いようです。

不妊治療は、女性の月経周期に合わせた検査や治療が多くあります。
そのため事前に通院の予定を立てていても、治療で使用する薬剤の影響で体調の変化を起こし、急な休暇や早退、遅刻なども起こり得るのです。

治療をしたら必ず妊娠するという保証もないため、この状態がいつまで続くのだろうと不安を感じている方も多いのが現状です。

不妊治療を秘密にしている人は多い

では不妊治療を受けることを、職場の方には伝えているのでしょうか。
以下のグラフからもわかるように、不妊治療を受けることを「一切伝えていない(伝えない予定)」のカップルが半数以上もいます。

その理由は「不妊治療をしていることを知られたくないから」、「周囲に気遣いをしてほしくないから」というものです。
プライバシーに関することですし、確実な結果が伴う治療ではないので、職場に伝えるの並々ならぬ勇気がいると思います。

嫌がらせを受けたという人も

このグラフは、不妊治療について職場の一部にでも伝えている人からのアンケート結果です。嫌がらせ等があったかどうかを表しています。

複数回答のため嫌がらせを受けている方は少ない印象ですが、まだまだ理解のない上司や同僚が多いのがわかります。
私が相談を受けた方にも、やはり職場の雰囲気で働きづらさを感じている方が多かったです。

育児中の方は、保育園の送迎や子どもの発熱等による急な休暇は「仕方がないこと」と認めてもらえるのに、不妊治療に関しては、前日または数日前に休暇の申請をしているにもかかわらず、おもむろに嫌な顔をしてくるので泣きたくなると訴える方もいました。

特に独身の女性の上司は、なかなか理解を示してくれないと訴えます。
逆に、子どもを授かるのに時間を要した経験のある男性上司は、労いの言葉をかけてくれるので嬉しくなるという声も耳にしました。

自分の経験していないことは理解しづらいものですが、お互いの立場を理解し合い、サポートし合わないと、素晴らしい人材でも退職を選択してしまいます。
退職者が出れば人員補充のために費用が発生しますし、教育もやり直さなければなりません。
従業員の退職は企業にとって重大な損失ですが、コスト意識の低い企業ではそういった認識すらされていないケースが散見されます。

仕事を続けるには職場の理解が不可欠

以前は「不妊様」という言葉がありました。
不妊治療中の方を揶揄するものです。
不思議なもので育児中の方の行動は、そのような批判めいた表現はあまり聞きませんよね。

もちろん不妊治療中はとっても忙しく、仕事だけではなく家事も、そして通院のために月経に合わせた時間の調整をし、休暇を申請するということを考えただけでも頭が混乱しそうです。
その状態でイライラせずに全部をこなそうとすると、できない自分を責めて「退職」を考えてしまうのも無理はないと思うのです。

だからこそ不妊治療について、一般の方にも理解していただきたいのです。
そうすることで退職という選択を減らし、企業にとっても、不妊治療中のあなたにとっても、winwinの関係であるのが理想です。

でもそのためには、どうしたらいいのでしょう……?

国も不妊治療の支援に動いている

厚労省は「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」の結果をもとに、不妊治療と仕事の両立のために「不妊治療連絡カード」を作成しています。
いわゆる大企業、または女性職員の多い企業ではすでに導入されており、休みやすい環境や通院しやすい環境を目指しています。

しかし、一般の企業でこのカードの存在をご存知の方はどれくらいいるのでしょう?

厚労省では令和4年4月1日から、不妊治療と仕事の両立を支援する中小企業の事業主に対して、助成金の支給を開始しました。
詳細は省きますが、以前に比べると、国も企業も不妊治療を選択される方に対して、かなり歩み寄ろうとしているのを感じます。

保険適用で経済的な負担が軽減される方が多いですが、それでも、まだまだ負担の多い不妊治療です。
プライバシーを守りつつ、仕事を継続しながら治療に臨めるのが、お互いのために最高のチョイスです。

不妊治療を“苦しみ”にしないために

それでも辛い気持ちになる方は、もちろん「辞める」という選択をしても大丈夫です。
仕事のストレスが身体に影響を与えることはよくある話です。
眠れないほど、食べられないほど、逆に過食になるほどのストレスを感じているのに、上手く対処できていない方は、肥満や痩せといった身体に影響を及ぼします。
そして仕事を辞めたとたんに妊娠したという話もよく聞きます。

仕事のストレスのはけ口がパートナーに向いてしまう方は、それが原因で離婚という最悪の事態に繋がることもあります。
不妊治療が原因での離婚もよく聞きますが、それでは本末転倒です。
できればあってほしくないものです。

何でも自分のせいだと決めつけないで

ところで、仕事と不妊治療の両立をすることが、「職場に迷惑をかける」と考える方がいます。
こう考えるあなたはとても「優しく」「真面目」な性格なのでしょう。

でもあなたの周りの同僚を見てみてください。
他人に迷惑をかけているのに、気付いていても気にせず休暇を取る人はいませんか?
場合によっては「そんな理由で?」と思いたくなるような事がまかり通っていたりしませんか?

不妊治療を始めるまでは、一生懸命職場のために頑張ってきたあなた。
その努力や実績は誰もが認めているはずです。

仕事を辞めるのは簡単です。
白い便箋と封筒を用意して一筆書けばおしまいです。

でも、あなたの積んだキャリアを活かせる次の職場があるでしょうか。
さらに妊娠した後はどうなりますか?
産休・育休を取得しやすい環境であるなら「職場に迷惑をかけるから」という考えの前に、「今だけ甘えさせて」という考えにシフトできませんか?

胸を張って、周りの人を頼ってください

会社の上司、同僚全員に不妊治療について話す必要はありません。
国が「子どもを欲しい」と切に願う人のために、仕事との両立ができるよう支援してくれています。
少しずつ変わろうとしている日本社会を信じて、使える制度はどんどん利用して、両立させてほしいです。
あなたならきっとできます。

そして、仕事と治療の両立のために忘れてはいけないもう1つのこと、それは夫婦間の家事の分担です。
サザエさんで象徴されるような昭和の家庭は、今の時代、ほとんど存在しません。
ふたりで働き、家計を支えているのですから、堂々と家事を分担しましょう。
定期的にカップル会議を開催し、見えない家事まで見える化を図り、ひとりで抱え込むことをやめましょう。

だって、不妊治療は二人のお子さんを持つための治療ですから。
苦しいことがあったら、我慢せず吐き出し、吐き出したら笑顔で前に進んでください。
応援しています。

 【参考】厚労省の不妊治療支援

  • プレコンセプションケア
  • 妊活・不妊治療

不妊治療中にストレスを感じやすい場面とは?

2023/03/07

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

ストレスとは、ひと言で説明すると「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと」をいいます。
不妊治療中はとかくストレスを受けやすく、その影響で妊娠率まで低下すると思われがちです。
もちろん「その通り!」という部分もあり、ストレスは悪というイメージが強いと思います。

不妊治療中にストレスを感じるのはどんな時?

人によって物事の見方や解釈が異なるように、ストレスの感じ方も人それぞれです。
ストレスとうまく付き合っていくための方法もいろいろあると思います。

ただ、どのような場合にストレスを感じやすいのかという知識を事前に備えていれば、案外穏やかに過ごせるかもしれません。
これまで不妊治療を受けた方が、どんなところにストレスを感じていたのか、具体的に見ていきましょう。  

病院での診察時

  • 「この日に来てください」と、月経周期や卵胞の状態で来院日が決まる
  • 排卵誘発剤を内服したら、頭痛がしてきた。辛くて仕事ができない
  • タイミング法の時は月に2回程度の診察だけど、人工授精になったら4回に増えた
  • 排卵を促すという注射が痛い
  • 黄体ホルモン補充と言われ、2週間も飲み薬を続けるのが面倒
  • 人工授精の日に夫に精液採取をお願いするのがイヤ
  • 体外受精にステップアップしようと思ったら説明会に夫婦で参加と言われた
  • 高度生殖医療は病院に通う回数が多すぎる
  • 自己注射するように言われた。怖い
  • 婦人科の診察は下着を脱いで受けるので、下着に気を遣う
  • 毎日お風呂に入っていても、診察日は朝からシャワーを浴びてしまう
  • 前回の先生と違う人。緊張しちゃう
  • コロナでひとり通院になった。心細い

これから不妊治療を受けられる方の中には「こんな風になっちゃうの?」と不安を感じた方がいらっしゃるかもしれません。
注射が痛い、薬の副作用がツライといった身体的なストレスもありますし、「イヤ」と思う気持ち、いわゆる心理的ストレスもあります。

病院でどのような検査や治療をするのかを知っていれば、「こんな事をするのかな?」と考え、予測することができます。
何をされるかわからずドキドキしていた方も、次の展開が予測できれば心身共に準備ができ、恐怖感も軽減されると思います。

家族や友人との出来事

  • 夫の母や親戚に「まだ妊娠しないの?」と聞かれる
  • 親戚の集まりで、子供連れがいると悲しい気持ちになる
  • 友人同士の集まりは、子どもの話中心で仲間に入れない
  • 友人に「なかなか妊娠しない」と言うと、急によそよそしい雰囲気になる
  • 年賀状には、子どもの写真ばかり。見たくない
  • 夫に毎回毎回、タイミングの時期を説明するのがイヤ
  • いつも性行為は排卵の頃だけ。もっと仲良くしたいのに
  • 治療のこと、一緒に考えてほしいのに、夫は「好きなようにしていいよ」と言う
  • ふたり目の子どもがほしいのに、「ひとりいるからいいよ」と誰も話を聴いてくれない

家族や友人との関わりでストレスを感じる場面では、アイメッセージ(「私はこう思う」という表現方法)で伝えると、良好な関係性を維持しやすくなります。

例えば友人に「子どもはまだ作らないの?」と言われて悲しい気持ちになった時、「私たち今、頑張っているんだよ。応援してね」と伝えてみてはいかがでしょう?
きっと、相手も応援したい気持ちになるのではないでしょうか。

仕事に関すること

  • 不妊治療していることを職場の人には知られたくない
  • 休暇の申請も突然になるので、他の用事では休みづらい
  • 責任のある仕事に就いているのに、通院のことを考えるとどこまで頑張れるか不安
  • この状態がいつまで続くんだろう
  • 不妊治療のことを話したら「病気じゃないんでしょ」と理解されなかった
  • 子供のいる人は急な休みも許されるのに、不妊治療のことは話しにくい雰囲気
  • 仕事を辞めて治療に専念したいけど、治療費が高いので辞められない
  • 体外受精にステップアップしたら、休みだけでなく貯金もどんどん減ってしまう

厚生労働省は2022年4月から不妊治療の保険適用開始とともに、仕事と治療の両立しやすい環境整備支援を始めています。

例えば「不妊治療連絡カード」
自分からは言い出しにくい不妊治療について、企業の人事労務担当者に的確に伝達するために厚生労働省において作成し、活用を推進しているカードです。

また厚生労働省では、仕事と治療の両立を目指すあなたのために「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」を作成しています。
職場で上司や同僚に配慮してほしいことや困ったときに利用できる相談窓口の案内などがまとめられている冊子です。
こういったものに目を通すだけでも、不安な気持ち軽減できるかもしれません。

まとめ

「治療費が高い」「貯金がどんどん減ってしまう」という経済的なストレスもあれば、「友人の言葉に傷ついた」「仕事が休みづらい」といった社会的なストレスもありました。

これらは複数の要因が絡み合ってストレスとなるため、あまりに複雑化してくると、気分の落ち込みや睡眠不足、過食や拒食になってしまうことがあります。
そのままにしておくと、心だけではなく体にも悪影響です。

いつの間にか人に頼ることは「大人のすることではない」と思い込んでいませんか?

頼っていいのです。
教えてもらっていいのです。

そうやって少しずつストレスを減らしていくことで、辛く思える不妊治療も笑顔で受けられるようになります。
泣いていても「子どもがいない」という現実は変わらないのです。
それなら笑顔で毎日を過ごしながら、明るい未来を夢見ませんか?

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「日本は世界一の不妊治療大国で世界一成功率が低い」のカラクリ

2023/03/01

川口 優太郎先生

川口 優太郎先生

先日とあるニュースサイトでこんな見出しの記事が掲載されていたのをご存知でしょうか?

『日本は世界一の不妊治療大国で、世界一成功率が低い』

記事の内容は、日本の体外受精治療周期数はアメリカと比較して約1.5倍、ドイツ、フランス、韓国などとの比較では約3倍にもなり、世界で一番治療周期数が多いこと。
その一方で、治療による出産率はアメリカの1/3程度で、世界で最も低い数値であるとのことでした。

この記事だけを読むと、「ふ~ん。日本の不妊治療って確率が低いんだ。じゃぁアメリカでも行くか‥‥」となってしまいそうですよね?
確かに、数字の上だけではその通りかもしれませんが、本当にこのデータをそのまま鵜呑みにしても良いのでしょうか?

今回は、このデータのカラクリを解き明かしながら『日本は世界一の不妊治療大国で、世界一成功率が低い』の真実をお伝えしていきたいと思います。

日本が不妊治療大国と言われる理由:年齢

日本が不妊治療大国で成功率が低いという理由の1つに『年齢』があります。

先ほどの記事では触れられていませんが、実は世界的に見ると、日本で不妊治療を受けられている患者様の年齢層は他国と比較すると約1~4歳程度高齢です。

近年、日本では女性の社会進出が活発になっていることで、妊活あるいは不妊治療を開始する時の年齢が、ここ数年で飛躍的に引き上げられているという社会的な背景があります。
妊活や不妊治療を始めたのが40代からという方も非常に多く、すでに妊娠・出産適齢期を過ぎてしまっているというケースも少なくありません。

不妊治療において年齢は重要な要素

不妊治療を行った場合、一度の治療周期で赤ちゃんを授かる確率は、20代から30代前半であれば約20~30%半ば、30代後半は15~20%程度です。
そして40代では5~10%、43歳を超えたら1%未満にまで低下します。

つまり、日本の不妊治療の成功率が低い理由の一つは、他国と比較して治療を受けている患者様の年齢層が高いことに関係しているのです。
実際、年齢というバイアスをなくして(35歳以下のみ)検証した場合、日本の不妊治療成功率は他国と比較しても相違はほとんどありません。

また高齢の患者様(43歳以上のみ)で、ドナー卵子などの症例を排除して検証した場合には、不妊治療の成功率(移植後の胎嚢確認まで)はむしろ他国よりもやや高めなのです。

中国でも高年齢の不妊治療が増えている

不妊治療患者の高年齢化は中国(大陸中国)でも同様に見られますが、これはいわゆる『一人っ子政策』が関係していると言われています。

1970年代に人口制限を目的としてスタートした一人っ子政策は、2015年に1組の夫婦につき子ども2人までに緩和されました。
これにより一人っ子政策によって兄弟・姉妹をあきらめていたご夫婦が、40歳を過ぎて子どもが欲しいと不妊治療に挑戦するケースが増えているためだと考えられています。

日本が不妊治療大国と言われる理由:生殖に関する知識不足

関連して、日本が不妊治療大国だと言われる理由がもう1つあります。
それは日本人が他国と比較して、妊娠など生殖に関する知識が顕著に低いという点です。

2013年にヨーロッパの生殖医療専門ジャーナルHuman Reproductionに掲載された研究によると、先進国の中でも日本人はとりわけ生殖に関する知識が乏しく、途上国と比較しても知識量が極めて少ないという結果が示されています。

生殖に関する知識レベルチェック

例えば、皆さんはこんな質問に正しく答えられるでしょうか?

  • Q.1 いちばん妊娠しやすいタイミングは排卵日である。[〇 or ×]
  • Q.2 良好な精子を取るためには禁欲期間は出来るだけ長い方が良い。[ 〇 or ×]
  • Q.3 基礎体温は排卵日を知るために最も適したツールである。[ 〇 or ×]
  • Q.4 不妊検査で何も悪い所見が見つからなければ、自然妊娠は可能である。[ 〇 or ×]

皆さん分かりましたか?
実はこの答え……すべて[×]なのです。

解説は最後にまとめるとして、実際のところ「全問正解!こんなの簡単だよ!」という方、「えっ!ここ違うの?」という方、半々くらいなのではないかなぁと思います。
研究によると、このような質問にすべて正しく答えられた日本人は、約3割程度しかいなかったとのことです。

このような生殖に関しての正しい教育が行き届いていないことや、ネットなどの間違った情報を信じてしまっていること、さらには、そもそも生殖に対する“無関心”が結果的に治療開始年齢の高齢化を招き、不妊治療を受ける患者様を増加させている要因であると考えます。

先を見据えたライフプランニングの重要性

女性には妊娠・出産適齢期というものが存在します。
簡単に言えば、母体・児ともに健康的に妊娠から出産までを迎えることが出来る年齢の事です。

ファミリープランニングを専門に行っている団体が、2015年に10代後半~20代の女性を対象として行ったアンケート調査によると、妊娠・出産適齢期という言葉自体を知らない・聞いたことが無い、あるいは自分に当てはめて考えたことがないという女性が合わせて70%近いというデータが示されています。

生殖に対する無関心からかはわかりませんが、「妊娠なんていつでも出来るから今は仕事が大事!」と誤った認識の下でキャリアを優先する女性が増えている日本の現状を鑑みると、日本が世界一の不妊治療大国で世界一成功率が低いという不名誉な称号はまだまだ付きまとうのかもしれません。

確かに数字の上では記事の通りなのですが、女性(特に若い方々)がほんの少しだけ将来に意識を向け、いつまでに結婚していつまでに子どもを産むのかといったライフプランニングをしっかり行う女性こそが“意識高い系女子”と認識されるようになれば、この現状は大きく変わっていくのではないでしょうか?

【問題の解答&解説】

Q.1 いちばん妊娠しやすいタイミングは排卵日である。答え;×
A.一番妊娠しやすいタイミングは排卵日の2日前であることが先行研究より示されています。

Q.2 良好な精子を取るためには禁欲期間が長い方が良い。 答え;×
A.精液検査を行う際には、2~3日間の禁欲期間の後に行うことが推奨されています。禁欲期間が長いと、精子の運動率の低下や染色体(遺伝子)に損傷を受けた精子が増えることが示されています。

Q.3 基礎体温は排卵日を知るために最も適したツールである。 答え;×
A.体調や心の状態によっても体温が変化することがあります。また、毎日同じ時間に計測するという煩雑さから、最も適したツールとは言い難いです。

Q.4 不妊検査で何も悪い所見が見つからなければ、自然妊娠は可能である。 答え;×
A.遺伝子的な要因や、卵子あるいは精子自体の受精障害、年齢による卵子の質の低下、その他子宮に何らかの問題があるなど、不妊検査だけではわからないことの方が数多くあります。

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妊娠・出産には適齢期があることをご存知ですか?女性活躍推進!

2023/02/28

Marbera運営事務局

Marbera運営事務局

少し遡った話にはなりますが、平成27年8月に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法が国会で成立しました。

この法律の制定以降、女性の社会進出が日本全国で活発になり「仕事でバリバリ活躍したい!」と希望を持つ女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するために、各方面でさまざまな政策や事業が推し進められています。

現在では、女性の活躍推進に関する行動計画の策定が企業ごとに義務付けられており、地域によっては、労働者や管理職の〇〇%を女性にしなければならないといった取り組みまで行われているそうです。

社会問題になりつつある晩婚化

そういった社会的な背景が変化しつつある一方で、近年、女性の結婚する年齢(初婚)が年々少しずつ高齢化している、いわゆる『晩婚化』が社会問題の1つになっています。

最新のデータでは、女性の初婚年齢の平均は29.4歳で、20年前と比較すると約5歳も上昇しています。

また36歳以上の結婚に焦点を当てると、20年前は36歳以上で結婚した女性は全体の約4%程度でしたが、現在では全体の約12%の割合を占めています。

私の以前の職場でも40代で初婚という方が結構いらっしゃり、現在ではめずらしいとは言えない状況になってきていると実感しています。

この“晩婚化”は、われわれのような生殖医療の分野に関しても非常に大きな問題となっています。
というのも不妊の原因には年齢が深く関係しており、年齢を重ねることによって妊娠率が徐々に低下していくためです。

妊娠・出産に大きく影響する年齢

女性には『妊娠・出産適齢期』というものが存在します。
簡単に説明すると、心身ともに健康な状態で赤ちゃんを妊娠し、出産して、育てることが出来る年齢や期間のことです。

ご存知の通り、高齢になると健康な状態で赤ちゃんを産むことが難しくなったり、育児が困難になったりすることが指摘されていますが、そもそも妊娠の成立自体の可能性が低いものとなってしまうのです。

一般的に女性の妊娠率(1カ月毎)は、生殖可能年齢から30代前半までは約30%~40%と言われています。
年齢を重ねるごとに徐々に低下していき、30代の半ばから急激に下降します。
そして40代に入ると、わずか数%にまで低下してしまいます。

つまり、年齢が高くなればなるほど妊娠の可能性が顕著に失われていくわけです。

現在の社会状況を加味すると、晩婚化によって結婚した時にはすでに妊娠・出産適齢期を過ぎてしまっているという方も少なくありません。

しかしながら、近年ではテレビなどで活躍する芸能人や女優さんが40代での妊娠・出産などを報告する機会が増えたこともあり、「40歳を超えても子どもが出来る人だっているし、私も大丈夫でしょ!」とあまり深刻に捉えていない方も少なくないようです。

国が主体となり、女性の活躍推進を推し進めるがあまり、妊娠の成立に年齢がどれほど重要なものであるかといったことや、妊娠あるいは生殖という分野に関する正しい知識をまったく普及出来ていないということが、不妊治療が必要となる患者さんが増えてきている要因の1つと考えられます。

生殖分野に関する知識の普及状況

妊娠あるいは生殖という分野に関する正しい知識がまったく普及出来ていないことに関して、興味深い論文がすでに発表されています。

ヒトの生殖医療分野の研究において最も高い評価を受けている学術誌の1つであるHuman Reproduction誌に発表された論文によると、世界中の先進国の中でも、とりわけ日本は「妊娠や生殖に関してどれだけ正しい知識という有しているか?」という項目において最も低い指数であったことが報告されています。
またこの指数は、その他発展途上国と比較しても低い値であることも付け加えておきます。

女性の社会進出や活躍推進は、今後ますます進めていく必要はあると思います。
しかしそれと同時に、女性が正しい知識の下で妊娠・出産適齢期を考えられるような機会を設けていくことが重要なのではないでしょうか?

Marberaでは、専門家によるこういった知識の普及活動、ライフプランニングの中に妊娠出産も組み込み描くことのサポートも行っております。
是非お問合せください。

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まさに奇跡のメカニズム! 妊娠に至るまでの9つのステップ

2023/02/15

Marbera運営事務局

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あらためて妊娠について考える

そもそも妊娠とは、どのような現象を言うのでしょう?
広辞苑で調べてみたところ「女性が体内に受精卵または発育した胎児を身ごもっている状態。正常の妊娠維持期間、すなわち受精から分娩までの期間は、最終月経から数えて約280日。懐妊、懐胎」とありました。

言葉で端的に説明すれば、まさにそのとおりです。
しかし、その仕組みはとっても複雑です。

妊娠の9つのステップ

妊娠に必要なステップは9つあります。
このどれかひとつでも上手くいかないと、妊娠という現象は起きません。

  1. 1.膣内に射精する
  2. 2.精子が子宮内に入る
  3. 3.精子が子宮内から卵管に進む
  4. 4.卵子が育つ
  5. 5.排卵する
  6. 6.排卵された卵子を卵管采が取り込む
  7. 7.卵管膨大部で受精する
  8. 8.受精卵が成長しながら子宮内まで移動する
  9. 9.着床

この全てがクリアされないと妊娠には至らないのです。
まさに奇跡です。

1.膣内に射精する

射精とは、男性が性的刺激を受けた際に陰茎が勃起し、精巣で作られた精子が精管を通り尿道から放出される状態をいいます。
とても簡単なことのように思えますが、実は男性も女性に負けないほどデリケート。
何気ない女性の言葉で傷つき、射精できないこともあります。

2.精子が子宮内に入る

射精ができれば、精子は子宮内に入る……そう考えますよね。
しかし膣内環境によって、精子は子宮内に進入できないことがあります

まずは子宮頸管粘液が十分に分泌されているかどうかがポイントです。
子宮頸管粘液は一般におりものと呼ばれていて、月経周期の時期によってPH(水素イオン濃度指数)が変化します。

膣から子宮内はひとつに繋がっています。
通常、膣内は体内に細菌等の異物が侵入するのを防ぐため、酸性の状態にあります。
そのPHは4~5と言われています。

ところが排卵間近になると、膣内はPH7よりちょっと高めの弱アルカリ性になります。
膣内を精液と同じ弱アルカリ性にして、精子が生存しやすく、子宮内に侵入しやすい環境に整えているのです。

排卵の4~5日前から水っぽい粘調度の高いおりもの(頸管粘液)が分泌されます。
このおりものが精子を吸い込むように包み、子宮内に送り込みます。
排卵期の子宮は卵管の方に向かうような動きをし、膣内に射精された精子を、子宮内から卵管に向けて泳ぎやすいようにサポートしているのです。

排卵期の頸管粘液の分泌が不十分であったり、抗精子抗体を持っている方は、精子が子宮内に進入できない場合があります。
この場合は、子宮内に直接精子を送り込む治療や人工授精でないと、受精のチャンスを得ることができません。

3.精子が子宮内から卵管に進む

精子が卵管まで進むためには、どれくらいの距離を進んでいくのでしょう?
子宮頸管は約3cm、子宮内から卵管口までが約7cm、卵管の入り口から受精の場と言われる卵管采まで約7~12cmです。
個人差はありますが、約20cmの距離を、精子は泳ぎ切らないと卵子には出会えません。

では、精子の大きさはどれくらいなのでしょう?
精子の全長は約60μmです……イメージできますか?

1μmは0.001mmです。
頭髪の直径が約60μmといわれていますので、当然肉眼では見えません。
この精子が、約20cmの泳ぎの旅に出ていくのです。

1回の射精で放出される精子は、個人差があるものの約1億個と言われています。
そのうち子宮頸管に進めるのが約100億個、さらに卵管膨大部まで侵入できるのは約300個です。

20cmの距離を一心不乱に昇りつめ、出会えるかどうかわからない卵子に向かって戦う姿を想像してみてください。
それだけの力が精子には必要になってきます。

4.卵子が育つ

卵子は、卵巣内で発育します。
排卵までの大きさに成長するために、約6か月前から準備をはじめます。

そもそも、卵子は原始卵胞という状態で、卵巣内で眠っています。
既に生まれる前、お母さんのお腹の中にいる時に作られているのです。
その卵子の元の数は、減ることがあっても増えることはありません。

ちなみに、生まれたときから持っている卵子の元の数は個人差が大きく、たくさん持って生まれてくる方もいれば、少ない方もいます。
不妊治療に入る前に、この数の指標となる抗ミュラー管ホルモン(通称AMH)を検査することで、自分の体内にどれくらいの卵子の元が残っているのか確認できます。

5.排卵する

一生涯の間に排卵する卵子の数は、約520個と言われています。
そして毎月1個排卵するのに、実は数個から数10個の卵子の元がエントリーし、その1個以外は残念ながら吸収されてしまいます。

この排卵に重要な役割を果たしているのが、脳から分泌されるホルモンです。
卵胞を育てるためのFSH(卵胞刺激ホルモン)と、主席卵胞という女王様の様な卵胞が約20mmくらいまで育つと、排卵する卵子を成熟させるためにLH(黄体形成ホルモン)が分泌され、排卵へと導きます。

排卵は、卵巣内で大きく成長した1個の卵胞が破裂して、卵子が飛び出すことを言います。
毎月毎月、卵巣内で小さな破裂が起きますので、時には少量の出血を伴うこともあります。

6.排卵された卵子を卵管采が取り込む

卵管采は卵管の先端にあり、イソギンチャクのような形をしています。
卵巣を手のひらで覆い込む様子をイメージしていただくとわかり易いかもしれません。

この卵管采が上手く機能していないと、排卵した卵子が卵管内に取り込まれません。
これを、ピックアップ障害と呼びます。

残念ながら現代の医学では、ピックアップ障害を確認する簡単な検査はありません。
例えば子宮卵管造影検査で、卵管采に水腫が出来ているとか、卵管が腹腔に癒着しているなどの結果が出れば、予測できるかもしれません。
いずれにしても、排卵した卵子を卵管采が取り込むことができれば、精子と出会うチャンスを得ることができます。

7.卵管膨大部で受精する

受精とは、精子という1個の細胞と卵子という1個の細胞が合一することです。
その1個のために、精子も卵子も凄まじい争奪戦を繰りひろげます。

精子は1億という仲間を蹴落としながら子宮のさらに奥まで進み、約300個の仲間と排卵してくる卵子を待っています。
一方、アイドルのセンター争奪戦のようにして打ち勝った、たった1個の卵子が排卵によって卵管膨大部に取り込まれます。

ここで待ちぶせしていた精子が、卵子を目指し突き進みます。
そしてたどり着いた精子は、頭部から酵素を発し、卵子の中に侵入します。精子の侵入を受けた卵子は、他の精子が侵入しないよう、卵子の表面を変化させます。

精子の先端から十分な酵素が出なかったり、卵子の周囲を覆っている透明帯が固すぎたりすると、精子は卵子の中に進入できません。
これを受精障害と言います。
この場合は、体外受精、顕微授精の技術を用いて受精させます。

8.受精卵が成長しながら子宮内まで移動する

精子と卵子の出会いから約12~24時間後に核の融合が起こります。
この状態を受精したと判断します。

その後は細胞分裂を繰り返し、2日目には2~4細胞、3日目には6~8細胞、4日目には桑実胚、5~6日目には胚盤胞へと、どんどん細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮腔内に移動します。

9.着床する

胚盤胞は、内細胞塊、栄養膜、胞胚腔からできています。
内細胞塊は、赤ちゃんになる部分と言われています。
そして、胚盤胞まで発育した受精卵が、外を覆っている透明帯から孵化し、子宮内膜へと接着することを着床といいます。

この着床について、最近の研究では、子宮内膜もまた元気のある受精卵を選び、子宮内へと導いているような動きをすることが分かってきています。
種の保存のために生命力の強い精子と卵子が融合し、さらに元気な受精卵だけが選ばれて子宮腔内に着床できるのかもしれません。

まとめ

以上が、妊娠のしくみです。
どの工程も省略することができないし、どの工程も正常に機能しないと妊娠という奇跡は起きないのです。

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もしかして、不妊?医療の力を借りて妊活する前にやっておきたい4つのこと

2022/11/04

Marbera運営事務局

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もしかすると、不妊かも…?と頭をよぎったら、まずは何から始めますか?

「婦人科に行って検査を受けて、保険診療になったから不妊治療受ければ問題ないね。」そう思い動き出す方、

「本当に不妊症だったらどうしよう。婦人科なんて怖くていきたくない。」そう思い、悩み苦しんで動けない方もいると思います。

しかし、不妊検査、不妊治療を受ける前に、まずは自身やご家族で計画を立てることで、余計なストレスが軽減されます。

今回はその計画について4つ、お伝えしていきます。

 

1、夫婦の考えをしっかり話し合う

「赤ちゃんがほしい」そう思う気持ちは、お互い一緒だと思っていませんか?

結婚を意識した頃に、「子どもは、2人はほしいな。」「男の子と女の子一人ずつで最初は女の子。」なんて会話をしながら、お互いの気持ちを確かめ合いましたよね。

これからの未来に夢を描き、ワクワクドキドキ胸を高鳴らせながらお話をしていたのではないでしょうか。

もちろん、その気持ちはとっても大切で、夫婦としての絆の始まりです。

二人の愛が変わらないよう、ずっとその気持ちを持っていてほしいもの。

しかし、現実的な問題として「赤ちゃんがほしい」という思いがあれば、必ずしも二人のもとにやって来てくれるわけではありません。そこには現実的な問題として、年齢的なことが一番に関係してくるかもしれません。

二人にとっての「子どもを持つ意味、理由」を話し合いましょう。

10組の夫婦がいれば、10組ともその意味や理由は違うと思います。

例えば、「自分は一人っ子だから、少なくても子どもは二人欲しい」という考え方や、「名を絶やさぬよう男の子は必要」という方もいるでしょう。

お互いの気持ちを正直に話し、今後の2人の生活に「子ども」がどういう位置にいるのが望ましいのかを確認し合いましょう。

簡単にいうと、「どんなに大変な治療でも子どもは絶対ほしい」「治療は〇回までがんばってダメなら二人の生活」「治療してまで子どもは望まないので自然に任せる」など、具体的に考えた方がいいです。

もちろん、人の考えはずっと同じではないし、状況で変更せざるを得ない場合もあります。

その時々で変わることは当然ですし、変わってもいいのです。

その度に、カップル・夫婦会議を開いて、話し合っていける関係性を築いてほしいと思います。

まずはしっかりと向き合い、そこから次のステップを考えていく事をお勧めします。

2、不妊検査、治療はどこまでするかを決める

治療や検査については様々な方法があります。あなたの家庭の状況に合わせ「どうするのが一番良い」のかを考えましょう。

今、保険適用で不妊治療も受けやすくなったのは事実です。

例えば、これまで1回の体外受精(採卵まで)に約40~50万円はかかっていましたが、保険適用となり、約8~9万円くらいと、以前に比べると、かなり身近な治療となりました。(ART管理料、2~5個での採卵・受精・培養・胚凍結までで計算しております。)こちらには、卵巣刺激をするお薬代は入っておりませんので、もう少し追加料金はあります。

あなたの年齢による妊娠率も大事な治療選択のポイントですが、家庭の経済状況、共働きの方の場合、〇月は決算期ではないので仕事を休みやすいなど、仕事によっての特性もあるのではないでしょうか。

また、会社で休暇制度を使えるかどうかなども調べた上で、どの時期にするのか、どの治療までステップアップするのか、何回までするのかをある程度決めておくといいでしょう。

3、基本的な体のメンテナンスをする

お子さんを望んだ場合、先述した1,2と同時に、夫婦の体のメンテナンスをしましょう。

「毎年の健康診断では特に異常はないけど。」という方でも、実はBMI(体格指数)が肥満判定ギリギリの24.8だったり、逆に、17.8で痩せすぎという方もいらっしゃいます。

また、毎日の食事がコンビニやスーパーで買ってきたお惣菜という方も。

さらに仕事のストレス解消に、毎晩夜更かしをして映画鑑賞を趣味にされている方もです。

たまに、それらを利用することや、ストレス解消のひとつに実施するのは問題ありませんが、継続的にされることで、見えない異変が起きてくる可能性はあります。

体調を整えることは、卵子や精子という細胞を元気にし、妊娠しやすい土台作りです。

検査・治療と同時に生活習慣も整えていきましょう!

4、あたなに合った病院選びをする

不妊治療やクリニックの他に、女性の場合は婦人科ですし、男性の場合は泌尿器科になるのですが、全ての医師が不妊治療を得意としている訳ではありません。

日本では、日本生殖医学会の認定する生殖医療、いわゆる不妊治療を専門として認定を受けている医師、生殖医療専門医が全国におります。

病院だけではなく、ご自身でクリニックを開業されている医師もおります。

治療を受けようとしている方の全体をみて、自分で可能な治療を

患者さんと一緒に相談し、年齢や既往歴なども考慮しながら進めていきます。

過去に出会った方にこのような方がおりました。


通院した病院では、人工授精までしかできないことを知らず、勧められるまま治療を続けた結果、1年半くらい経過。

その後、高度生殖医療を勧められ転院。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査で卵巣予備能を確認しておらず、転院先で実施したところ、数値はすでに0代

緊急で高度生殖医療を実施するが、妊娠には至らず。


最先端の医療がすべてではありませんが、状況に応じて、もう少し早く転院を進めていれば、もしかしたら結果が違ったのでないかと悔やんだ記憶があります。

幸い保険適用になり、一般不妊治療においても計画書を作成して、ステップアップも適切な時期に提案していけるようになりました。

その辺も考慮しながら、あなたの年齢、提供している医療技術、通院しやすさ、相性などを考慮し病院を選んでいくといいでしょう。