- みんなの妊活体験談
【体験談】突然発覚した二人目不妊。二人目だからこその悩みとは
2022/11/30
Marbera運営事務局
一人目は自然妊娠。想定外の二人目不妊
二人目不妊というのは、一人目の子供の出産後一定期間避妊をせずに性交渉をしても妊娠しないケースのことです。なんらかの理由で一人目から不妊治療をしている人もいれば、一人目は自然妊娠で出産を経験したものの、二人目で突然不妊治療の対象となる人もいます。
不妊治療は現時点ではその多くが保険適用外の治療でもあり、病院や治療について自分で積極的な情報収集をすべき側面も多々あります。しかし、二人目不妊に限定した情報はあまり多くありません。一人目を自然妊娠で授かり、想定外に二人目不妊の診断を受けた筆者の二人目不妊ならではの悩みをお伝えします。
もちろん、ここに書かれているのはあくまでも私個人の体験であり、すべての人に当てはまることではありません。実際に治療を受ける際には医師とよく話し合って方針を決定することが重要だということは忘れないでくださいね。
一人目妊娠から二人目不妊発覚までの経緯
長男の妊娠がわかったのは、2016年11月、私が34歳のときでした。まだ結婚したばかりでしたが、私の年齢も30代中盤だったため、すぐにでも妊活を始めたいと思い、計画し始めたばかりの頃でした。出産は帝王切開になったのですが、帝王切開後の妊娠は最低1年あいだをあけるようにと医師からいわれることがあります。帝王切開では子宮にもメスを入れているため、十分に時間がたつ前に再度の妊娠によってお腹が大きくなると、子宮の傷が開いてしまうことが懸念されるからです。私が通っていた産院でも同様の説明を受けたため、長男が1歳になるまでは第二子のことは考えていませんでした。
当初私達夫婦は、一人目を順調に自然妊娠したこともあり、妊活を再開すればすぐに子供を授かることができると思っていました。ところが2018年8月頃から第二子のことを意識し始めましたが授かることはなく、2019年の2月に私の職場近くの産婦人科でタイミング指導を受けることにしました。
タイミングを合わせても妊娠しないため、4月頃に担当の医師から「念の為」ということで主人の精液検査を提案されました。我が家では夫婦ふたりともが第二子を熱望していたこともあり、主人も検査や治療を嫌がることはなく、本当に軽い気持ちで検査をしたところ重度の男性不妊であることが発覚しました。
「まさか私たちが‥。」
最初に結果を聞いた気持ちは、やっぱりこれでした。
男性不妊を全く想定していなかったため、検査結果すら私が診察のついでに一人で聞こうと思っていたため、突然すべてを一人で受け止めなければならず、今考えるとまさにパニック。主人のほうが衝撃が大きいなら自分は冷静でいなければとわかっていても、帰りの電車では1時間涙が止まりませんでした。
二人目不妊ならではの悩み
多くの人が、不妊治療のステップとしてタイミング指導や人工授精とステップアップを辿ってきているかと思います。しかし、私たちは精液検査の直後に、医師から顕微授精しか妊娠は無理だろうと伝えられました。そのため、早速高度不妊治療をスタートさせることになりました。実際に体外受精に挑む中で起こる、二人目不妊ならではの悩みもありました。
金銭面での負担
体外受精ではその多くが保険適用外の治療です。自由診療ではクリニックによって金額に差がある項目もあり、治療前にはなかなか費用の詳細がわかりにくい部分があります。もちろんクリニックがすべての金額を明示しているケースもありますが、どのような方法で採卵や移植を迎えるかによっても使用する薬の量などが異なるため、そもそも事前には明確な金額がわかりにくいのです。ただし、事前に調べていても「莫大な金額がかかる」という印象はありました。
そのうえ、36歳で体外受精により出産を迎える確率は、20%以下というデータがあります。(出典:一般社団法人日本生殖医学会)つまり、高額な費用をかけても妊娠、出産に至るという保証はありません。結果につながらず残念な思いをするたびに、まるで息子にかけるべき大切なお金を自分のわがままで不妊治療につぎ込んでいるような気がして、とても心苦しくなります。
時間的負担
不妊治療を開始した時点で、私はすでに長男を保育園に預けて復職していました。私の場合は時短勤務での復職だったので、できる限り同僚に迷惑をかけないように時間ギリギリまで仕事をし、走って保育園にお迎えに行く日々でした。私が最初に通っていた不妊治療専門クリニックでは、すべての患者さんに配慮するため、クリニックの敷地内は子供の立ち入りが禁止されていました。予約を入れていても待ち時間も長く、診察の日は何時にクリニックを出られるか時間も読めません。保育園のお迎えに遅れるにも時間を伝えることもできません。また、本来通院のための保育も認められていないため、その度に預かり先を探すことになります。
しかし、実際に通院してみないと予定が立ちにくいのが不妊治療でもあります。金曜日の診察で、突然翌日土曜日の診察が決まったときなどは一時預かりも既にいっぱい。度々頼れる人もあまりいなく、不妊治療のことを伝えていない相手には理由も説明できず、周囲にも長男にも負担をかけていることがとてもつらかったです。
周囲の理解不足という壁
不妊治療や妊活という言葉自体は、おそらく年々認知度があがってきているように感じます。しかし、実際の不妊治療に関する詳細は、不妊治療を受けた人やその家族以外にはまだまだ理解されにくい現状があります。特に自然妊娠の経験がある人に対しては、周囲も「不妊ではない」と思っていることが多く、悪意がないままに第二子以降のプランを聞かれたり、兄弟はいたほうがいいよ!と勧められたりすることも多いものです。
また、通院の協力を仰ぐために私の両親にカミングアウトした際には「一人子供がいるんだから、そこまでしなくても…」と言われてしまいました。ホルモン治療などもあるため親として心配をしてくれているのは理解できましたが、「そこまで」と言っても私たち夫婦には顕微授精が唯一の選択肢であり、その事実への理解を求めるには大きな壁があるように感じました。
孤独さを解消するためにSNSやブログなどで不妊治療当事者の悩みを色々と見ているうちに、一人目不妊か二人目不妊かということや、治療のステージや治療年数などによって壁があるケースもあるとわかりました。環境や体調は人によって異なり、自分と全く同じということはありえません。だからこそ、体も心も追い詰められがちな不妊治療の中で、誰かと比べて自分のほうがつらいと考えてしまったり、逆に知らずしらずのうちに誰かを傷つけてしまったりという可能性もあります。どれだけ理解しあえる相手をみつけても、結局は自分のつらさは自分にしかわからないのではないかという孤独感は常に胸の奥に残っているような気がします。
二人目不妊の悩みを解決するために
体外受精への挑戦を決めて2年が経とうとしていますが、この間5回の採卵と移植をし、一度流産を経験したものの残念ながらまだ第二子の出産には至っていません。諦めることなく現在進行中で治療を続けるにあたり、二人目不妊の悩みを解決するために私が実践している対策をお伝えします。
不妊治療の終わりを夫婦で話し合う
特に不妊治療の費用を捻出するのが容易ではない我が家では、治療開始当初から不妊治療の終わりについて夫婦で大体のことを決めています。期間や年齢で区切る人もいるようですが、私たちは不妊治療に使う金額の上限を決めました。
また、不妊治療には助成金の対象になるケースもあり、条件に当てはまれば一部の費用を都道府県や自治体から助成してもらうことが可能です。助成金や医療費控除などのこともしっかり調べ、できる限り治療費用を節約できるようにしています。
通院可能な条件による病院の見直し
正直不妊治療開始時点では私自身の知識も乏しかったのですが、会社から徒歩5分の距離に実績も豊富な有名クリニックがあったため、そこに通っていました。しかし、会社が休みの日でも家から1時間かけて通う必要があったり、子供の立ち入りができなかったりと条件では負担になる部分も大きかったです。
このクリニックで2度の体外受精を実施した頃に会社の移転もあり、家から近くのクリニックに転院することにしました。大手クリニックに比べれば設備や実績では多少の差がありますが、託児所があったり待ち時間が少なかったりと、通院の面ではだいぶ負担が減りました。もちろん実績第一で病院選びをするというのもひとつの方法ですが、私の場合は二人目不妊だからこそ、家族みんなにとって負担の少ない病院選びも大切だということを実感しました。
自分のことを責めない
私の場合、不妊治療を受ける中で気持ちが疲れてしまう局面は多々あり、どうやっても避けることはできません。男性不妊にも関わらず自分だけが何度も通院すること、パートナーや家族にも理解されない治療のつらさ、順調に二人目、三人目を出産していく知人、どんどん金額が減っていく貯金…。ときには一人で泣いてしまうこともあります。
特に不妊治療に関しては、決して自分のことを責めないように考え方をコントロールするようにしています。時間や金銭的な負担も一時的なこと、体のことも誰のせいでもなく、それでも人を羨んでしまうような感情さえ治療中なら当たり前!そうやって自分で自分を許すことで、息苦しくならないようにしています。
二人目不妊に心当たりがあれば早めの検査を
二人目不妊の悩みはここでは書ききれないぐらいたくさんありますが、悩んでいるのは一人ではないこと、積極的に行動すれば対処できることもあることを知っていただければと思います。ベビmatchのような妊活サポートアプリを活用することで、夫婦間でもお互いの理解が深まったり、カウンセリングを利用したりと様々な面での負担を軽くすることも可能です。
最後になりますが、二人目不妊ならではの課題として、心当たりがある人は早めに検査をすることをお勧めします。女性が妊娠できる年齢には限界があるため、仮に不妊治療を受けるのであれば、どんな人でも早くから開始するに越したことはありません。ところが第二子以降は第一子に比べれば年齢が進むだけでなく、特に第一子を自然に妊娠した人の場合、不妊ではないという先入観から医療機関の門を叩くまで時間がかかってしまうことがあるようです。しかし実際には、出産によるホルモンバランスの変化で二人目以降不妊になるケースなどもあり、男女ともに第二子以降であっても突如不妊が発覚するということは珍しいことではないということを知ってほしいと思っています。